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不器用な長男が作業療法で取り組んできたこと





【不器用な長男の日常生活での困り事】

長男は、WISCの検査で処理速度が低い結果が出ており、とても不器用です。幼稚園時代、日常生活の中で以下のような困りごとがありました。


◎食事中の食べこぼしが多い
長男は食器をしっかりと持つのが難しく、食べ物を口に運ぶ動作がぎこちないため、食事中に食べこぼしが多い。特にカレーやチャーハンをすくうとき、お皿の外にこぼしてしまうことが多い。またスプーンを口に運ぶ際にこぼれ、衣服やテーブル、床を汚してしまう。


◎着替えや靴の脱ぎ履きに時間がかかる
洋服のボタンを留めることや、ファスナーの開け閉め、シャツをズボンの中に入れることが苦手。特にトイレの後には、下着がズボンからはみ出してしまい、直さずにそのままにしてしまうことも多い。また、立ったままではパンツやズボン、靴下を履くことが難しく、着替え動作全般や靴を履くのにも時間がかかる。


◎塗り絵や、絵を描くことが苦手
塗り絵では細かく塗るのが苦手で、枠からはみ出してしまうことが多い。筆圧が弱いため線がうすく、思い通りに絵を描けない。


道具の使い方がぎこちない
はさみをうまく操作できず、とくに丸いものを切るときに、片手で紙を動かしながらもう片方の手で切ることが難しく、なめらかに切れない。紙にのりを塗って貼る際にもずれてしまったり、折り紙で角と角を合わせたり、辺と辺をきちんと揃えて折ることができない。

◎運動が苦手で、転びやすい・ぶつかりやすい
バランスを取ることや体の動きをコントロールするのが難しく、歩いていてつまずきやすかったり、物にぶつかってしまうことがよくある。まっすぐ走れない。歩く時のバランスが悪いので、靴の内側のすり減りがはげしい。


◎作業に取りかかるのが遅い
何かを始めるまでに時間がかかったり、やり方を考えるのに時間がかかって作業が進まないことが多い。また、タスクが変わるときに気持ちを切り替えるのにも時間がかかることが多い。


他にも、姿勢が悪い、ペットボトルのキャップや、個包装になっているお菓子の袋を開けられない、といったことも気になっていました。


小学校入学まであと1年だというのに、このような状況で大丈夫だろうかと本気で心配していました。そこで、発達センターの定期外来の時に主治医に相談してみたところ、「当院では作業療法もやっているので、受けてみるといいですよ」と提案があり、主治医が意見書のようなものを書いてくださいました。




【長男の運動スキルチェック】


作業療法の初日、受付で待っていると、作業療法士さんが「〇〇くんだね!はじめまして、よろしくね!」と明るく挨拶しに来てくださり、そのまま作業療法室に案内されました。


作業療法室は広く、巨大なトランポリンやブランコ、平均台、鉄棒、跳び箱、マットなど様々な運動器具が揃っていました。さらに、絵を描いたり工作をしたりできるスペースもあり、長男はワクワクした表情で目を輝かせていました。


まずはじめに、長男の※運動スキルをチェックすることになりました。(※巧緻動作も含めての広義での運動スキルです。)


作業療法士さんが長男にチェックしていた項目は、以下のようなものでした。


☑️ バランス能力:片足で立つ、歩く、階段を昇り降りする際にバランスが取れるか。


☑️ 協調運動能力:両手や足を同時に使って跳ねる、ボールを投げる、キャッチするなどの動作がスムーズにできるか。


☑️ 指先の器用さ:ボタンを留める、ひもを結ぶ、物をつまむなど、日常生活に必要な細かい動作ができるか。


☑️ 書字・描画スキル:鉛筆を持つ力や書くときの筆圧、手首の動かし方など、文字を書いたり絵を描く動作はどうか。


近くで見ていると、どれも不器用で上手くはできていませんが、長男は嫌がらずに一生懸命頑張っていました。


作業療法士さんからは、「手先の不器用さや協調運動が苦手な部分はありますが、訓練していけば少しずつ上達していくので大丈夫ですよ」と声をかけていただき、安心しました。


また、作業療法は非常に人気があり、すぐに予約がうまってしまうため、月に1回行ければ良い方だと言われました。とりあえず、月1回の作業療法で運動スキルの評価を行い、課題を明確にした上で、家庭や療育でできることを提案してもらう形になりました。



【作業療法で取り組んだ活動とサポート内容】


ASDの長男の手先の不器用さや運動の協調性を改善するため、作業療法では毎回さまざまな活動が取り入れられました。


◎手指の細かい動きの練習:ビーズをピンセットでつまむ作業や、はさみやのり、セロハンテープ、折り紙を使った工作を行い、指先の巧緻性を鍛えます。


◎指先の力加減のトレーニング:粘土やスライムをこねたり、濡れたタオルを絞る練習など、指先や手の力加減を調整する力を養い、鉛筆を持つ力や道具の扱いがしやすくなるためのトレーニングです。


◎手と目の協調運動の練習:ボールを投げたり、的に当てたりする遊びを通して、手と目の連携を鍛え、見たものと手の動きのタイミングを合わせるトレーニングです。


◎絵の描き方、書字練習のサポート:まず鉛筆をしっかり持つ練習から始め、線をなぞる、絵を描く、文字を書くといった段階的な訓練を行いました。本人の興味を引き出すため、恐竜や古代生物を題材にして、楽しくスキルアップできるよう工夫されていました。


◎感覚統合のための遊び:ブランコやトランポリン、バランスボールを使い、体の感覚やバランスを整える遊びも取り入れてました。長男が苦手とする縄跳びの練習も指導してもらいました。


こうした活動を通じて、作業療法士さんは長男の得意・不得意に合わせた課題を提案してくださり、家庭や療育でも役立つサポート方法を具体的にアドバイスしてくれました。親の私はどうしても「できない」部分に目が向きがちでしたが、作業療法士さんが「ここまでできていますよ」「この部分は得意ですね」といったプラスのフィードバックを多くしてくださったことで、気持ちの面でも支えになりました。


🍀おわりに
今回は、長男が発達センターの作業療法を受けることになったきっかけや、支援内容についてお話しました。
作業療法士さんから教わった手先の巧緻性を向上させるための遊びについてはこちらをご覧ください。

これからも、ASDの長男との日常や、HSPである私自身の体験を通じて学んだことを記事にしていきたいと思います。


同じような境遇の方や、少しでも悩んでいる方にとって、参考になる情報をお届けできれば嬉しいです。

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