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ゆらゆらぞんび
2020年11月22日 20:54
『天才柳沢教授の生活』のすゝめ(長期連載なのでベスト盤からおすすめ、と思ったら絶版という悲劇。)主人公・柳沢良則氏はY大経済学部教授。朝6時に起床、夜9時に就寝と規則正しい生活を送る几帳面な人物であり、法と理屈と秋刀魚をこよなく愛する人物だ。しかし決して四角四面のツマラナイ人物ではない。一見頑固に見えるかもしれないが、ただ理を重んじるだけなのだ。そして理を重んじるからこそ、誰が相手
2020年10月14日 22:21
我ら元・阿呆学生のバイブルが課題図書とあらば、もう万難を排して記事を書かねばならぬ。恋人が泣き縋ろうが、上司が怒鳴り込もうが、この任務の前には些末なことだ。だが、いささか見るに堪えない。責任者はどこか。ここだ。森見登美彦『四畳半神話大系』(KADOKAWA)我こそは吉田神社の麓で無為な時を過ごし、鴨川デルタで友と日本酒の一升瓶をあけ、下鴨神社の古本市を闊歩し日々を過ごした阿呆である。こ
2020年11月14日 21:59
この本を多くの人に読んでもらうためなら、タイトル詐欺との批判も罵倒もすべて甘んじて受け入れよう。岸本佐知子『ねにもつタイプ』。何度も読み返してしまう、座右の一冊。なんてことはない随筆に見えるかもしれない。なにげない日常の切り取り方。それを綴る軽妙洒脱な筆致。その圧倒的センスに平伏するほかない。今回は、その中でも特におすすめしたい話を2つばかり、さらりとご紹介。1本の話で、たっ
2020年10月20日 22:30
自分自身の学生生活を振り返ると、周囲には奇人・変人・赤チェッカーしかいなかった。なお「赤チェッカー」とは、「赤チェックのシャツを着ている人」のことである。そういうわけで、本日ご紹介するマンガは『決してマネしないでください。』。残念ながら3巻で完結済み、でもだからこそすぐに読めてしまう。「なんかお手軽に、教養を身につけるマンガとかないかなー」なんて方にはうってつけのマンガだ。物語の冒頭で、主人
2020年10月28日 23:13
さぁて、お立ち会い。手前、ここに取り出したるは、「『罪と罰』を読まない」。誰もが知っているといっても過言ではないドストエフスキー『罪と罰』を読んだことのない4人が集まり、自由奔放に語る試みがなんと書籍になってしまった。文藝春秋さん、腹が据わっていて敬服の至りである。本書の魅力を、もう読んでしまった凡人たる私めがつらつらと綴ろう。読んでないのに主人公Disさて通称「未読座談会」開始早々、