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#45 「お酢」のガチ解説

さあさあ、やってきました。

食材ガチ解説。

今回は、「お酢」をガチ解説します。

「お酢」といえば、健康に良いイメージやダイエットにも効果があるのでは?というような話もあります。

これは本当なのでしょうか?

解説してきましょう。

○「お酢」の基礎基本

まずは、普段何気なく買い、そして使っている「お酢」にどのような背景があるのか、そこから解説していきたいと思います。

・「お酢」の起源

「お酢」は人間が手を加えて作った最古の調味料と呼ばれています。

昔の人は、とってきた木の実(果実)を蓄えることを覚えました。

果実を蓄え始め、それが自然と発酵して出来たのが『お酒』です。

そこからさらに菌が働き誕生したのが「お酢」だと考えられています。

「お酢」はかなり昔に誕生したとされていて、紀元前5000年頃の古代バビロニアの記録には、干しぶどうやナツメヤシを利用して「お酢」が造られていたと書かれていたそうです。

『旧約聖書』にも、「お酢」は飲み物として書かれています。

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それほど昔から「お酢」は、体に良い効果があるということを昔の人は理解していて、例えば、ギリシャの医学者ヒポクラテスは、病み上がりの病人に「お酢」を取ることを勧めていたり、中国でも周の時代には漢方薬として「お酢」が効果があると認められていたそうです(ちゃんとしたエビデンスがあったかどうかは不明)。

日本で作られ始めたのは、4〜5世紀ごろと言われています。中国から『お酒』の製造方法が伝わった際に、「米酢」の醸造技術も伝えられ、和の国で作られるようになったのが始まりとされています。

現在の「お酢」は、白米または玄米を蒸し、それに麹菌と水を加えてアルコール発酵させます。

そこに『酢酸菌』を加えることで『酢酸発酵』を行い、熟成させることで「お酢」が作られます。

熟成期間は早ければ数ヶ月、長いものだと数年寝かせることもあるそうです。熟成期間が長い方が、より濃厚で芳醇な味わいを得ることができるそうです。

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・「お酢」の種類

世界にはなんと”4000種類”もの「お酢」があると言われています。

上記でも説明しましたが、『お酒』をさらに発酵させれば「お酢」になるわけですから、世界にある『お酒』の数だけ「お酢」もあるということになります。

そこため、「お酒のあるところ、必ずお酢あり」という言葉があるそうです。

日本で、最も有名な「お酢」といえばおそらく「米酢」でしょう。

それ以外に「お酢」として有名なものとして、

ワインビネガー(ワインから醸造)、バルサミコ酢(ワインと白葡萄果汁から醸造)、りんご酢(りんごの果汁から醸造)、モルトビネガー(大麦、小麦、とうもろこしが原料、ビールに似た風味がある)、シェリビネガー(白ワインにブランデーを加えて作る)、穀物酢(複数の穀物を原料に醸造する)

があります。

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ちなみに、「お酢」が健康に良いと世間に注目されるようになった理由を知っていますか?

実は、「お酢」を製造していた会社の社長が、自社で作った「お酢」を飲んで肩こりが治ったという話をしたことが、「お酢」が健康面でも注目されるようになったきっかけです。

この話をしたときには明確なエビデンスはなく、半分は実体験として、半分は売名行為として話されたそうですが、その注目度は瞬く間に広がっていきました。

さらに驚きなのは、この話を検証するために行われた研究で、「お酢」を摂取することで、肩こりの改善につながるということが判明したのです。

つまり、「お酢」を製造していた会社の社長が言っていたことは、嘘ではなかったということが証明されました。

○「お酢」と健康の関係性

では、皆さんも気になっているであろう「お酢」の健康に関する影響について。

・内臓脂肪への影響

「お酢」に含まれる成分は、『酢酸』と『クエン酸』。

『酢酸』は、肝臓で代謝される際に、AMPK(空腹時やATPの枯渇、運動時に活性化される酵素のこと。)を活性化させます。

AMPKの活性化することで、

インスリンの感受性が向上

筋へのグリコーゲン貯蔵促進

がんの治療効果

などに有能な効果があるとされています。

また、肝臓で『酢酸』が代謝される際に、AMPKが分泌されると、

脂肪燃焼促進

摂取した糖が脂肪に変換されることを抑制する効果

もあるため、内臓脂肪効果はあると言っても良いと思います。

・睡眠への影響

これははっきりとした効果があるというわけではありませんが、

エビデンスとして、睡眠障害を持つ人が『りんご酢』を摂取した後、睡眠を取ることで睡眠の質が向上したというものがあります。

そもそも睡眠障害が起こってしまう原因としては、ストレス過多、携帯やパソコンなどを夜遅くまで見てブルーライトを浴びている、身体的疲労と精神的疲労のバランスが取れていないなど様々あります。

睡眠が取れないということは、体が交感神経優位の状態になってしまっているからです。通常、人が寝る時、眠くなる時は、副交感神経が優位にならなければなりません。

上記に挙げたものも交感神経を優位にしてしまう要因ですが、その他に、血糖値の上下動が激しく起こることによって睡眠障害になってします場合があります。

先ほど挙げたエビデンスでは、『りんご酢』を摂取することで、血糖値が安定し、それによって睡眠の質が改善したのではないかと考えられます。

・グリコーゲン貯蔵効果

「お酢」に含まれる成分である『クエン酸』は、筋肉内へグリコーゲンを貯蔵しやすくなることがわかっていて、これはスポーツ選手やボディ系のコンテスト選手なども実際に行なっています。

よくボディ系のコンテスト選手は、グリコーゲンローディング時(体を絞る時に炭水化物を極限まで減らし、筋肉内にグリコーゲンがなく張りがない状態から、炭水化物を摂取することで筋肉に一気にグリコーゲン貯蔵し、筋肉を張らせて見栄えをよくする)に、『クエン酸』を一緒に摂取することがあります。

マラソン選手などの長距離ランナーは、給水時に『クエン酸』入りのドリンクを飲む人もいます。

解糖系のエネルギーシステムの中で、必要なホスフォフルクトキナーゼ(酵素)が解糖系でエネルギーを代謝する際に必要になる酵素です。

『クエン酸』は、この酵素の働きを阻害します。

ん?それだと、よくないのでは?と思うかもしれませんが、阻害されることで、エネルギーに働きづらくなるため、結果としてグリコーゲンの貯蔵を促進することになります。

グリコーゲンは、エネルギー源として必要なものなので、なるべく筋肉内にグルコーゲンが貯蔵されていた方が、長時間動き続ける競技や効率よくグリコーゲンを筋肉へ運びたいという人にとっては、『クエン酸』を取ることが重要ということになります。

つまり、『クエン酸』を含んでいる「お酢」は、グリコーゲン貯蔵に働くということになります。

・更年期への効果

更年期とは、女性に現れる症状で、閉経する前後10年の間に、体の代謝がとにかく落ちるような状態になります。

これを止めるために、「お酢」が役に立つと言われています。

これはまだ人体での実験が行われていませんが、ラットを使った実験で、更年期のラットにアルコールを飲ませると代謝が落ちなかったという結果があります。

アルコールの解説のところでも言いましたが、アルコールは分解過程で『酢酸』に変わります。

この『酢酸』の効果によって、更年期の代謝の低下を防ぐことができるという研究結果もあります。


ただし、アルコールを摂取することはおすすめできません(その他の健康被害が多すぎるため)。

なので、『酢酸』が含まれている「お酢」を取ると良いということになります。

・カルシウム摂取に働く

肉や魚を煮込む際、水だけで煮込むよりも「お酢」を入れて煮込んだ方が、骨からカルシウムが溶け出す量が多くなります。

煮込んだ時に残る汁も一緒に摂取すればカルシウムの摂取量を増やすことができるようになります。

カルシウムは、日本人が足りていない栄養素の一つとして、取り上げられることが多いため、「お酢」を有効に使えると良いと思います。

・血圧への影響

「お酢」を摂取すると、血圧を低下させる作用があります。

『酢酸』は、トレーニングをする人が、ワークアウトドリンクとして飲む、パンプアップに必要なNO系(血管拡張作用)に効果を出すために必要な酵素を活性化させることができます。

血管が拡張するということは、血管内の圧は下がります。

この効果は「お酢」を一定期間撮り続けた後、摂取をやめたとしても4〜6週間は効果が持続すると言われています。

○「お酢」の体への悪影響

健康に良いと言われれる「お酢」ですが、実はデメリットも存在しています。

・歯や胃を荒らしてしまう

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「お酢」に含まれる『酢酸』は、文字通り『酸』です。

『酸』である以上、多少なりとも”物を溶かす力”があります。

歯のエナメル質を『酢酸』が溶かしてしまうと、虫歯や知覚過敏になってしまうリスクが高くなります。

また、胃腸が弱い人は『酢酸』が胃腸内を刺激して荒れてしまい、胃痛などの原因になる可能性もあります。

これらの症状を起こさせないためには、「”原液”で飲まないこと」が大切です。

原液の状態は、『酸性』が比較的強い状態ですので、薄めた状態で飲むと良いでしょう。

そもそも「お酢」は調味料ですので、料理に使うことで『酸性』を弱くすることができます。料理として使い、食材と一緒に摂取すれば、噛む時に唾液が分泌し、中和してくれます。


以上で、「お酢」の解説は終了です。

「お酢」はやはり健康面に良い効果をもたらしてくれることがわかりましたね。

悪影響に関しては、原液の状態で飲まなければそこまで影響はないとされていますので、「お酢」を適量摂取することは健康を気遣う上でも重要なことかもしれません。

種類も豊富ですので、色々な「お酢」を使ってみたり、料理に使ってみたりしても面白いかもしれませんね。


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