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高尾歳時記 2024年5月11日

先週5月5日の子供の日は、二十四節気の立夏。暦の上では、夏が始まりました。

本日5月11日、日本列島は高気圧に覆われ全国的に晴れの天気。八王子の市街地は最高気温26℃と夏日になったようですが、湿度が低く、日陰に入れば快適な気候。午前10時の高尾山山頂の気温は20℃で、カラッとした晴天。絶好の山行日和でした。

高尾山はゴールデンウィークに混雑するイメージがあると思いますが、実は本当に混雑する時期に比べるとそうでもないのです。やはり連休中は多くの方が東京を離れて遠くに出かけるようで、都心の混雑がなくなるのと同様、高尾山も人出が減ります。

一方、人が戻ってくる連休明けは、天気がいいとものすごく混雑します。今日はまさにそんな日で、高尾山は大変な混雑でした。奥高尾の方は比較的すいていたのですが、これは早朝中央線が人身事故で運転見合わせになった影響が大きかったのかも。午前11時に下山しましたが、高尾山6号路の登りははひとが数珠つなぎでした。

高尾はスミレの季節が終了し、初夏の装いになってきています。森は新緑眩しく、空にはツバメが縦横無尽に飛び回り、昆虫の活動も活発になってきています。

今日もお花の多いところをまわってきました。

すこし早めのお目覚め。ユキノシタが咲いていました。
可憐な見た目に反してとってもたくましい植物で、京王線の高架下にも雑草に紛れて咲いていたりします。
高尾に初夏の到来を告げる花のひとつ、ラショウモンカズラ。もうほとんど終わっていて、のこりわずかでした。
こちらも高尾に初夏の到来を告げる花のひとつ、オドリコソウ。こちらはほとんど純白の個体ですが、淡いピンク色の個体もおおく観察できます。
ハナウドが咲き始めています。
非常に大きくなる植物で、背丈は2mを超えるものもあり、また、花の集合体は大きいもので直径30cm〜40cmにもなります。この時期ふもとのあちこちでみられます。
ミヤマハコベ。沢沿いの日陰でこの時期見かけます。
里山でごく普通にみかけるコハコベ(ハコベラ)より大きな花をつけます。大きいものは直径1cmを超えるものも。二対に見える深く切れ込みの入った花弁が五つ連なるその姿は可憐です。
ミツバウツギもこの時期の花。ふもとから山中まで、あちこちでみかけます。
こちらはマルバウツギ。こちらもこの時期、ふもとから山中の広範囲でみかけます。
こちらはコゴメウツギ。こちらもこの時期の花で、主に山中でみかけます。
あっ!これはオオツクバネウツギですね。ツクバネウツギは比較的多いのですが、このオオツクバネウツギは数が少ない。両者を見分けるポイントは花の萼片。両者ともに五つありますが、オオツクバネウツギはそのうちのひとつが極端に小さい。
こちらはガクウツギ。アジサイのような花が特徴です。
チゴユリはほとんど終わっていました。
ホウチャクソウもほぼおわり。このホウチャクソウはチゴユリと種として近似していて、両者は交雑が可能。交雑したものはホウチャクチゴユリと呼ばれ、高尾で発見された植物のひとつです。両方ともにたくさん生育している高尾ならではの現象ということでしょうか。
こちらはシロヤマブキ。ヤマブキそっくりですが、別の種です。ヤマブキとちがって花が白いだけではなく、花弁が4枚であること(ヤマブキは5枚)で容易に識別できます。
フタリシズカ。ピークを超えて、散り始めています。
花序が二本出るのがフタリシズカの名前の由来なのですが、中にはこのように何本も出てくる個体もあります。
あっ!こちらはめずらしい。クワガタソウです。オオイヌノフグリとよく似た花を咲かせますが、里山の日のあたりのいいところで淡い青色の花をびっしりたくさん咲かせているオオイヌノフグリとちがって、クワガタソウは日の当たらない沢沿いなどの湿った環境でひっそりと咲きます。
オオイヌノフグリは外来種ですが、このクワガタソウは日本の在来種です。数は非常に少なく、見つけるのは難しい。
キイチゴが真っ盛り。こちらはニガイチゴ。その名に反して実は甘いのだとか。食べたことありませんけど。
あっ!ハンショウヅルが咲いていました。可愛くて大好きな花です。
こちらはヘビイチゴ。里山から山中まで、あちこちで見かけます。
こちらは結実したヘビイチゴ。大きくなると実が出てきます。
フタバアオイ。かの徳川の葵の御紋はこのフタバアオイの葉をならべたもの。フタバアオイはその名のとおり一株につき二対の葉をだすのですが、自然界ではあり得ない、吉兆を表す三つ葉の葵の葉がモチーフなのだとか。
スイカズラ。日がよく当たる明るいところでよく見かけます。近づくと誘われるような甘い香りが漂ってきます。
あっ!こちらも珍しい、オオギカズラ。日の当たらない、沢沿いなどの湿った樹林内でこの時期咲きます。
新緑眩しい森から晴天がのぞきました。
クマガイソウは自然公園法に基づく環境大臣指定植物(*1)で、採取ないし損壊することは犯罪です。自然公園法の罰則は六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金。
エビネも自然公園法に基づく環境大臣指定植物(*1)で、採取ないし損壊することは犯罪です。
キンラン。高尾はラン祭りですね。エビネやキンランは比較的個体数は多い。
こちらも自然公園法に基づく環境大臣指定植物(*1)で、採取ないし損壊することは犯罪です。
スミレの季節は終わっていますが、ツボスミレ(ニョイスミレ)がほんの少しだけ残っていました。
(小仏)城山山頂に到着。今日は空気が比較的澄んでいて、富士山きれいに見えました。
同じく城山山頂から都心方面。こちらは霞が濃く、遠景は限定的でした。
一丁平の森はすっかり青葉が茂っています。
一丁平の展望台からも富士山きれいに見えました。
高尾山山頂に到着。引き続き富士山きれいに見えました。
同じく高尾山山頂から、丹沢主脈方面。ちょっと霞んでいますが、稜線はきれいに見えました。



(*1)
参考資料




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