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ぷらぷらり日記 2023.11.8 三重県名張市
近鉄こと近畿日本鉄道は、大阪府から愛知県名古屋市にかけて鉄道路線を運行していますが、その路線の総距離は、日本の私鉄では最長の501.1キロメートル。
長距離を走る特急電車や急行電車も多く、当たり前みたいに名古屋いきの特急がやってくる。
名古屋いき。そう、名古屋。名古屋ですよ?……本来なら、新幹線で行くようなところである。
そんなところまで行こうとしている車両が、平気で在来線と同じホームにやってくる鶴橋駅は、冷静に考えるとちょっとおかしい。それだけに、駅のすっ飛ばし方もかなり大胆である。
以前、布施駅に行きたいのに、うっかり間違えて快速急行に乗ってしまったら、次は12分後に到着の五位堂駅(奈良県香芝市)まで止まらないと知った時の絶望感といったらもう。
東大阪市で最大の都市部であり、駅の規模が鶴橋駅より大きい布施駅ですらスルーして、ひと駅で奈良県まで行ってしまう。近鉄さん的には、香芝なんか俺んちの庭くらいの感覚なのだと思う。
いやもう、奈良県どころか、その向こうの三重県ですら、たまに行く近所のココスくらいの感覚なのかもしれん。
そう思った根拠のひとつが、鶴橋駅にある以下の広告である。
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これですね。
駅などにあるこういった吊り広告は、近くにある店舗や施設のものを掲げるのが一般的だと思うのですが、この鶴橋駅は大阪府内の駅にもかかわらず、お隣の奈良県をすっ飛ばして、三重県にある名張市の病院と薬局の看板がドデーンと掲げられている。
もしかして、日常的に鶴橋から名張へと通っている人は結構いるのか?というか、勝手に遠いと思っているが、行ってみれば意外と体感的には近いものなのか?
たとえば、地元から神戸市街までは40キロ以上の距離があり、歩いていけば8時間以上はかかる。しかし、JRの新快速でひとっ飛びすれば1時間も経たずに神戸市内へとワープできてしまうし、余裕で日帰りできるので、体感的にはそんなに遠い場所ではありません。
それと似たように、大阪市民の皆様にとっては、県境を越えた名張市とはいえ、わりと身近に感じるところなのかも。実際に行ってみたらわかるのだろうか……?
ということで、鶴橋駅で特急券を買い、賢島いきに乗車。賢島がどこなのかはよくわからんが、とりあえず、大阪側から見て三重県の玄関口にあたる名張駅まで。
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鶴橋から約1時間。
八尾市を越えると山の景色が多くなったが、一体どのあたりで奈良県内に切り替わったのかはよくわからない。
ボーッとしていたら大和高田市を通過していて、なんか知らんうちに「次は名張です」のアナウンスが。確かに、体感的にはあまり遠い感じがしない。
さて、名張駅を出るとすぐに出迎えてくれたのは、怪奇小説作家として名高い、かの江戸川乱歩先生の像であった。
名張市は江戸川先生の生誕の地なのだそうです。とはいっても、生後まもなくに引っ越されたそうで、先生ご自身は「見知らぬふるさと」と称し、晩年まで足を踏み入れることはなかったそうですが。ふうむ。
申し訳ないのですが、当方は、あまり江戸川さんに思い入れがなく……。正直にいって、作品をまともに読んだことがない。『少年探偵団』のマンガ版なら太古の昔に読んだような気がするな……。でもそのくらいなんだよな。
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名張川。辺りの紅葉が美しい。このあたりは元々は宿場町だったようで、綺麗に区画整理され、歴史を感じる商店もちらほらと見える。
真っ昼間ながら静かで心地好い。しばし、あえてテキトーにブラブラ。
地図を大雑把に見たところ、名張川は市街を包み込むように流れているみたいだし、大抵の道は大通りに出られるようになっているみたいなので、迷う心配はない。まあ、不安になったら引き返せばいいし。
こんなふうに自分は、旅先であまり地図を見ません。駅の位置だけ先に認識しておき、道中の川や大きな公園などをおおよその目印にして、あとはひたすら30分くらいテキトーに歩く。
道に迷いそうになったら、とりあえず視認できるうちのいちばん広い通りまで出る。
本格的に道がわからなくなってきたらスマホで調べますが、それまでは勘だけで歩いていく。不思議と、それで本格的に迷子になったことは2度くらいしかありません(2度はあるのかよ)。
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目的もなくブラブラし、駅前まで戻ってきました。今日の自分が名張に来てやったことは、江戸川乱歩さんを見た、ブラブラした、それだけである。あまり旅行という感じではない。やはり名張って近所なのかな……。
名張の湯という、実にわかりやすい名前のスーパー銭湯がありました。
露天風呂は名張希央台温泉という温泉らしいが、あんまりクセがない。
ここに限ったことではないですが、温泉があるスーパー銭湯であっても、人気が集中するのは炭酸泉のほう。自分はそこまで好きでもないのですが、なぜみんなあんなに炭酸泉が好きなんだろ。
あと、誰も水風呂の水を被らないのはちょっと気になった。みんな湯を掛けた後に水風呂に入る。東海地方は水風呂の前に掛け水ではなく掛け湯というのが主流なのか?
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おまけ。来来亭というのは滋賀県が発祥のラーメンチェーン店で、地元にもあるので珍しくはないのですが、ここにはポイント制度があるらしく、80杯を食べたら1杯が無料になるという。
しかし、これ、地味に大変そうだな。3食すべて来来亭のラーメンを食べたとしても、約1ヶ月かかる。挑戦者はいるのか?
来来亭はラーメンの麺の太さ、背脂の量、スープの濃さなどを細かくカスタマイズできるのが特徴なので、毎日ちがう風味のラーメンに変えてローテーションを組んでいけば、80日連続ラーメンもできなくはなさそうですが……。自分はあまりやりたくない。
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おまけ2。メガネの三城。これもチェーン店で地元にもあるわけですが、ここは建物ががっつり洋風。パリっぽい。
というか、かつては東日本はパリミキ、西日本はメガネの三城と名称が分けられていたが、現在はすべての三城がパリミキに統一されているそうだ。
全く知らなんだ。じゃあかつてのCMの「♪メ~ガネの、み~き」という歌は西日本限定だったのか。
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で、名張市は遠いか近いかの結論ですが、体感的には近いですね。かつては大阪市内に勤める人々のベッドタウンとして人気があったそうなので、住むのも悪くないかも。
今回は特急券を買いましたが、通常運転の急行で行っても、時間的にはさほど変わらない。次はもうちょっと先も行ってみるか。
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