マガジンのカバー画像

娘がうっかりバレエを始めてとっとと留学してしまったのだが

78
バレエに疎い親のもとで、娘がうっかりバレエを習い始め、中学卒業したらとっとと留学してしまったので、どうしてこうなったかを振り返ろうと思う。
運営しているクリエイター

#子ども習い事

15歳、娘の旅立ち

15歳の娘が、とうとう旅立ってしまった。 バレエ留学のために。 経由地のスイス、チューリッヒ空港からLINEがあった。 心配していた飛行機の乗り継ぎも、無事にできたようだ。 だがしかし――。 「英語が全然通じない!何を言ってるのかもわからない!」 いくらドイツ語圏といっても、まだ乗り継ぎ地の空港である。 英語は通じるはずと思っていたが、 「『ウォーター』ですら伝わらなかった」 これには本人もかなり打ちのめされた様子だった。 娘は4歳のとき、アルファベットを書きた

沼落ち

娘、バレエにハマる。 「毎日通いたい!」と目を輝かせながら言う娘を見て、 「ああ、これが“沼落ち”ってやつか…」と苦笑い。 子どもがやりたいと言ったら、まずは否定せずに実行のために動く。 「フットワーク軽く!」 だから、早速レッスン回数を増やした。 習い始めた翌月には週2回のレッスンへ。 スポーツクラブには週2回しかバレエクラスがなかったので、とりあえずそれで半年ほど続けることにした。 ところがその半年の間に、先生が別のスタジオでも週1回クラスを開いていると知ってしまった

バレエ教室に移ってから知った隠れた出費と時間 1

娘はバレエクラスで最年少ながらも、1歳年上のお姉さんたちと仲良くなり、彼女たちに追いつこうと必死だった。 その日のレッスンを家でおさらいし、さらに次のレッスン前にもおさらいして臨む徹底ぶり。 上に兄がいる「下の子あるある」で要領がよく、保育園でもしっかり者に見られていた娘。 さらに意識高くレッスンを受けていたからか、発表会やレベル分けでは一つ上のクラスの子たちと同じグループに選ばれるようになった。 小さい子にとって1歳差は大きい。 追いつくのは大変だけど、それでも「同じレ

バレエ教室に移ってから知った隠れた出費と時間2

先生の教室へ移ってから、月、木、土の週3回通うことになった。 隣の駅まで、仲の良い子たちと一緒に電車に乗って通う。 それをきっかけに、最低限の連絡が取れるように見守りケータイを持たせた。 小学校1〜2年生の子が、夕方から夜にかけて隣の駅まで。 学校が終わってから帰宅し、そこからレッスンへ向かう流れだ。 こういうスケジュールだと、ごはんを食べる余裕がなくなるので、夕飯は駅へ送る車中で食べさせた。 それでもバレエがしたくてしたくてたまらない娘はご機嫌。 この生活は、夏はい

バレエを習って良かったこと1

費用の不安ばかり先に書いてしまったが、それよりも何より、楽しそうに夢中になっている娘を見ているのは本当にうれしくて、親としては全力で応援したいという気持ちになるのは必然。 (それが故に、先の費用が心配だったのだが笑) バレエ教室では、お姉さんたちが小さい子の面倒を見る。 これは、しきたりというか自然な流れというか。 普段の教室のルールや、レッスン前後の掃除や準備などを教えるのは、ちょっと上の年齢のお姉さんたち。 発表会の時には、小さいクラスの子たちに高学年のお姉さんがそれぞ

バレエを習って良かったこと2〜学校以外の居場所

もともと、私は、小学校の他にも居場所やコミュニティのようなものが子供たちにできればいいなと思っていた。 毎日通って、長時間同じ空間いる「学校」という場所だけでは、居心地の悪さを感じる時期は多かれ少なかれ出てくるだろう。 そんな時に、逃げ場や息抜きの場所があるといいなと思っていた。 だから、年中や年長くらいになって子供が興味を持ったり、「これをやってみたい」と言い出したらすぐに動いて、好きなことや楽しく続けられることを見つけてあげたいと思っていた。 娘は、いきなり習いたいと

トドメのトウシューズデビュー 沼まっしぐら

バレエを習い始めて、一番最初の夢となるのはトウシューズかもしれない。 フリフリフワフワがついたレオタードに憧れてバレエを始め、少し年上の優しいお姉さんたちに憧れ、そのステキなお姉さんのようにトウシューズを履きたい! 見事なまでに自然な流れである。 トウシューズを履くには、週に3回以上のレッスンに通うことが必要という決まりがあった。当然、早くトウシューズを履きたい子たちは、週に3〜4回のレッスンに通い始める。 それに比例して月謝もいわずもがな。 そして、先生からOKが出ると

トウシューズにかかる金額

そもそも 「ポワント?」なにそれおいしいの?  ってくらいのレベルの知識しかなかった私。 ウシューズのことをポワントとも呼ぶことすら知らなかったのだ(笑)。 本来の単語の持つ意味は微妙に違うらしいが、まぁ細かいことはいいんだよ。 バレエを習い始めて、最初で最大の目標であったトウシューズを手に入れた娘。 もちろん、これでめでたしめでたし。とはいかない。 ファーストトウシューズは、教室の先生と一緒にチャコットに行き、あれこれフィッティングをして選んでもらった。 そしてトウシ

娘の成長とバレエ教室への不信感

トウシューズを手にした娘は、「どうしたらもっと綺麗に立てるんだろう」「痛みを少なくできるのかな」と9歳なりに考え始めた。 すると、自然と先にトウシューズを履いているお姉さんたちを観察し、踊り方や体の使い方に注目するようになった。 これまでとは違った視点で、少しずつ「上手くなりたい」と自発的に考え、レッスンへの向き合い方が変わっていったように見えた。 なかでも、自分に似た体型や踊り方をするお姉さんに目標を定め、その人の立ち姿や動きを真似るようになった。 練習量や、自分と違う

¥300

発表会の度に募る不満と不信

トウシューズを得てからの初めての発表会は今までと違っていた。 まず、親の負担。 金銭的負担だけでなく時間拘束。 どうも、期待をかけてる子や先生と気の合いそうな親を役員に指名しているようだった。 役員になると衣装の手配、ゲストダンサーのお世話、舞台スタッフさんへのお世話、子供達のメイク、当日の受付など、各係のリーダー的役割をしなければならず、本番の何日(何ヶ月?)も前から準備に取り掛からねばならない。 フルタイムで仕事をしていると確実に仕事に支障が出る。 私も突然 指名され

衣装にムシ?

娘がバレエを習うまで知らなかったこと、それは 「ムシ」をつけるという作業だ。 発表会などで各自に配られる衣装は そのまま着れるわけではなく「ムシ」というものを各自でつけなければならない。 「ムシ」とは、カギホックの「受け」の部分。ホックをひっかけて止める部分だ。 これを各自のサイズに合わせて きつめの位置につけるのだ。 1着につき、だいたい3〜5カ所くらいつけなければならない。 もちろん、子供が小さいうちは自分でつけられないので親の仕事となる。 本番までにも衣装を着て練習を

「たかいたかーい」の請求書

同じ時期にトウシューズデビューした、娘の1歳年上のAちゃんが、その年の発表会で「ちょっといい役」をもらった。 1人でステージに立つ場面がある役だ。 多分、先生は日曜日のクラスの件で親たちの空気がちょっと変わったのを感じ取っていたのではないかと考えてる。 日曜クラスに通っている子は特別いい役をもらえるという流れを作りたかったのではないかなと。 それでももちろんAちゃんはとてもうれしそうで、いっしょに頑張ってたAちゃんを大好きな娘も大喜び。他の子どもたちも、「次は自分も!」と

¥300

新たな教室探し

バレエ教室の移籍先を探すにあたり、まず今の教室でどこから不満が出てきたのか、どの時点で軌道修正が必要だったのかを振り返った。そして、次の教室に求める条件をリストアップして優先度をつけることにした。 もともと、娘がバレエを好きになるかどうかも分からなかったので、最初はスポーツクラブでお試し感覚で始めたのは正解だったと思う。 もし時間を巻き戻せたとしても、また同じ選択をするだろう。 そこで娘がバレエに夢中になったこと、バレエを好きになったきっかけを作ってくれたことには感謝してい

教室を辞める〜娘の決意のきっかけ

娘が楽しく通っているうちは今の教室はやめないだろうなと思っていた。。 もちろん、子供達の前で先生に対する不信感を親が言うわけにはいかない。 娘も日曜のクラスの不評は知っていたので、コンクールに出たいと言うようになったら、親から移籍の相談をするしかないかなぁと思っていた。 が、その時は意外にもあっさりやってきた。

¥300