2点間の距離を定義する。
A地点とB地点の距離を定義してみよう。
家と勤務先の距離を尋ねられたら、ほとんどの人は「○○km」、あるいは「○○で✕✕分(あるいは時間)」と答えるだろう。では、もしも四次元の世界に住んでいたらどう答えるだろうか?
今回の記事では「四次元における2点間の距離」を定義してみようと思う。
[一次元の場合]
まず、手始めに「一次元」の世界における2点間の距離を定義してみよう。
一次元とは、1つの数字で居場所が特定できる世界である。言い換えれば「数直線」の世界である。
今、点Aが数直線上の「2」の場所にあり、点Bが「-1」の場所にあるとする。
このとき、AとBの2点間の距離は
2-(-1)=3
または、結局同じことだが、
絶対値記号( | | )を用いて
| (-1)-2 |=| -3 |=3
としてもよい。
一般化すると、点Aがp、点Bがqならば
AB間の距離=| p-q | と定義できる。
( | q-p | でもおなじ。)
[二次元の場合]
「二次元の」とは、1つ点の場所が、2つの数字で表される世界である。言い換えれば、平面の世界である。
2点AとBが下の図のような「座標」で表されているとする。
A( p1, p2 ) B( q1, q2 )
斜辺を線分ABとする三角形において、
三平方の定理より次の関係が成り立つ。
ここで、もう一度「一次元の距離の定義」を見てみよう。
一次元の2点間の距離は
| q-p | であったが、これは二次元の定義の式と結局同じことである。
[三次元の場合]
三次元とは「たて」「よこ」「高さ」の3つの数字でひとつの場所を表す世界である。
さきほどと同様に2点の座標を
P ( p1, p2, p3 ) Q ( q1, q2, q3 )とする。
グラフは下図のような感じ。
三次元の場合も平面図形と同じように、三平方の定理より
途中の説明・計算をだいぶ省いてしまったが、
X座標、Y座標、Z座標のそれぞれの差を二乗した和の平方根が距離だと定義できる。
[四次元の場合]
四次元以上は、グラフで説明することができない。だから、三次元までで矛盾なく定義できたものをそのまま使う。
四次元だから座標は4つの数字で決まる。
座標では
A ( p1, p2, p3, p4)
B ( q1, q2, q3, q4)のように表す。
あとはそれぞれについて、差をとり、
それぞれを二乗した和の平方根を求めればよい。
五次元、六次元でも文字をひとつずつ増やしていけばよい。
数学の場合、次元の話題に限らず、「3」くらいまで学べば、「4」以上は機械的に計算する場合が多い。
中学生では、「一次関数」「二次関数」を学ぶ。高校で「三次関数」を学べば、「四次関数」以上は、ほとんど機械的な計算になる。
連立方程式は、中学生で「二元一次方程式」を学ぶが、高校で「三元一次方程式」を学べば、それ以上は特に学ばなくても容易に理解できると思う。
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします