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2019年10月の記事一覧
こんな激情までなんとか形を整えようとか
流れ星が流れたとき、あわててお願いするの、いつも“しあわせになれますように”って、そんな漠然とした願いだった。かみさまも困っちゃうよね、ねぇ、しあわせなんて不確かで、曖昧なもの。
短い恋がぼんやり終わったりしました、ひとを大事にするとかひとに愛されるとか愛するとか、自分に自信が持てないとどうしてこんなに難しいんだろうと思う、それ以外しあわせなんてないような気さえするのに。
まるごと詩に
きみの泣き顔が見たいとか
踏んだことのないその表面の凹凸を、見たことのないその裏側の湾曲を、想像する。
うさぎの宴、星が映る飲み物の色や、重力を持つ食べ物の感触、真実なんてどうでもよくって、例えばひとりで本を読む痩せたうさぎは、かわいそうだから、存在しないことになりました。三日月、陰になったその隅から聴こえる鼻歌は、三十八万キロ先まで届かないのです。
孤独って、目に見えたりするんですか?
(散文『クレーターの真ん中