中動態 | 理想的なリーダーシップとは?
この記事は、およそ2年半前の記事の再掲です。
直近の1ヶ月のダッシュボードを見ていたら、なぜか最近になってビュー数が再び伸びていました。
選挙が近いことや、日本シリーズやワールドシリーズが近いことで「リーダー」について考える人が増えている時期なのかもしれません。
この記事は「中動態」という概念をもとに、「理想的なリーダー像」について考察したものです。
(1)「言語が消滅する前に」
最近はnoteを書くことが楽しかったので、以前と比べ、書店に行く頻度が減った。アウトプットすることはいいことだけど、インプットが不足しているような気持ちになって、久し振りに新しい本を読みたくなった。
久し振りに訪れたホーム?の書店で、國分功一郎・千葉雅也「言語が消滅する前に」(幻冬舎新書)を購入した。まだ、第一章しか読んでいないが面白い。
(2)「中動態」とは何か?
第一章は「意志は存在するか -中動態の世界から考える」。
「中動態」というのは文法用語らしい。聞きなれない文法用語を知ると、ちょっとときめいてしまいますね😃💕。
英語の文法で「能動態」(主語が~する)と「受動態」(受け身形、主語が~される)という「態」を学んだ。
「中動態」とは「能動態」と「受動態」の真ん中の状態をいうらしい。ちょっと調べてみたら、古代ギリシャ語やサンスクリットにあった「態」だそうだ。
言語学的に面白そうだが、この記事では「する」でも「される」でもない「中動態」という概念で、哲学してみたい。
(3)中動態の具体例
①「住民投票」
「能動」でも「受動」でもない状態というものは、想像しにくいけれども、この本の中では「住民投票」を、中動態的な例として挙げている。
選挙の行われているところでは、選ばれた政治家が「○○せよ!」という法律を決定していく。では「住民投票」する意味はなにか?
「住民投票」でも多数派・少数派は生まれるが、多数決自体というよりも、投票までの間、あるテーマに関して、いろいろな人が意見を言ったり、また、自分自身でも考えることが大切。強制的に「○○について考えなさい!」というわけではないが、○○について、自分自身で考えるきっかけになる。そういうプロセスが大切なのではないか?
②「ナッジ」
ここからは、前掲書には書いていないが、「中動態」という概念を使って、私が考察したことを書く。
「中動態的な考え方」というのは、他にもありそうだ。
「ナッジ」というのも、「中動態」と言えそうだ。ご存知の方も多いと思うが、例えば、コンビニのレジ前に書かれている「足跡👣」。
「ここに立って並びなさい❕」と命令されたら、「嫌だ❕」と言う人もいるかもしれないが、足跡👣が書いてあると、強制されているという意識をもたずに、並ぶことができる。
他にも、男性の小便器の中に置いてあるボール状の石鹸。「この便器から小便をもらすな!」と言われたら、何となく嫌だが、ボールが置いてあれば、それを目掛けて小便したくなりますね😳💦。
③「積ん読」
「積ん読」も中動態っぽい感じがする。本を購入なり、借りるなりすることは「能動」的だが、実際に読まなければ、強い積極性は感じられない。しかし、本を常に目に見えるところに置いておくと、強制されているわけではないけれども、「読んでみようかな」という気持ちになることがある。
「積ん読」せずに、あまり目の届かない本棚に並べてしまうと、なかなか読んでみよう、という気持ちになることが少なくなる。意識外のものになってしまう可能性が高い。
(4)中動態的なリーダーシップ
人間というか私は、「強制」されることは好きではない。楽しい好きなことだったとしても、強制されると反発したくなってしまう。我ながら未熟だと思う。
それはさておき(😃)/💕、ちょっと今年注目しているのが、新庄新監督。
正直に言うと、プロ野球はあまり見ないけれども、新庄監督は見ていて面白い。
新庄監督という人は「中動態」的な指導者のような気がする。
実際どうかは知らないが、あまり選手たちに「あれやれ、これやれ」と言うのでなく、選手たちが自主的に練習に励むような導き方をしているような気がする。
「巨人の星」みたいな指導法もいいけれど、「中動態」的な指導法がどのような結果を残すのか、興味のあるところである。
(5)結び
高い能動性を求めるのでもなく、高い受動性をもつものでもない在り方。
「中動態」は今の時代の隠れたキーワードのような気がした。
よい指導者や経営者は、無意識的に「中動態」的なのかもしれない。「あれやれ、これやれ」と命令するのではなく、自主性を持たせつつ、望ましい一つの方向へ導く。そういうのっていいな、と思った。
*読書感想文を書こうとしたが、自分勝手なことを書き過ぎた。「中動態」に興味のある方は、実際に手にとって読んでみてね♥️。
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