【読書ノート】「世界でいちばんやさしい教養の教科書」 Chapter 2 哲学
はじめまして(^^)
【東大院生と音楽学生の読書ノート】第2回目のnoteです。
このnoteは,情報系を学んでいる東大院生まっちと、ピアノを弾きながら音楽を学んでいる音楽学生ぷーの読書録です。
音楽ばかりやってきて教養に自信のないぷーが,まっちに教えてもらいながら色々な本を読んで教養を身につけようと思い立ち,その中でアウトプットの実践練習,読書のモチベーションアップの一環としてゆるーくこのnoteを書いていきます。
ここで紹介する本をまだ読んでいない方にも,すでに読んだ方にも,楽しんで頂けたらうれしいです。
今回読んだ本
今回は前回に引き続き,「世界でいちばんやさしい教養の教科書」(児玉克順著, 学研プラス, 2019)を読みました。
前回のnoteはこちら↓
今回は「Chapter 2 哲学」をお送りします。今回は内容がボリューミーなので,内容の要約中心でお届けします。
人間は〈私〉をどう捉えてきたか
まっち(東大院生)「哲学ってどういうイメージがある?」
ぷー(音楽学生)「哲学は,論理力とか抽象的な思考が必要で,「初心者お断り」なイメージがあるなあ。私は高校まで触れたことがあまりなかったんだけど,大学の授業で唐突に出てきて,その時は本当に戸惑ったよ」
まっち「僕も哲学は他の学問と比べて別格の存在だと思うよ。この本での哲学はどうだった?」
ぷー「この本だと,哲学の歴史を『〈私〉をどう捉えてきたか』という観点から捉えていて,私でも考えやすい内容になっていたよ」
まっち「なるほど。それなら哲学の初心者でもとっつきやすそうだね」
ぷー「だけど,『哲学とは何か』について説明されていなかったよ」
まっち「へえ。それは哲学が一言では説明できないっていうこともあると思うけど…,もしかして,読者がお堅い『哲学』という学問を意識せずに『〈私〉をどう捉えてきたか』という問いについて考えることに集中できるように配慮しているのかもしれないね。いずれにせよ,『哲学とは何か』については,それぞれが哲学の歴史を学び,考えるなかで見つけていくものなのかもしれない」
本の内容の要約
※ここからは本の要約になりますが,エッセンスのみを抽出したものなので,これだけでは分かりづらいかもしれません。詳しく知りたい方はぜひ本を手に取ってみてください。
【近世・近代】
この節での内容
- ルネサンス
- デカルト
- 大陸合理論と経験論
- ドイツ観念論
ルネサンス
- 14〜16世紀にヨーロッパで興る
- 中世の神に服従する価値観に反抗
- 人間の個性・合理的な精神を尊重
デカルト
- 「我思う故に我あり」
- 心身二元論を生んだ
- 「私」の理性が学問の基準になる
大陸合理論と経験論
〈大陸合理論〉
- デカルトの考え方から派生
- 17世紀,主にヨーロッパ大陸のフランスを中心に確立
- 演繹法
〈経験論〉
- イギリスのベーコンやロックが考えた
- 帰納法
ドイツ観念論
- 18世紀にドイツで生まれた
- 大陸合理論と経験論の統合バージョン
〈カントのコペルニクス的転回〉
従来は,認識が対象に従うことから認識と対象が一致すると考えられていたが、カントは対象が認識に従うと考え,必ずしも一致するとは限らないと考えた。
〈ヘーゲルの弁証法〉
相反する二つの主張(テーゼとアンチテーゼ)から2つを統合した発展的結論(ジンテーゼ)を導く。そして,ジンテーゼを新たなテーゼとして繰り返すことで発展させるという方法。
【近代のまとめ】
【現代へ向けて(19世紀〜20世紀)】
「私」への疑いの始まり(19世紀)
- ニーチェの超人思想
「神は死んだ」
- 無意識の発見
フロイトとユングが発見。「私」とは私の精神すら思い通りにならない存在であること,そして,自己の中心は自我では無いということが解明された。
20世紀に世界大戦が勃発
- 西欧における価値観(近代合理主義・進歩主義)も疑われはじめる
【現代へ向けて(19世紀〜20世紀)のまとめ】
【現代】
実存主義
近代合理主義には無かった,世界との「つながり」を手に入れようという思想。
構造主義
近代合理主義では人が世界を操ることができると考えられていたのに対し,人が目に見えない「世界の構造」に操られているのではないかという考え。
自己と他者,精神と身体
自己と他者,精神と身体の間で明確な線引きができない。
アイデンティティ−クライシス
人は自分らしさの「モデル」が必要。しかしポストモダン状況(前回のnote参照)になり自分らしさのモデルが消失。
【現代のまとめ】
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まっち「なるほど。たしかに〈私〉に着目して哲学を俯瞰すると少し見えやすくなる気がする。これは哲学の初歩の初歩だと思うけど,ここから気になるところを深掘りしたり,別な観点で哲学を勉強したりする入り口としてすごくいいと思う」
ぷー「私は構造主義の考え方が面白かったな。目に見えない『構造』に人が操られてるだなんて」
まっち「そうだね。あと,〈私〉と向き合うっていうのは音楽に通じる部分もあるかもしれないよね」
ぷー「たしかに!哲学者で音楽が好きだった人が何人かいるって聞いたことあるし,今度音楽と哲学との関係について調べてみよっと」
執筆:ぷー,まっち
編集:まっち
次回は「世界でいちばんやさしい教養の教科書」Chapter 3 言語 をお送りします。
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