【リサーチ】Z世代のVTuber意識調査 どこが好き？タイアップ商品は買う？
CGキャラクターを用いて動画配信をするバーチャルYouTuber「VTuber」が人気です。TVCMやweb広告など活躍の場を広げていますが、実際にVTuberはZ世代にどのように受け入れられているのでしょうか。
＜調査対象＞
15～34歳の男女541人（男性177人、女性364人）
＜調査実施期間＞
2024年08月09日～19日
＜調査方法＞
インターネット調査
VTuberの視聴者数、Z世代がボリュームゾーンに
Q1 VTuberのコンテンツを見ていますか？
「見ている」が45.7%、「見ていない」が54.3%と、見ていない人が多いですが、差は少ない結果となりました。男性20歳～29歳、女性20歳～24歳がファン層のボリュームゾーンになっていることが結果から分かります。
一方、Z世代の中でも若年層（15歳～19歳）は「見ているが、フォローしていない」という結果が上回りました。特定のファンとなるVTuberはいなくても、おすすめやリポストで流れてきた動画を見るくらいVTuberコンテンツは受け入れられているようです。
Q2 好きなVTuberはいますか？
Q3 最も好きなVTuberのアカウント名を教えてください
1位の宝鐘マリンさんはYouTube登録者数341万人、2位のキズナアイさんは299万人と、3位の兎田ぺこらさんは261万人と、人気と知名度ともに高いVTuberがランクインしています。特に、2位のキズナアイさんは2022年2月に無期限活動休止を発表していますが、今も根強い人気があることが分かります。
また、今回ランクインしているVTuberは、キズナアイさんを除き、全員が「ホロライブ」または「にじさんじ」に所属しています。どちらも大手VTuber事務所で多くのタレントが所属しており、ホロライブは女性タレントのみ、にじさんじは男性タレントも多い傾向です。
Z世代が好きなVTuberの特徴は？
Q4 VTuberのコンテンツはどこで視聴しますか
VTuberのコンテンツはYouTube、TikTok、YouTube Shortsと利用者数の多いSNSが中心となりました。しかし、ニコニコ動画やTwitchも利用者が多く、男性になるとその割合が増える傾向であることも見逃せません。
Q5 VTuberの魅力と感じるポイントを教えてください
「トークが面白い」が37.7%と、一番の魅力ポイントとなっているようです。特に男性は、15歳～19歳、30歳～34歳で「トークの面白さ」が50%を超えており、トーク力をVTuberに求める傾向です。また、女性も全世代平均35%弱が「トークの面白さ」を求めていることが分かります。歌、ダンス、雑談、ゲーム配信と幅広いコンテンツを配信するVTuberは、ビジュアルや企画力もさることながら、話術が求められるのは必然なのかもしれません。
Q6 VTuberに関して行ったことのある行動を教えてください
「特定の行動を取ったことがない」と答えた人が最も多い結果になりました。「見る専」も一定層いるため、アプローチの余地がありそうです。
男女に分かれて見ると、男性は「メンバーシップやサブスクライブ、ファンクラブ加入」が多く、女性は「公式グッズ購入（アクスタ、缶バッチなど）」が多い回答に。有料の会員になって応援したい気持ちと、グッズを買ってサポートしたい気持ちと、ファン心理が微妙に異なるため、プロモーションをする際にVTuber好きのどんな層にアプローチしたいかの見極めは必要です。
VTuberのPR・タイアップ商品、ファンはどう感じている？
Q7 VTuberのグッズとしてあると嬉しいものは何ですか？
アクリルスタンド、ぬいぐるみ、キーホルダーが僅差で上位3位となりました。「推し活」がしやすく、ファンであることをアピールできるアイテムは人気のようです。15～19歳女性は「香水」にも人気が集まり、メイクアイテムとVTuberグッズの親和性は意外と高いようです。
Q8 VTuberグッズ購入における判断基準を教えてください。
全体的に回答に同意が集まる結果となりました。Z世代の回答に注目すると、男性15歳～19歳は「価格帯が妥当」と回答した人が最も多いです。推しのグッズであれば分け目なしに買う、ということはなく、価格もシビアに見られているようです。
Q9 VTuberがPRやタイアップをしている商品、サービスを買ったことはありますか？
VTuberコンテンツを見ている約60％の人が、VTuberがPRやタイアップ商品を購入していると答えました。ですが、15歳～19歳男女に注目すると、「購入したことはない」が過半数を超えています。まだ強い「推し」がいない人にとっても購入しやすい工夫で、新たな顧客層を獲得できる可能性はありそうです。
以前実施した「Z世代のインフルエンサー意識調査」では、インフルエンサーのPRやコラボ商品を買ったことがあるかの質問に「いいえ」と答えた人が過半数を占めました。VTuberのコンテンツを見ている人は、これらの商品の購入に抵抗感が低いのかもしれません。
Q10 VTuberがPRやタイアップをしていて購入に至った商品のジャンルはどれですか？
「飲食物」「日用品・生活用品」などに票が集まりましたが、注目は「メイク用品」の購入者も多かった点です。特に、15歳～19歳男性は40％、20歳～24歳は20％と、決して低い数字ではありません。VTuberのファン層に限らず、男性の美容意識の向上が見られます。
また、「ファッションアイテム」は、女性に比べると男性の購入者が圧倒的に多い結果に。推しがおすすめしたアイテムを試してみよう、と思うのは、男性の方が多いのかもしれません。
Q11 Q10の商品を購入した主な理由はなんですか？
「コラボしているパッケージだから」「関連グッズがもらえるから」に票が集まり、限定感のある特典は魅力的に感じる人が多いことが分かりました。しかし、15歳～19歳女性の回答に目を向けると、これらの回答を抑えて、「推しの仕事（PR案件）に貢献したいから」が最も多い結果になっています。
PRやタイアップ商品というと、割引や限定パッケージ、関連グッズのプレゼントなど、「いかに商品自体を魅力的に見せるか」に注力しがちですが、Z世代には「推しの仕事に貢献する」というコミュニケーションが新たに生まれているようです。
Q12 購入した商品・サービスの金額を教えてください。
1,000円～5,000円が最も多い回答です。15歳～24歳男女ともに最も回答が集まったこともあり、Z世代はこの価格帯が買いやすいようです。「VTuberグッズ購入の判断基準」の質問でもあったように、「価格帯」はきっちり見て購入に至っているため、タイアップしているといっても価格に見合わないもの、むやみに価格が高いものは好まれないと言ってもいいでしょう。
Q13 推しがPRやタイアップをしていても商品を購入しなかった経験がある場合にはその時、購入しなかった理由を教えてください
次に、PRやタイアップ商品を購入しなかった理由を聞きました。「価格が高かったから」が34％と最も多く、「推しの仕事に貢献したい」という意見がありながらも、価格にはシビアであることが分かります。アイテムの価格の設定は見定めが必要です。
「デザインが気に入らなかったから」「日常使いしづいデザインだったから」という回答も多く、単純なイラストのコラボレーションではなく、日常使いしやすくデザイン性に富んだものが求められていそうです。
VTuberコンテンツ好きも、美容・コスメに関心が高い
Q14 VTuber以外でフォローしているクリエイターのジャンルを教えてください
「ゲーム実況」が29.6％と最も多い結果ですが、「美容・コスメ」が2番目に多い結果になりました。VTuberの動画に近いエンタメ、雑談・Vlogといったコンテンツだけではなく、美容・コスメにもアンテナを張っているファンも多そうです。美容×VTuberのコラボは親和性が高く、訴求効果が高いかもしれません。
リサーチ結果のポイント
VTuberのリサーチ結果について、以下にポイントをまとめました。
① VTuberに求めることは「トークの面白さ」
②「推しの仕事に貢献する」というコミュニケーションがZ世代に見られる
③ VTuberファンにも美容・コスメに関心が高い人も多い
今回のリサーチで、Z世代にとってのVTuberは、特定の推しがいなくても見るコンテンツのひとつであり、YouTuberやインフルエンサーと同じような位置づけであることが分かりました。VTuber好きであり美容・コスメに関心のある層も一定数いるため、プロモーションでVTuberを起用する企業はこれから増えてくるかもしれません。
電通プロモーションプラスでは、Z世代をターゲットとしたプロモーションの企画・実施やZ世代との共創のサポートをおこなっております。お気軽にお問い合わせください。
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