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彼らは怠惰なのか?それとも、自由人なのか?(日本文学編)



伊佐治修「この社会で働くことは、自分を裏切ることになるのではないか」  石川達三著『青春の蹉跌』

蜜三郎「働かないことで見えてくる、人間と社会の本質がある」 
大江健三郎著『万延元年のフットボール』

語り手「堕落せよ。堕落することによって人間は自由になれる」 
坂口安吾著 『堕落論』

「働かない」という言葉を聞いて、あなたは何を思い浮かべるでしょうか?怠け者?ニート?はたまた、自由な魂の持ち主?

日本文学には、実に様々な「働かない男」たちが登場します。彼らは単なる怠け者ではありません。社会の歯車になることを拒み、独自の生き方を模索する者たち。深い思索に耽る者たち。そして、既存の価値観に疑問を投げかける者たち。彼らの姿は、時に私たちを戸惑わせ、時に共感を呼び、そして時に強い反発を引き起こします。


本書の目的は、こうした文学作品に描かれた「働かない男」たちを通じて、日本社会の変遷と「働く」ことの意味の変化を探ることにあります。明治から令和まで、時代とともに変化してきた「働かない男」たちの姿を追うことで、各時代の社会が抱えていた問題や、人々の価値観の変化を浮き彫りにしていきます。


本書では、「働かない男」たちを8つのタイプに分類し、それぞれのタイプが顕著に現れた時代背景とともに分析していきます。



社会からの逃避者
思索する隠遁者
反社会的な批判者
夢追い人・芸術家タイプ
ニヒリスト・虚無主義者
パラサイト・引きこもりタイプ
放浪者・自由人タイプ
ボーダー型:働くことと働かないことの境界線上



各章では、それぞれのタイプを代表する文学作品と登場人物を取り上げ、彼らの「働かない」生き方がどのような意味を持ち、社会にどのような問いかけをしているのかを考察します。


本書は、文学研究書でも社会学の専門書でもありません。むしろ、文学作品という鏡を通して、日本社会の姿と「働く」ことの意味を探る試みです。「働かない男」たちの生き方に共感するもよし、反発するもよし。大切なのは、「働くこと」や「生きること」について、読者の皆さまそれぞれが、自分なりの答えを見つけるきっかけにしていただくことです。






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シリーズ化 予定




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