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肥満の子供の姿勢における体力と機能的身体能力の役割

▼ 文献情報 と 抄録和訳

体重過多・肥満の子供の身体姿勢における体力と機能的運動の役割

Molina-Garcia P, Plaza-Florido A, Mora-Gonzalez J, et al Role of physical fitness and functional movement in the body posture of children with overweight/obesity. Gait Posture. 2020 Jul;80:331-338.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

✅ 結論
体力と機能的動作は、過体重児の身体姿勢の改善と関連していた

[背景]
子供の肥満は、筋骨格系に深刻な影響を及ぼす身体姿勢に悪影響を及ぼすことが知られている。フィジカルパフォーマンスは、これらの子供たちの体の姿勢の適合性にプラスの役割を果たす可能性があるが、これまでにほとんど証拠がない。

[リサーチクエスチョン]
太り過ぎ/肥満の子供たちにおいて、身体的パフォーマンス(すなわち、体力と機能的動作)は、より良い身体的姿勢と関連しているか?もしそうであれば、身体的パフォーマンスは肥満度よりも身体姿勢の適合性を決定するものなのか?

[方法]
OW/OBの子ども62名(10.86±1.25歳、女子58%)を対象とした。BMI、体力項目(腕と脚の1回反復最大値(1RM)、ALPHAテストバッテリー)、機能的動作テスト(Functional Movement Screen™)、身体姿勢(二次元写真測量法)を評価した。

[結果]
体力要素と機能的動作は、全体的に頭部、腰椎、胸椎、下肢の姿勢がより整うことと関連していた。BMIは頭部の突出、胸椎の過前弯、腰椎の過後弯、下肢の回旋と関連していた。BMIは、頭部と腰椎の姿勢、前額面での下肢姿勢の心肺機能、矢状面での下肢姿勢の速度-敏捷性、胸椎の機能的動作を最もよく予測した。

[結論]
体力と機能的動作は、OW/OB児のグローバルな身体姿勢の改善と関連しており、筋骨格系の構造によっては、肥満度よりも優れた予測因子であることが明らかになった。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

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✅この結果から、「過荷重児→不良姿勢を認めやすい→将来の整形外科疾患率⤴」といった解釈もできるのではないかと思う。もちろん、解決策としては体重管理が一番と思われるが、過荷重児に特徴的な不良姿勢が把握できれば、そちらの方向からもアプローチが可能となると考えられる。

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話が少し逸れるが、”脂肪”に関して下記の記事がとても面白いので紹介する。

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