春の色
黄色がね、とってもきれいで。
今の山形は、場所によるけれど桜はまだ満開とまではいかず、朝晩はストーブをつけたくなるくらい冷えるっていう、そんな感じ。
でも、もうすっかり春。
この春は、よく黄色が目に入る。
だいたいが花なのだけれど、
水仙・菜の花・たんぽぽ、それから名前のわからない背の高い花。
とても、とーってもきれい。
土を照らした太陽のあたたかい光が、そのまま花となって咲いてるような気がして、ながめてるだけで頬がゆるむ。
可憐だ。
かわいい。
ふふ。
みどり色も、とてもきれい。
最上川の川沿いを通ることがあるのだけれど、その最上川も、春の色。
川べりに生えた木々の色が水面に映って、みどり色の最上川。
そのみどり色も、毎日少しずつちがう。
深いみどり色の日もあれば、青に近いみどり色のときもあって、光をふくんで明るい時もある。
川沿いを通る時、そんなみどり色の最上川についつい見とれてしまう。
そういえば、村下孝蔵がこう歌ってたっけね。
そして最上川といえば、松尾芭蕉のこの俳句。
今の雨を「五月雨」と呼ぶにはまだ少し早いけれど、春のみどり色の最上川を眺めていて、なんだかちょっと雨が待ち遠しくなったりもしている。
梅雨までのこの季節、いとおしいなあ。
冬の間は山々も澄んだ空も、あお色が濃くて、それはそれでうつくしかった。
この空、きれいだったなあ。
でも、山形の冬はなかなかにこたえた。
やっぱり春がきてくれて、うれしい。
こんなに色があって、あったかくて、にぎやかで、人々もどこか朗らかで。
やっと冬を越せたんだなと、胸をなでおろす。
わたしの春の色は、黄色。
幸福の色だ。
そして桜が満開になればピンクが、他の花々が目覚めればもっともっとたくさんの色が、春の色が、待っている。
そんなことを考えると、明るい未来しか持っていない気すらしてくる。
まあ相変わらず、日々いろいろある。
昨日なんて、悩み事が爆発して夜もうまく眠れないくらいキツかった。
でも、ちゃんと新しい今日を迎えている。
あんなに長く感じた冬もいつの間にか、このやわらかい春に移ろっている。
そんな最近のお気に入りは、こちら。
道ばたにかわいらしく揺れる黄色を見ていると、未来は今よりももっと素敵になりそうな予感がしてくる。
毎日毎日人付き合いで「またまちがえた」って頭を抱えたり、人に会った帰り道はいつも大反省をしちゃうのだけれど、それでも、失敗してもちゃんと前に進んでいるんだってことを忘れないでいたい。
そんなふうに春の色彩が前を向かせてくれる、今日だった。
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