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数多の言葉が私を生かす

私は人一倍、言葉に敏感な人間だと思う。
悪意のある言葉には傷つき苦しみ、心を動かされた言葉は何重にも積み重なって、悲しみの底に沈んだ自分を救う。

本の世界に魅了されたのは、小学校5年生の時だった。
共感を求めても誰にもわかってもらえない、と孤独を感じていた。
本の中には、自分と似た主人公がいて、戦い、幸せになっていた。自分自身が幸せになれる未来はずっと見えなかったけど、仲間ができたと思った。
文章を読んでいる時間が、集中している時間こそが、私を救う時間だった。

あれから、何年も経ったが、本の世界は相変わらず私を救い続けている。
隣の席の同僚は、一向に私の言葉に耳を傾けてくれないし、親と同世代の男性からは、無知な少女のように扱われる。

そのことに怒っているときはまだマシで、無力感や孤独感で悲しんだり、関係ない人に八つ当たりしたり、他人を妬ましく思う気持ちが増幅してしまうときがある。
そんな自分に絶望するとき、今まで心に蓄積した言葉が私に語りかけてくる。

「自分は大丈夫だ」

そう思える瞬間が、1日1秒でもあるなら。
その時間を自分で意識して作れたら。

またもう少し頑張ってみよう。




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