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感情が思考に追いつかなくなる

「頭では分かっているのに」という事は色んな場面で存在します。

恋愛は特にそうで、有名な例で言うと、「好きになってはいけない事は分かっているのに」みたいな。

それでも好きになってしまう経験をした事がある人は多いでしょう。

僕の過去の恋愛でも似たような事がありました。

僕は1人じゃないと寝れないというめんどくさい特徴があり、同じベッドはもちろん、同じ部屋に誰かがいるのすら嫌なんです。

それは愛する人でも同じです。なので、付き合い始める時にその事は伝えるようにしています。

そうすると、彼女は「わかった、大丈夫」と言ってくれます。

しかし、彼女たちの中でも僕と一緒に寝たいと思っていた事は想像に難くありません。

なので、時間が経つにつれてなんとか一緒に寝ようと説得し始めます。

勝手ですが、そうされると僕はしんどくなってしまいます。

ゲームを禁止された子供と同じように、「してはいけない」という事は頭では分かっているのに、「したい」という感情がその思考に勝ってしまうのです。

この事を理解する為には「思考」と「感情」の関係について理解する必要があります。

過去の記事では、アーロン・ベックが提唱した認知的な考え方に沿って話しました。

しかし、ユングは全く違う考え方を持っていました。

彼の「Mysterium Coniunctionis」という本によると、人間ができる過程には3つの「conjunction」が存在するそうです。

「Mysterium Coniunctiois」というのは「the mystery of conjunctions」という意味で、conjunctionとは「結合・接続」という意味です。

つまり、3つの「結合」が存在したという事です。

その1つ目の結合が「思考」と「感情」の結合です。思考と感情が結合し、人間の体に宿されます。

そして、人間の体に宿された思考と感情の結合体と「アクション(活動)」の結合が2つ目の結合です。

この2つの結合によって人は考え、感情を感じ、行動する事が出来る様になりました。

そして、「思考」「感情」「行動」の3つが結合した人間の体は「外の世界」と繋がろうとします。

それが3つ目の結合で、これが最も難しいとされています。

つまり、ユングによると、思考と感情は全く別のところから来て結合したものに過ぎないのです。

なので、思考と感情は互いに影響はし合うものの決して同じものでもなければ、同じように作用するわけでもないのです。

そして、残念ながら、人間というのは「思考」よりも「感情」に従う傾向があります。

欲求や衝動に勝てないのも、好きになってはいけない相手に恋心を抱くのもこれが理由です。

もし、感情が思考に勝ってしまった時は、その感情が最も良いと思います。

しかし、これはあくまで「精神的に」はです。決して社会的な話ではありません。

実際の世界は感情のままに動けないように出来ています。なので、もし「思考」が感情に負けてしまった時は、「思考」を再構成すればいいんです。

感情に抗っても基本的には勝てませんから。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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