うつ病で味わう「孤独感」を忘れるためにしていること
今日は朝から「ツレがうつになりまして」という映画を見ていました。
この作品は堺雅人さん、そして宮崎あおいさんが主演で、ツレを堺さんが、その妻(ハルさん)を宮崎さんが演じています。
物語の感想を語る前に・・・
わたしも2018年の2月にうつ病(しかも再発)の診断を受けました。
中学生の時から進路、家庭環境、いじめ、人間関係のことで一人で悩み続け、気が付けば自殺願望で自傷行為を繰り返していました。その時はまだうつ病という症状の異変に気づいていませんでした。
うつ病の症状に気づき始めたのは約5年ほど前の2015年。きっかけはアルバイト先の人間関係でした。世間的にいういわばブラックな職場で、仕事の姿勢や休暇に対してのことでパワハラを受けていました。大学生活も忙しく、大学に行けば制作でアトリエに缶詰め状態。おまけに家庭環境もあまり良くなく、この現状を相談することもできないまま心身共に疲れていきました。そのとき、心の休まる時間がほとんどありませんでした。
勤め始めて1年半ほどで疲れやむくみ、不眠、頭痛、腹痛などの症状が出始め、違和感を覚えながらアルバイトや制作に励んでいました。やがて起き上がる気力さえなく大学にいけなくなり寝たきりの生活。
休めないので無理やりアルバイトには行っていましたが、そんな状態を当時は家族にも理解されず気持ち的にも相当つらかったです。それでもなんとか薬や音楽の力を借りつつ、普段通りの生活が出来るまでに戻ってきました。
そんな生活が5年ほど続き、正式にうつ病と診断されたのはつい最近のことです。症状に気づくまですでに長い時間かかっていたため、今でも心療内科に通い薬を飲んでいます。
映画では、夫婦で支え合ってうつ病を乗り越えていました。
でも、私はいつも一人ぼっち。1人でつらいことを溜め込んでいたのです。
家族と一緒に暮らしてはいたものの、診断をうけた直後、親には言えませんでした。なぜなら自分がうつであることを認められなかったし、相手にも怠けているだけだと思われるのが嫌だったからです。
でもそれは間違っていたかもしれないと今では思います。いかに理解してもらい、味方になってもらうかという視点で周囲と向き合うことが大切だったと思います。今では恋人が私の支えになってくれています。彼も同じ、うつ病を経験しているからか、うつ病に理解がありとても優しくしてくれます。
仕事では本業のお菓子の製造ラインで働く傍らイラストレーターという絵の仕事をしていて、キャパシティーが多いものや納期のことなどで無理ができないので色々なことを円滑に進めるため自分の取扱説明書をつくりました。そこには自分のできることとできないことがまとめてあります。ただ単に「うつ病という病気を持っています」と言ってもどんな症状があるのかパッと相手に伝わることがむつかしい。人それぞれ症状や困りごとも違うので、これをつくって、うつ病という病気を自分自身が認めてあげることだけでなく周囲にも理解してもらう努力をすることで気持ちが楽になることを知り、うつ病との向き合い方も変わったのです。
で、映画の話に戻りますが。
身体の症状(痛みや不眠、風邪症状も強くてつらいこと)もきちんと描かれているのはいいところだと思います。
うつ病に苛まれる当事者にとって持つ感情は孤独感。その感情の糸口が見えない苦しみと向き合うようなシーンがあれば良かったかなと思い、そこで、自分が孤独感について書くことで誰かの役に立てればと思ったのです。
■うつ病で味わう「孤独感」を忘れるためにしていること
それは、たったひとつ。
自分を否定するものからは遠ざかり、肯定してくれるものに近づくこと。
ここでいう肯定は喜びや嬉しさを味わう行為です。喜びや嬉しさを味わうのは書類の枚数を調べたり、歩いたりどんな小さなことでも良いと思います。その時私は価値や意味合いを考慮せずあるがまま「行動」に集中します。
最近私はぶにぶにという名前の多肉植物、マキノイバリエガータを育てることと軽いストレッチをすることに喜びや嬉しさを感じています。
緑を見ると癒されるし、お世話をして植物が元気になると嬉しい。特に葉っぱがシャキッとしている姿を見ると元気がもらえます。それでいいのです。
軽いストレッチはするとすっきりするし「作業興奮」というホルモンが出て身体も喜ぶのでおすすめです。
あるがままでいいのだ、と気分や感情にとらわれず今自分ができることを実行してゆくことが大切なんだとおもいます。
人も仕事も、「自分を肯定するもの」に近づくと気持ちが和らぐと思います。自分の好きなことで「私にもできるかも」「私は結構いいかも」「私は大丈夫かも」の事柄をどんどん実行してゆく。その時注意することは、頭で考えない系のものにすることと頑張らないこと。そこで頑張ってしまうとまたつぶれてしまうので一日一個何か決めて行動することをおすすめします。行動が起こせない日は思い切って休む。自分自身申し訳なさや罪悪感が出るかとおもいますが、休むことは身体自体、喜ぶのでいいことだと思います。心と体を休ませることができる環境は元気な時に準備をしておくと焦らなくていいかもしれません。これは体験談なので、ご参考までに読んでいただければと思います。
この記事が、同じうつ病を患っている誰かの助けになりますように。
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