友達が 1人もいない 悩み事 ~ストレスの要因を見つけ出す方法~
私には友達が1人もいない。最近あることに悩まされている。ちなみに交友関係、己の人間性などといった根本的な部分は毎朝トイレに行くたびにオシッコがシンカーの軌道を描くためトイレが汚れるのと同じで生きていく上で解決しようがない悩みのためカウントしていない。私がもっぱら悩んでいるのは職場である立ち食いそば屋に毎朝訪れるある人物についてだ。
私は出勤のために毎朝5時という人間とは働かなければならないという世論に基づいた苦行とも呼べる時刻に起床するはめになっている。けたたましく鳴り響く目覚ましの騒音を耳が一瞬で不協和音判定を下し万年床でゆっくりと目を開き、最初に飛び込んでくるあらゆる電子機器の配線が男女のタコが愛し合っているかの如く絡み合っているのを見て自分が配線をそう仕向けたことを棚に上げおそらくその日の日本人で最も早くいら立ちを覚えている。
そんな億劫なエネルギーを兼ね備えたまま出勤し開店の準備に入る。私に与えられた時間はおよそ90分。その間に出汁を沸かし、おにぎりを握り、店を掃除して遅番の先輩が私に押し付けた仕事をミニ殺意を押し殺して片付けるとギリギリ間に合う。全て終わると開店までのわずかな時間をのんびりと過ごしたいのだがこの時間帯になるとある人物が現れ店の閉められたシャッターを思い切り叩くのだ。そしてこれは私が勤める少し前からずっと続いているらしい。
かつて早朝の担当だった先輩はこれを「破天荒な時報」と呼び時報が鳴ればそろそろ開店の時刻だと把握するといった幽鬼の如きメンタルを見せていたが、私はその謎の人物に風邪を引いたときの悪夢にも似た得体のしれない怖さを感じ未だに恐れおののき毎日寿命を分刻みで削られている感覚だ。一番てっとり早いのは叩かれた瞬間にシャッターを開きその人物を問い詰めることだが忘れてはいけないのはこの店のある場所が大阪という四捨五入するとほぼ銃社会とも呼べる治安である大都市の中でも5本の指に入るほどに拳がモノを言う街だということだ。
かつてタトゥーとピアスだらけの若者たちが罵りあいながらそれぞれが乗って来た自転車を交番の前で投げ合っている光景を生で目撃したときには、人生で初めてスタンガンの購入を検討したほどあるためこの街の人物の危険性は十分に分かっている。元来チワワですら狂犬に見えるほどに臆病である私は勝ち目のない戦いはしないという孫氏の兵法の名のもとに戦うことを放棄した。
そうなると一体何者なのだろうか?あまり考えたくはないがひょっとすると常連客の誰かなのかもしれない。なぜならそういった行為は相手の嫌がる反応を見て楽しむためにやることであってそうならばどんな店員がいるかを把握するために店に訪れていないとその底辺のエンターテイメントは成立しない。
「そんなことをやりかねない常連とは誰だ?」
その条件をもとに容疑者をピックアップしたのだが容疑者が20人ぐらいいた・・・この街はどうなってるんだ。
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