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ザイコフスキー名古屋セミナーで見た「希望」
土日の2日間で参加しましたが、素晴らしいセミナーでした。現地にいるからこそ感じられる会場の空気感、ザイコフスキー氏の在り方やステイトから得られるフィーリング、そして参加者の人たちとの交流。大雪の予報だったので当日も新幹線が動くか不安でしたが、現地に到着できたことが既にギフトでした。ザイコフスキー、主催・運営の方々および参加者の皆さんに感謝です。
セミナーのテーマは「守破離 武術から学ぶ叡智」。2日間を通して感じたのは、これは武術を介したコミュニケーションであり、人間理解であり、日々をどう生きるかという在り方全般の話なのかなと。
ザイコフスキー自身も
・今は個人主義が良くない方向になっているが、(相手への尊敬や思いやりが欠けた形で)個人が好き勝手主張すると争いが生まれる
・相手と自分の境界をなくして<私たち>という感覚を持つ
・そのためにはクリーンであること
・クリーンであるとは、相手に尊敬の念を持つことであり、自分がされて嫌なことを相手にしない
ということを言っていました。
特に、武術の動きを通して争いのない世界があることを教えてくれたことは、私にとって希望になりました。
人間、誰しも生きていれば心がくさくさすることがあります。しかし、セミナー終盤には、人間が持つ可能性を再発見でき、人生捨てたもんじゃないんだなと思い、将来への期待や明るい見通し、つまり希望が持てるような光が射したような爽快な気分になりました。
そして、ザイコフスキーがシェアしてくれる内容は、わかったふりをすることが本当に意味をなさない世界なので、時間が経つごとに成長・成熟に差が出るようなテーマだなと(ゆっくり時間をかけて育むものなので、速く成熟するから良い、というものでもないと思います)。
やったこと
・全体を通して強調されていたのは、呼吸、感受性、バランス
・土曜は寒さとの向かい合い方に始まり、相手の骨と筋肉を感じるワーク
・日曜は、全身に呼吸を通すことから始まり、筋膜を感じるワーク
※全体的にワークは非常にシンプルで、それ故に広さ(解釈の幅)と深さ(理解度)が半端なくて、人の数だけ受け取り方があるなと思いました。まさに参加者みんなで読み解く壮大で分厚い本という感じでした。難しいからこそ、面白いのです。
・寒さについては、体で寒さを感じてはいるが、マインドまで寒さに支配されないこと。全身をチェックし、寒さを感じる部分とそこまで寒くない部分があることに気づき、寒さを感じる部分に集中しすぎているならそれをやめる。寒く感じる部分に呼吸を通す
※普段のトレーニング場所が夜の公園なので、早速使えそうです(笑)
・骨を感じるワーク。「自分と相手の骨を感じる→自分の構造の状態をよくする(再構築)→相手の骨の弱い方向(並行ではなく垂直)に働きかける」。相手の骨を感じられた時、相手の支えとなっている骨を選んでそこに働きかけることもできる。その後、筋肉も同じように感じてワークする。
※感じようとすると感じられないので、相手に集中しすぎた時は他の参加者を感じるなど意識を外に飛ばすと結果的に自分の中のバランス・調和がとれる感覚でした。
・全身に呼吸を通すは、この後のワークを意味あるものにするためにとても大切なことだと言っていた。目一杯吸って、吐く。歩いてチェックしながら全身で呼吸をする
※呼吸に夢中になったり、雑念が出てきたりするので、そういう時は会場や床、他の参加者を感じるようにしました。とても自然に立ったり、歩いたりしている人を見ていると、自分にもそれが移ってリラックスする感覚がありました。
・筋膜を感じるワーク。骨、筋肉とやり方は同じ。グラップしてくる相手に触れられる前から、筋膜レベルで感じ続け、自分の構造を再構築することで、相手の構造は崩れる(相手の腕を掴もうとしたけど、強く掴む構造になれず、崩れてしまう)。コンタクトし続けていれば、自分が動くたびに相手も動く。
※終盤で、今回の主催者の方と組ませてもらいました。筋膜を感じた状態で動くとお互いの全身がどんどん緩まっていき、動かせているのではなく自分から動きたくなるような心地よさで、心は穏やかで平和で、時計的なデジタルな時間ではなく、正しく時が流れているような感覚でした。途中で間違っていることに気づいたら、落ち着いた自分に戻ってまたやり直せばそれで良いなと。
その感覚の時にザイコフスキーを見ると、内面のノイズのなさや静けさがより一層際立っている感じがして、なぜ争いが生まれないのか、この時わかった気がしました。
日常とのつながり
日常生活とのつながりも多く感じました。セミナー終盤に、できる・できないを超えた世界に触れられたような気分だったので、日常でも、まずトライして、自分が間違っていると思ったらそれに気づき、またやり直してトライすればいいだけなんだと素直に思えました。
あと、自分の筋膜を感じるとラクになったので、普段から実践できそうです。バランスを取り続けて自分が落ち着く場所に居続ける感覚や、全身に呼吸を通すことも普段からできますね。
ザイコフスキーが見せてくれたもの
ザイコフスキーとも組ませてもらいましたが、私より私を知っているなと思いました(笑)。私がザイコフスキーの手をグッと握った時に、「腹筋に力が入っている」と言われ、それを抜いたら「今度は背中の筋肉に移ったね」と言われ、次々言い当てられてドキドキしていたら、今度は「トゥンク、トゥンク、トゥンク…」って冗談っぽく言ってきて、何かと思ったら私の心臓の鼓動とシンクロしていたという(笑)。「私は相手の身体に何が起こっているのか正確にわかる」「だから相手を絶対にケガさせない自信がある」とも言っていました。
ザイコフスキーの中には確信があり、そんな彼が体現・表現する世界を私は良いものだと思っていて、自分の時間、お金、敬意を払っています。美しいものは美しいし、好きなものは好きなのです。今回、国内外からたくさんの人がセミナーに集まり、同じような仲間がいることは幸せなことだと感じました。それぞれの価値観を尊重して、争いのない世界になれば良いなと思います。
最後に。今回、大雪の影響で新幹線の遅れが見込まれたため、土曜はいつもより早起きでした。広島市内は今季初の積雪で、暗い雪道は空気が澄んで気持ちよかったですが、ずっと歩いていると世界で一人ぼっちになった気分にもなってきます。
少し心細さも感じながら、道路で始発の電車を待っていると、真っ暗闇から眩しいほどの光が凄まじい音を立てて近づいてきました。銀河鉄道の夜みたいな光景だなと思っていたら、作品とは異なり電車は満員でした。
私は満員電車が苦手なのですが、この日はたくさん人がいることに安心している自分がいました。そして列車の中で光と人と暖かさに包まれながらなぜか「今日は無事に名古屋に着けそうだし、良い日になりそうだな」という妙な確信がありました。
後から振り返れば、電車に乗る前のシチュエーション、ステイト、マインドの状態が普段と違ったから満員電車をポジティブに感じられたのだと分かりますが、1日の始まりから既に希望は始まっていたのかもしれないな、と。
そんなことを考えました。