ヘルシンキ🇫🇮マラソンへ出よう! Road of the Helsinki Marathon
2024年8月24日(Sat)、フィンランドのヘルシンキ市内で行われたBMW HELSINKI MARATHON(BMWヘルシンキ マラソン)のHALF(21.2K)に出場してきました。
欧州大手自動車メーカーBMW主催のマラソンレースです。
参加を決めてからの長い道のりをここに記したいと思います。
ヘルシンキのシティマラソンってどんな感じ?!という方や、これからマラソンに挑戦してみたい、という方のお役にも立てると嬉しいです。
項目が多いので気になるところを見ていってくださいね。
以下はヘルシンキマラソンのinstagram。
始まりは、参加を決めた一週間前。。
え、みじか!
道のりぜんぜん長くない!(すみません)
【レースまで7日】滑り込みセーフのエントリー
実はマラソンレース参加申込最終日に滑り込みました!
ヘルシンキでは定期的にマラソンレースが開催されていて、気になりつつ気づいたら終わっていてを繰り返していたのですが、今回のレースはSNSを開くたびに広告が現れ、追われているような、、いい加減出ろよと言うことかと、エントリーをポチっと押してしまいました。
わたしは今まで日本で別の競技をしており、そのトレーニングだと思って2回ほどハーフマラソンに出たことがありました。
しかし最近は環境が変わり3ヶ月ちょいほぼほぼ走っておらず、筋トレとジムまでのジョグ(1kくらい)くらいしかしていません。
参加して大丈夫なのか!?
【レースまで4日】20K試走で脚を痛める
申し込んでから、21Kちゃんと完走出来るのかなとか、制限時間の3時間以内に間に合うのかな、と不安になってしまい、やっぱり本番と同じくらいの距離は最低走っておかないとと、レースの4日前にお試しランしてきました。
今回の試走は、わたしのうちからヘルシンキのセントラルまで数キロ走ってレースのコースに合流したら20K経過した地点で終わる、身体に異変を感じたらやめる、というきまり。
今回のレースコースはヘルシンキの主なランドマークや景色の良いエリアを通り、走っていてとても気持ちが良いです。
散歩コースにしても良さそうです。
走ってみると、思ったより身体が動いてくれたけど持久力は落ちてるし、疲れを早めに感じましました。
前はこんなはずじゃなかった、ゆるせない!と少しムキになって走ってたのですが18Kあたりで脚が攣ってきてしまい、気がついたら右腿の奥に痛みを感じました。
それで最後2キロは、ほぼ徒歩ペース、9分/kmでフィニッシュしたのですが、それでも3時間の制限時間にはかなり余裕がありました。
本番も最悪、足が動かなくなったら途中から歩いていいんだ、と分かりホッとします。
理想的には14日前までに試走をやっておいてレース当日までに完全回復したかった。
さすがに4日前はリスクが高いかとは思いますが、少しカケに出てみました。
おそらく普通は他のランナーやコーチに相談すると止められるはずです。
どんなメリットやデメリットがあったかはレース後に書いていきます。
【レースまで2日】疲労回復はやっぱりサウナ!
とりあえず、本番のレースは制限時間内で帰って来れそうだから良かった〜と思った次の日、身体中がものすごい筋肉痛に!
痛みで歩き方もヘンだし3日で回復するのかと思いましたが、残り2日目で入ったサウナの後、体のいろいろなところが一気に楽になりました。
やっぱり、フィンランドのサウナは神が宿ってる!と感謝です。
【レースまで1日】事前チェックインで会場へ
20Kランをしてから3日目、明日はついにレースです。
筋肉痛や疲れはほぼ回復していたのですが、右腿の痛みだけどうにも取れない。
走る時の体の使い方の悪いクセがあって、普段使わないところにかかる負荷が長距離を走る中で蓄積されて、痛みが出てきたと推測します。
ただ、他の筋肉痛よりは遅いものの回復はしてきているので、あまりネガティブには思いませんでした。
あとは明日にかけるしかない!
今回のマラソンレースは前日の13時から20時まで会場で事前受付が出来ます。
ゼッケンを事前に受け取っておけば、レース当日は荷物を預けるだけです。
軽く脚を慣らしておこうかな、と自転車でレースコースをなぞりながら行って来ました。
【レース当日】ライバルは自分!最後までまで諦めない
迎えたレース当日
前日早めにベッドに入ったのに全然眠れなかった。。
朝方少し眠ったみたいだけど、目覚ましが鳴り起き上がっても、眠くて身体が重いと言うのではなく、テンションは高め。
不安とワクワクで心身が興奮してたのかもしれません。
脚には若干違和感がありますが、無理しなければ大丈夫そうです。
無理しなかったらね!
07:00 家の近くのバス停から会場のMeripuisto(メリ公園)に向かうのですが、バス停に着いたら見覚えのあるマラソン大会のバッグを持っている人が3人も。
その後も、乗り込む人がほぼ同じマラソン大会の参加者ばかりで、公共バスなのに貸切バス状態に。
ヘルシンキは小さな町なので、何かイベントに向かうとだいたい出会う人みんな同じ行き先、という人口の少ないフィンランドあるある。
7:50公園に到着!おそらくほとんどの人が前日に受付をしたらしく受付ブースはガラガラでした。
マラソンレーススタート!
8:30 レースがスタートします。
レースを盛り上げるMCは「気温は16℃!まだヘルシンキは真夏の気温だね!」とテンションをアゲアゲです。
16℃は、、日本では真夏じゃない!(マジレス)
でも走りやすい気温でよかった。
わたしはマラソンレース開始時にはイヤホンをして、ラン用計測アプリをセットして、自分がテンションがあがる音楽だけで作っておいたプレイリストで音楽を再生します。
わたしはマラソンは実はあまり得意ではなくて、長時間平坦な道を似たようなペースで走っていくのが退屈で辛いので(なんでレース参加してるの?)、自分のモチベーションをあげる音楽たちと、定期的に今何キロ走り終わってて、キロあたりタイムがどのくらいかをアナウンスしてくれるラン用アプリがないと、やっていられないのです!(だからなんで参加したの?!)
ちなみにわたしはラン用のアプリはadidasを使っています。
最初の5K。
4K地点で最初のエイドがありました。水とスポーツドリンクが飲めます。
水分をここでしっかり摂って、足攣りや怪我を回避するため、しゃがんで筋を伸ばすストレッチを少ししてまた走ります。
わたしは他の速いランナーのように、サッと水カップを取ってジャッと上向いて口の中にドリンクを秒で流し込みながら同時に走る、という芸当が苦手です。
咽せたり飲み込むときに鼻から出そうになると無駄な体力を使うので、ここはスピードを落として確実に飲んでから走ります。
ハーフとフルマラソンのランナーが一緒にスタートしているため人が多く、道もところどころ狭いので、ランナーの群れの真ん中や後半にいると団子状態になり、渋滞でペースが遅くなるため自分のペースで進めません。
遠慮しないでスタートラインの近くに行けば良かった。
10K地点。
8K地点でエイドがありました。水とスポーツドリンクが飲めます。
4kmおきにエイドがあります。
5K過ぎから身体にエンジンがかかってきたと思ったのですが10K直前で気持ち的にダルくなってきました。
8Kくらいで持参していたエナジージェルを口に流し込みます。
ゆるやかにアップダウンがあったので体が重く感じたのかもとも思っています。
10K手前からは人の間隔も大きくなってきて渋滞もなくなったので、自分のペースがやっと掴めるようになりました。
15K地点。
12K地点でエイドがありました。水とスポーツドリンクとエナジーグミがあります。何本かもらったけど結局食べなかった!
さすがに数ヶ月走り込んでいないので心身がへばり出しました。
タイムはここまでほぼ5分台/kmできていますが時折6分台が増えてきて、わたしを抜いていく人も増えてきます。
ここで焦って頑張るとバテてエネルギーが枯渇し、足も気持ちも止まる可能性もあるので、スピードが落ちても継続して走れる力を使って走ります。
抜かれてもいい、走れれば遅くてもいいんだ、と自分に言い聞かせて、余計なことは考えないこと!
結果、それが現在の自分の力で最速の結果になることは他のスポーツ経験でわかっています。
最後のゴールまでの道のり。
16Kと20Kあたりでエイドがあったと思います。水とスポーツドリンクです。
16Kくらいで持参したカフェイン入りのエナジージェルを流し込みます。
自分の場合は摂取してから20分から30分くらいでジェルがパワーになっていました。
今回の自分の状況からだと、ジェルの摂取が後手すぎたと思うので5Kと10K前後が良かったかも。
迂回道がとても辛かったけど、それを抜けて最後の直線の海岸になると気持ちに余裕が出てきました。
コース上で時折、DJさんやダンサーさんたちがパフォーマンスしてくれているのですが、拍手や手を振ったりする余裕が出てきます。
ただ、ゴール直前の1Kは「もういいよね。。」と、歩きたくなってくるほど気持ちがダレるので自分で自分のテンションを盛り上げて緊張を切らさないことが大事です!
“セルフあんよが上手”作戦です。
そして、スタートしたゲートが見えてきました。
ゴールも同じゲートです。
もうゴールは直前です!
ゴーーーーッル!からの気になるタイム
終わった!
あんよ上手に出来た!
うれしい!
ゴールと同時に座り込み、、たかったのですが、完走メダルやら各スポンサーからの参加賞を次々と手渡されしばらくあわあわしました。
それにしてもがんばりました!(自画自賛)
もちろん途中は辛かったけどこの満足感は10キロでは得られなかったです。
ハーフにして良かった!(今のところフルだけは一生出ないと思っています)
タイムはグロス(時間通りの号砲から)で02:07です。
ネット(自分がスタートラインを踏んでから)なら02:04のはずです。
今回はグロスしか公式に出ず、こういう事もあるからスタートは前の方に並ぶに越したことはありません。
スタートライン前は渋滞でみんな歩いてるし参加者が多いとラインを越すまで行列の距離は長くなり完全なタイムロスです。反省。
2月の日本のハーフマラソンでは01:40だったのもあり、できれば02:00は切れたらと密かに願ってたのは叶いませんでした。
途中のエイドでのストレッチを全部やめればギリギリ2時間に収まっていたかもしれません。
でも足を攣ったりエネルギー切らしていたら元も子もないので、これが今の自分の実力ってこと。
悔しく思うことは毎回どのレースでもあるし、まずは五体満足で帰って来れたらみんな優勝です!
参加してもらった沢山のお土産
食品メーカーなどスポンサーさんが多く、終わってみるとたくさん記念品やサンプルをもらいました。フィンランドは物価が高いから安いものでも買ったらひとつ€3〜4はすると思うのでトータルするとアーリーでエントリーしてる人なら参加費用を上回る(HALF €33)のでは。
わたしはギリギリの参加だったので参加費は€75でしたが、それでもこれだけ頂けるとありがたいです。
日本人とフィンランド人の応援の違い
レース中、いろんなポイントで応援している方を見かけましたが、思ったのはフィンランド人の応援は静かで、特定の知り合いを見た時だけ盛り上がって応援する人が大半ということです。
日本だとそういう人もいれば、みんなのために声を出す人もいて、鳴物を用意したり、拍手をしたり、小さくても手を振ってくれる人などいます。
日本的な応援に慣れていたせいか、静かなのがちょっと寂しくなってきて、途中で日の丸を掲げてる女性を見つけた時はうるっとしてしまい、誰かの応援なのかなとは思いましたが、「ありがとうございます!(君の応援じゃないよw)」と叫んでいました!
彼女は一瞬ギョッとしてから、がんばれー!と言ってくれました。(すみません&ありがとう)
これまでわたしが参加した競技でも、知人だけではなく、見知らぬ人の応援からもたくさんパワーをもらっていたんだなと今回気づかせてもらいました。
みなさんも、マラソンなどレースに遭遇したら、ぜひ知らない選手でも応援してくれると嬉しいです。
きっと彼らが前に大きく進む力になるでしょう!
フィンランド人の方の応援で嬉しかったのが、ワンちゃんを連れて見に来ていた女性が「My dog is proud of you all!(うちのワンコがみんなのこと誇りに思ってるよ)」という英語のプラカードを持って佇んでいたこと。
こちらも静かな応援だったけど、ワンコの可愛さもあって癒されました!
フィンランド語で応援する時なんて言うの?
日本語だとスポーツ観戦の応援は「がんばれ!」や「ファイト!」が定番ですよね。
今回のレースで聞こえたフィンランド人の応援は、
「Hyvä!(ヒュヴァ)」です。
Hyvä!Hyvä!と何度も続けて言う人が多くて「いいよ!いいよ!その調子!」という意味合いです。
Hyväは、ごはんをたべて「おいしい!」でも、友達が可愛い服着ていて「いいね!」とでも使える万能ワードです。
他に聞こえたのは、
「Jaksaa!(ヤクサー)」です。
これも数回続けて言う人を見かけました。
日本語の「がんばれ!」と同様の意味になります。
「あなたにはやり遂げる力があるんだよ。」のような意味を持ちます。
サボってる人に言えば「できる余力があるのにズルしないでやんなよ」みたいになったり、スランプで落ち込んでる人に言えば「大丈夫!あなたには充分やり遂げる力があるんだよ」みたいになると理解しています。
直前に試走してのレース参加はアリだったのか
レース4日前など直前の長距離試走は、わたしを含め一般のレーサーだったらおすすめできないです。(毎月100K、200K走ってる人なら平気かもしれません。そういう方でも理由がない限り避けると思います。)
今回はそれを無理矢理だとしても、予想できる“試走をやらないと得られないメリット”が欲しくて強行しました。
もちろん、直前の良くないデメリットもあります。
長距離試走のメリット
★レースの距離は21K超あるので、事前に最低同じ(可能ならもっと長い)くらいの距離を走ると体が慣れてレースで楽になる
★まだ土地勘のないエリアのコースを事前に走ると気づかないストレスが軽減されてレースのメンタルが楽になる。
★同じコースを試走する場合は、この先どんな景色があるか、高低差の体感、ここから次のポイントまでどのくらいの感覚で行けたか、展開がわかる方がレース戦略を立てられるし時間が早く感じて楽しみやすい。
★レースと同じギア(シューズやウェア、サポーターなど)を着用して同様の距離を試走することで、長距離走ってみないとわからない着心地や耐久テストができる。
お店での試着や数キロのジョギングでわからなかったシューズやソックスの履き心地や靴ズレの有無、体や足が浮腫んできたとき靴紐をどれだけ締めたら痛くならないか、ウェアやサポートがキツくないかなどが分かります。
試走してみて、無理したら18Kくらいで足が攣りそうになるのが分かり、忘れかけてた走り方を、走ってるうちに身体が思い出せました。
結局、変な走り方をして脚を痛めていたので、それを改善して本番を走れました。
これをぶっつけ本番でやってたら、本番でもっと無理して身体を痛めていたり、力配分が分からなくなってバテて歩いたりもっと遅く走ってたかもしれません。
試走で体が慣れた結果、本番の方が楽に走れたし、レース後の体のダメージも試走ほどありませんでした。
直前の長距離試走のデメリット
★超距離を走ると回復するのに時間が必要なダメージがある。レースまでにそれが完全に回復してる状態が望ましい。
★ダメージを残したままレースに出ると痛めた場所に負荷が更にかかってもっと大きな怪我につながる可能性がある。
★メンタル的にも数日空けるだけではゆっくり休めてないのでベストな気持ちに持って行きにくい。
実際に、走り方を試行錯誤していた時に痛めた右腿が完全に回復しない状態でレースに臨みました。
ほとんど治っていたのと、レースで正しく走れていれば使わないところだったので結果問題になりませんでしたが、不安要素になっていました。
一度、数日前に走った長い道のりをまた走ってるので、やはり気持ちのダレがありました。
記憶が新しいので良い事もあるのですが、モチベーションが下がっちゃうので、やはり試走は2週間は空けたいなと思います。
というか、レース参加は計画的に!(ごめんなさい)
直前にどれくらい走っても良いの?
もし、地方や海外のハーフやフルのマラソンレースに参加予定で、事前に現地入りして3日や4日前に少しコースや周辺を走りたいなと思ったら、せめて5〜10キロを軽くジョギングする程度、
前日なら3キロ程度までで軽く流してドリル(走りの基本動作トレーニング)をするくらいが効果的かなとわたしの場合は思います。
(運動経験や無理しない範囲で調整してください)
おわりに(ヘルシンキでマラソンコースを走るor歩くメリット)
シティマラソンのコースはヘルシンキだけに留まらず、参加者に見てほしい景色やランドマークなどが盛り込まれています。
それらをつなげて走ったり歩いたりすると、思いがけない素晴らしい風景に出会えたり、この道はここに出るのか!と街の理解もできて楽しいです。
フィンランドでは各地でマラソンやトレイル、トライアスロンなど様々なレースが開催されているので訪れる際に、スケジュールを合わせるのも良いですね!
以下は今回のマラソンコースです。
10Kと21Kのコースがあり、フルマラソンは21Kを2周します。
最後まで読んでくれてありがとうございます。
もしヘルシンキのマラソンレースに出ることがあったら一緒に走りましょうね!