#63 「ピーマン」のガチ解説
今回は、好き嫌いランキングで嫌いな食材の上位に必ず選出される「ピーマン」について解説していきます。
この記事を読んで、少しでも「ピーマン」への印象がよくなることを祈りながら描いていきます😅笑
○「ピーマン」について
まずは、いつも通り「ピーマン」の基本的な情報から解説していきましょう。
「ピーマン」は、ナス科トウガラシ属の植物で、スーパーなどに売っている『パプリカ』や『獅子唐辛子』などと同じ唐辛子の仲間です。
「ピーマン」という名称は、フランス語の『piment(ピマン)』、またはスペイン語の『pimiento(ピメント)』という共に唐辛子を指す言葉が由来とされています。
「ピーマン」の原産地は熱帯アメリカで、コロンブスがアメリカ大陸に上陸し、その後、スペインに持ち帰ったことで世界中に広がったと言われています。
ただし、ここで面白い話があり、コロンブス自身は、西インド諸島で栽培されていた”辛い唐辛子”をコショウ(pepper)と思い込んでいたため、「ピーマン」を間違えて紹介してしまったという話がある。
そのため、「ピーマン」は英語にすると”bell pepper"や”sweet pepper"と言われます。
16世紀ごろになると、ようやく日本に「ピーマン」が導入されます。
導入された説は、諸説あるため、明確なものはわかっていないのが現状です。
このときに持ち込まれたのは、今現在一般的に売られている「ピーマン」ではなく、辛味種の唐辛子だったそうです。
その後、明治初期に辛味のない「ピーマン」が生産されるようになり、昭和30年ごろに日本にも辛味のない「ピーマン」が出回るようになりました。
現在売られている”緑色”の「ピーマン」は、未熟な状態で収穫されたもので、そのまま収穫せず放置しておくと、完熟して赤色の「ピーマン」になります。
熟した方が甘味が強くなりますが、赤くなるまでに日数がかかるため、効率よく収穫できる”緑色”の「ピーマン」が多く流通しています。
ちなみに「ピーマン」によく似ている『パプリカ』は、大型で肉厚な「ピーマン」の一種です。カラフルな色味が特徴で、甘味があり逆に苦味が少ないので、生のままサラダなどに入れて食べることもできます。
「ピーマン」が嫌われる大きな要因として『青臭さと苦味』が挙げられますね。
これは、未熟なまま収穫したことによって、生まれてしまうものです。
なので、「ピーマン」の青臭さ、苦味が嫌な場合は、完熟したものを食べる、もしくは、似たものとして『パプリカ』などを食べても良いかもしれませんね。
日本の「ピーマン」の生産量を見てみると、年間で137,310t(平成25年度産野菜生産出荷統計より)もの量が栽培されています。
最も多くの生産量を出しているのは、茨城県で34,997t。次いで、宮崎県で27,906t。3位は鹿児島県で12,155tとなっている。
この3県で全体の約半数を生産している。
「ピーマン」の旬は、6〜9月で夏の時期に旬を迎え、その時が価格も安くなる。
ただし、世界中で生産されていて、ニュージーランドやオランダなどからも輸入されているので、年中通して手に入れることができます。
また、「ピーマン」の種類は、現在かなり多くあり、
通常の「ピーマン」以外に、赤ピーマン、京みどり、ジャンボピーマン、カラーピーマン、こどもピーマン、パプリカ、グリーンパプリカ、ホワイトパプリカ、パープル・ビューティー、フルーツパプリカ、ミニパプリカ、まだらなパプリカ、スイートペッパーミニベル・レッド、スイートペッパーミニベル・チョコレート、すいートペッパーミニベル・イエロー、ビーバーダム、バナナピーマンなど、非常に多くの品種が存在します。
○「ピーマン」の栄養価と効能について
では、ここから重要なポイントに入っていきます。
・ビタミンC
まずは、「ピーマン」といえば『ビタミンC』が含まれています。
また、「ピーマン」にも『ビタミンC』は多く含まれていますが、実はパプリカの方が含有量が多く、オレンジ色のパプリカであれば1/6個、赤色のものでも1/3個分食べるだけで1日に必要な『ビタミンC』摂取量をクリアできるほどの量が含まれています。
ただし、『ビタミンC』は水溶性のビタミンで、一度にたくさん食べても体内に貯蔵することはできないため、コンスタントに摂取していく必要があります。
なので、毎食に少しの量でも摂取をしていく方が効率は良いと思います。
『ビタミンC』による効果として、免疫系の活性化による風邪予防、疲労回復、抗酸化作用によるアンチエイジング効果などが挙げられます。
先ほども言いましたが、『ビタミンC』は水溶性のビタミンで、かつ、熱にも強くありません。なので、できるのであれば生の状態で食べることをオススメします。
・カロテン
これも『ビタミンC』同様、「ピーマン」にも多く含まれていますが、オレンジ色の「ピーマン」の場合、30倍以上の量が含まれています。
『カロテン』は、ビタミンAに体内で変換される成分になります。
『ビタミンA』は抗酸化作用の他、粘膜や皮膚の健康維持にも効果があります。
他には、抗発がん作用や免疫賦活作用、視力の維持、喉や肺などの呼吸器系統の保護作用なども挙げられる栄養素になります。
・クエルシトリン
これは、「ピーマン」に含まれる『ポリフェノール』の一種になります。
また、「ピーマン」が嫌われる苦味と、この『クエルシトリン』が関係していることが2012年に判明しました。
この『クエルシトリン』に「ピーマン」特有の匂いが加わることで、あの苦味が生み出されるそうです。
ただ、『クエルシトリン』は『ポリフェノール』の一種なので、抗酸化作用をもち、高血圧抑制や抗うつ作用、アンチエイジング作用など、体にとって良い効果をもたらしてくれる成分になります。
・カプサンチン
「ピーマン」の中でも赤色やオレンジ色のものに多く含まれる成分で、これは”カロテノイド”の一種になります。
”カロテノイド”は、赤色やオレンジ色の色素も持つものでのことで、ロブスターや
『ルテイン』や『アスタキサンチン』なども『カプサンチン』の仲間で”カロテノイド”の一種です。
『カプサンチン』には、強力な抗酸化作用を持っている(βカロテンの1.5倍、トマトに含まれる『リコピン』と同等の作用力を持つ)ため、体の老化現象の予防、動脈硬化の予防、善玉コレステロールを上昇させる効果をもたらしてくれます。
・その他ビタミン
上記で説明した『ビタミンC』以外にも、「ピーマン」には
ビタミンE
ビタミンK
ビタミンB1
ビタミンB2
ナイアシン
ビタミンB6
葉酸
パントテン酸
なども含まれています。
様々な代謝に関係するものや抗酸化作用など、体の調子を整える作用があるため、体に必須の栄養素を含んだ食材と言えるでしょう。
・ミネラル
続いて、『ミネラル』。
「ピーマン」に含まれる『ミネラル』ですが、
ナトリウム
カリウム
カルシウム
マグネシウム
リン
鉄
が主なものになります。
突出して多いものがあるわけではありませんが、それでも体の機能を調整してくれる作用を持つ『ミネラル』を含んでいることに違いはありません。
「ピーマン」は、緑黄色野菜に当たるので、『ビタミン』や『ミネラル』などの栄養素も多く含んだ食材です。
○「ピーマン」の効能
最後に「ピーマン」を食べることによってどのような効果があるのかを確認しましょう。
まずは、『ビタミンC』の抗酸化作用によって、体の老化を予防してくれたり、免疫機能の維持、他の栄養素(特に鉄分)の吸収の補助などが挙げられます。
『ビタミンC』は水溶性ビタミンなので、一回に多く取るよりも細かく一定量を取り続けることが大切です。
続いて、『カプサンチン』による強力な抗酸化作用による影響です。
上記にも挙げましたが、『カプサンチン』には、強力な抗酸化作用があります。
この抗酸化作用によって、体の老化現象を防止してくれるので、しみ、そばかす、しわなど、女性が年齢を重ねていくと悩む症状の緩和、防止につながります。
また、血管が硬く脆くなる動脈硬化を予防してくれるので、血管系の疾患予防にもつながります。
あとは、『ビタミン』系が多く含まれているので、糖質・脂質・たんぱく質などの代謝に作用してくれたり、免疫機能の向上をしてくれたりします。
『ミネラル』のカリウムには、むくみ改善効果があるので、見た目がすっきりするなどの効果も期待できます。
○まとめ!
「ピーマン」は、世間的に嫌われる野菜ではありますが、緑黄色野菜に当たる野菜であるため、栄養素はかなり豊富です。
記事の内容にも書きましたが、未熟な「ピーマン」が苦手という方は、完熟した赤色やオレンジ色の「ピーマン」を選んで食べてみると意外と食べられるかもしれませんね。
現代人は、高カロリー食でありながら、栄養失調の人が多いという異常な食生活を送っている場合が多いと言われています。
栄養素を多く含む優秀な食材を選択して、栄養失調にならないように気をつけながら健康的に過ごしていけるように意識していきましょう!
その役に立つように、これからも食材・栄養素の解説を続けていきたいと思います。
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