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#短歌|記念日を詠む(1月)

1/1 元旦
どんな日も積もれば年を重ねをり0を1へと変える年明け

1/2 箱根駅伝
生きてゆく今が往路で死んでから復路に入るから大丈夫

1/3 瞳の日
今はまだ昏い日陰にいる人のブラックダイヤモンドの瞳

1/4 石の日
下流へと削られながら運ばれてそれでも残る譲れない意志

1/5 いちご世代の日
QED 君の努力と選択が正しかったと証明する日

1/6 色の日
白黒の夢が流れて懐かしい人のとこだけ色が付いてた

1/7 爪切りの日
初デート 私も子供ではなくて横目で見やるきみの深爪

1/8 イヤホンの日
イヤホンを酸素ボンベとして生きる彼に見せたい音楽がある

1/9 とんちの日
このはしをわたるべからず何事も抜け穴はありもっと生きたい

1/10 110番の日
正月も走るパトカー少しでも休めば脆く崩れる平和

1/11 鏡開き
鏡餅割れば小さき餅出でて開かれたるは吾子の笑顔か

1/12 スキーの日
手袋を隔てた君の優しさにずっと続けと願う八の字

1/13 ピース記念日
あ、これが最後の一本だったわとなんともなさげにあなたは言うね

1/14 タロとジロの日
過酷でも仲間がいれば乗り越えることができるね花束みたく

1/15 ウィキペディアの日
文献としては弱いが生きる意味ならウィキペディアにも書いてある

1/16 禁酒の日
肝臓を気遣うだけの優しさがあるなら君はまだ死ねないよ

1/17 おむすびの日
母さんの梅おむすびはハズレだと愚痴る子供にアイスを奢る

1/18 118番の日
あとはもう溺れるだけの恋に118番をするような夜

1/19 空気清浄機の日
うつくしく汚れ仕事をする人に見立てて空気清浄機を買う

1/20 海外団体旅行の日
サークルの旅行できみが口ずさむ曲のタイトルだけ持ち帰る

1/21 ライバルが手を結ぶ日
ずっと目障りなお前のことだから俺が一番よく知っている

1/22 カレーライスの日
母親のカレーの味にならなくてもっといろいろ話したかった

1/23 電子メールの日
この恋の重さを知ってほしいから2MBの自撮りを送る

1/24 法律扶助の日
きみはきみを卑下するけれど法律を守れるだけの強さがあるよ

1/25 日本最低気温の日
最低を更新してもさむいね、と変わらぬ語彙ではじめる会話

1/26 文化財防火デー
燃え上がる恋も続けば灰になるから適温の愛におちつく

1/27 国旗制定記念日
雪原に落ちた鮮血 日の丸は痛みを昇華させた証だ

1/28 衣類乾燥機の日
洗濯は母の手によりたたまれる地球最後の日に相応しく

1/29 人口調査記念日
叶わない約束として過疎化する故郷でまた会おうと言った

1/30 3分間電話の日
話すことにも制限がかけられていつか死ぬまで仲良くしよう

1/31 愛妻家の日
若かりし頃とは違う形でも確かに君を愛しているよ

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ぽこまる(外村ぽこ)
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