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ビジネスは熱狂的支援者が出れば一気に飛躍するが、なぜあなたには出ないのか?
<Voicy No.180 2022年6月29日放送より>
宗教とブランドの広まり方は一緒。
コテツのブランド論の根幹では、ブランドになっていくには、ブランドオーナーの周りに熱狂的支援者が生まれていることが必須です。
キリスト教なら宣教師がイエス・キリストの教えを説いていき、仏教でも住職やお坊さんが経典教義に基づいて説いていきましたよね。エバンジェリストというか伝道師のような人が、中心人物のすぐ近くに生まれているのです。
ですから、ブランドオーナーがブランドの素晴らしさと正しさを一人で騒いでうたっているうちは、ブランドが広まるのは難しい。
多くの人数は要りませんが、熱狂的支援者が近いところから生まれて、そこから波紋が広がるようにブランドは熱を帯びていくのです。
熱狂的支援者が生まれれば、ブランドオーナー以上の熱量とヒト・モノ・カネ・情報・時間を駆使して、そのブランドを高みに押し上げることができます。
近い人は熱狂しているか。
オレがブランディングやプロデュース、経営アドバイスの依頼をいただいたときは、十分ヒアリングをして状況確認をしながら進めます。
安易にフレーズを置いて「これがキャッチコピーです」とはやらず、その方やブランド自体の魅力をつかみ、掘り下げるのに時間を使うのです。
そのとき見る大事なポイントは、熱狂的支援者がいるのかということ。近い人が熱くなっていないのに、遠いところから火をつけるのは無理ゲーなのです。
SNSで情報発信が楽にできるようになったので、こうやってVoicyで聴いてくださる方に声を届けられますが、最も身近にいる人が燃えてないのに、いきなりSNSを通してそれを見た人たちが急激に燃えるかというと違います。
興味は持ってもらえますが、遠くの人になんとなく無料のSNSをチラ見されたところで、ブランドを押し上げるほどは燃え上がらないものです。
SNSに過剰な期待を持ってはいけません。
フォロワーが1万人だろうが2万人だろうが、有料イベントをやったら10人も来ないことはよくあること。
それよりも、たとえ5人でも3人でも2人でも、本当に「このブランドは私のものだ」という人がいるかどうかです。
ベンチャーのアドバイスもまあまあやっているし、もともと事業家であり起業家なので、ビジネスプランを目にする機会が結構あります。
さまざまな会社をつないで上場に向けたステップのお手伝いもしているので、「こうやろうと思っているので、ご協力お願いします」みたいな話もよく聞くのです。
ベンチャーなんて特に熱狂的支援者が生まれてこないと、にっちもさっちも行かないわけ。お金もないし、人材だって優秀な人が周りにいるわけでもないからね。
今の時点では何もないけれど、この先を見て協力応援したいという人が出てきてこそ、ベンチャーや小さな会社じゃないですか。
老舗とベンチャーが協力するとき
この前、ある会社のミーティングで、こんなことがありました。
50年ぐらいの歴史があり全国的にも知られている老舗の会社と、今の時代に合った、これからのビジネスをするベンチャーが、共同で新しいイベントをつくるためにコテツが橋渡しするというミーティングです。
その2回目の会合は、老舗側から5人、ベンチャー側から4人、自分の側から2人、合計11人で始まりました。
老舗の会社とベンチャーが一緒にイベントを企画して、お互いがやりたいことを言うと水と油になります。どこかでかみ合わせをつくらないと、ちぐはぐ感が出るわけ。
伝統とベンチャーの持つ強みを合わせて、どう新しいイベントしましょうかという話をしているとき、老舗の会社から来た一番の若手で20代後半の方から説明がありました。
伝統的会社の若手社員なのにもかかわらず、そのプランは伝統の強みを全然使わないものでした。その方の情熱はすごかったのですが、ものすごく自分のプランに固執していたのです。
それまでは両方の会社はお互い歩みよっていて、「新しいイベントで新しいムーブメントを起こそうとしていました。しかし、その人が自分のやりたいプランの説明を始めてしまったとたん、その会議は熱を帯びなくなってしまったのです。
オレは、その若手社員をたたきたいのではありません。こういう話は「あるある」だからです。
ビジネスオーナーが考えているプランなんて、実際に進み始めてみたら変更を余儀なくされるもの。
PowerPointの資料がいかに素晴らしくても、やってみたら修正、修正。ビジネスをしていけば、マーケットの状態を見ながらピポットして移動する繰り返しです。
熱狂的支援者が出ない理由
1.自分のプランに固執する
若手起業家にすごく多いケースですが、自分がつくってきた30枚ぐらいのパワポにめちゃくちゃ自信があること。それはすごいなと思います。
「こういうのをプラスしたら」とか「こういう部分だったら協力できるかもよ」というのをどんどん突っぱねていきます。「いえいえ、このプランからいくと、これはこうなんですよ!」みたいな感じの人には、なかなか支援者が出てきません。
「もしかしたら、そうかもしれませんね」とか「やっていく中で、それは必要になるかもしれないな」という構えの人でないと、支援者は現れないのです。
熱狂的支援者が出てこない理由の1つは、自身のプランにめちゃ固執することです。
そのプランに対するプラスアルファが出たときに、ディベートのためのディベートみたいなことを強硬に言う方には、熱狂的支援者は出てきません。
自分のプランなんてマーケットに出してみたら、ポジションや商品サービス的に、競合が自分のほうに寄ってくる可能性があって、そうなったら自分たちが変わらざるを得ないのです。
マーケットには、自分たちのやっていることを判断してファンになるかどうか決めている消費者がいて、競合がいて、自分たちがいます。ですから自分たちの思い通りにはいかないものです。
「協力していただくのであれば妥協しろ」というのではありません。それも取り入れたらどうなるのか考えて、協力をお願いするという感じです。
老舗とベンチャーの話で、もちろんたたき台は出ていたのですが、その若者1人だけ自分のプランの正しさを主張していたので、その方はちょっと……みたいなことがありました。
2.紹介したくない人
もう1個、熱狂的支援者が出てこない理由があります。
ブランドオーナー、ビジネスオーナー、ビジネスを展開しようとした人が考えていても人に紹介できないタイプの人で、これだけで1つのテーマで話したほうがいいくらいです。
固執していてほかの人とうまく組んでやっていけると思えないと、プロダクトもビジネスモデルも素晴らしくても、人に紹介できないのです。
ですから、熱狂的支援者をつくれるかどうかが、自分のビジネスの飛躍のカギだと覚えてください。
プロダクトが素晴らしいだけでも決まらないし、集客のアイデアがあっても一時的なものになります。
熱狂的支援者が組みたくなるようなビジネスの中身と、ブランドオーナーの構えができるかどうかという視点で、もう一回考えてみてはいかがでしょうか。
紹介できない理由は他にもたくさんあるので、また1テーマでお話しします。
本文はコテツのVoicy「ブランディングと商売の話」を
文章化し加筆したものです。
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