マガジンのカバー画像

詩と言えば詩なのだ

14
運営しているクリエイター

記事一覧

虚無的希望観測

歯ぎしりをする。
ぼくは、悔しいと思う。

ぼくは、この世界になにか遺したい。
このまま死にゆくわけにはいかない。

それがなんなのかはわからない。
音楽か、絵か、文字か、なんなのか。

歯ぎしりをする。
ぼくは、なにか創りたい。

なにか、人の心に咲き続ける花のような。

そんな、なにかを

チョコ・クランチ

君と話したいな。
それで、あの溜まり場でまたゲームでもしてみるんだ。一緒に笑ってみるんだ。

君は覚えているかな。
なんて甘美な記憶だろうか。

なんて、もう終わっていたんだ。

4年前のあの日から。

縋っていたのは僕だけ。
僕だけだった。
僕だけだったんだ。

君は、僕のことなんて、これっぽっちも気にも止めない。
僕の想いは寒空の雪のようで、積もるばかりなのに。

道端の雑草にでもなった気分だ

もっとみる

ラングトンの蟻

何時からだっただろうか。昔から、僕はいらない子なのだろうと思っていた。

僕は六人家族の末っ子に産まれた。歳の離れた姉が三人。姉たちはそれぞれ歳が一つ離れていた。

もしも、僕がこの家族に産まれてこなかったら。そうしたら、僕の家族は幸せに生きれたのだろうか。僕にはどうも、それが真実のように思えて仕方がない。

クローゼットの中に古いアルバムが在った。五人家族の写真だった。僕に有るはずのない記憶が在

もっとみる

9/2

朝。気だるい体を起こしてリビングへと向かう。

リビングが酷く暗く感じた。

台風一過というし晴れているのだろうと思ったのだが。

カーテンを開けてみて、やはり快晴であった。

視覚的な情緒表現か、そんなものは要らない。

いのちのでんわ

ときおり、むしょうにしにたくなる。

完全自殺マニュアルとけんさくしたら、いつもいのちのでんわだとかいってぼくをむりやりにこのよにひきとめてくる。

まるでしがわるいことみたいだ。

ちょうしがわるいときにかぎって、これからのことをかんがえるのは、きっとぼくだけではないとおもう。

むなしくなるだけだ。すすむしかないのに。

きみにでんわがつながらないのに。

すすめないのに。

どこに?

くる

もっとみる

だいじなだいじなてんしさま

貴方は何処からともなく舞い降りてきた。

貴方の瞳はくもっていた。

貴方はぼくの希望の象徴をいとも容易く、真黒に塗りつぶしていった。

貴方のそれを、ぼくに否定することはできなかった。

二重で、奥目で、三白眼な瞳

さみしい。

からっぽで、そんな感情だけが、ぼくを支配している。本当は、もっと色々なことをして、それで、そんな感情さえ忘れられるくらいにも熱中して。

そういう生き方を、ぼくはしてみたかった。

地頭の良さだとか、顔の良さだとか、そんなものは、別に要らないとまでは言えないのが、ぼくの強欲なところだとは思うのだけれど。だけど、もっと、もう少しだけ、他のものが欲しかった。

ぼくを見てほしかった。愛さ

もっとみる

モルタルで固められた心

一体全体、ぼくの心はまるでモルタルにでも固められたようだ。

最初はまだ抜け出しようがあったのに、いつの間にやら固まってしまって、もう心を許すことなど、気の置けない人などできないのではないかと倒錯している。

そんな心のモルタルを、ぼくは風化してぼろぼろになってゆくのを待つことしかできないのだ。

言葉の輪郭を擦る

洗い物をする。もう12月。手が冷える。

そういえば、ここのガス料金は固定なんだった。なら、出し惜しみをする必要もあるまい。

一人暮らしをしてから初めての冬。中々こたえるものがある。

給湯器のスイッチを入れる。手が冷たい。

早くあたたかくならないかな。

からっぽなのにズキズキ痛い

からっぽなのにズキズキ痛い

ふと、自分の中に虚無がある。

心の幻視痛がぼくを蝕み浸食する。

ぼくに誰だって信じることなど出来ないのだと知る。

ぼくに誰だって助けられ得ないのだと三度自覚する。

ぼくを誰だって助けられ得ないのだと三度自覚する。

痛い。痛い。いたい。いたいよ

それも人生

耳栓やらイヤホンやら、耳に何かを詰めすぎて耳が痛い。

この俗世に雑音が多すぎる所為だ。

雨音がする。窓を開けてみようと思った。

水が流れている。エンジン音、ロードノイズ。車が走っている。

立体駐車場の警告音が劈く。車のキーを閉めている。

肌には11月の冷気の混じった空気がひやりとあたる。

きっと、それも

へき

嗚呼、僕は、僕はね、普通の振りをしている癖に頭の中は狂っていて混沌としている人が大好きなんだ

嗜虐癖の一つなのか、同族好感とでも云うか

まあ、兎にも角にも、ぞくぞくしてたまらないんだ

僕に君をもっと見せてよ

君を僕に知らしめてよ

そうだな、例えば丁度、全部忘れちゃうくらいに

嗚呼、君のことが好きだったよ

僕は男性なので、やはり女性というのは本能的に好きです。

でも、同時に怖くも有るのです。

彼女は僕の大事な場面で何時も現れて、僕の情緒をぐちゃぐちゃに掻き回して、その上その幻影を残してゆくのです。

そのくせ、僕が彼女に助けを求めた時だって相手にはしてくれなかったし、その度々に僕の心は壊され、弱ってゆくのです。

彼女は、決まって僕が彼女から解放されようとしたときに現れます。

まるで僕のことを

もっとみる

本当の自分を探し彷徨う

自分。自分とは何だろう。

意識とは。心とは。

それはまあ、脳。身体。それらで構成された有機生命体。そこまでは解る。

ただ、ヒトとは。人に自由意志は有るのだろうか。否だろう。遺伝的要因、環境的要因。それらが私達の全て、幸、不幸も定められ決まっている。

「運命」とでも言い換えてみようか。

私達はあたかも自分が有るように振る舞う。歪んだ認知にも気づかず、バイアスに振り回され、苦しみ、快楽を目指

もっとみる