ブッダの生涯―ガンダーラ美術にみる

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ブッダの生涯―ガンダーラ美術にみる

　題名のとおり、ブッダの生涯を紹介した本です。
　同じような解説本は、いくつもあります。その中で、本書は、「ガンダーラの彫刻で、ブッダの生涯を解説」という点で、一歩、抜きんでています。

　ほぼすべてのページに、ブッダの生涯にまつわるガンダーラの彫刻が載っています。
　文章ばかりを読むのが苦手な人でも、大丈夫です。彫刻のキャプションを拾い読みするだけで、大まかに、ブッダの生涯を知ることができます。初心者にやさしい作りですね。

　おまけに、ガンダーラ彫刻の優品を知ることもできます。小さな美術書ともいえるでしょう。
　本書に載るのは、どれも、ガンダーラ彫刻の傑作です。モノクロの写真が多いですが、かえってそれが、石彫りの美しさを際立たせています。

　仏教の基本となる「ブッダの生涯」と、仏像というものを生みだした―他の地域で同時期に生まれた説もあります―ガンダーラ彫刻と、一冊で二種類の教養が身につく、お得な本です(^^)

　以下に、本書の目次を書いておきますね。

はじめに

一、釈尊の若き日々
　　燃燈仏【ねんとうぶつ】授記【じゅき】
　　托胎霊夢【たくたいれいむ】
　　占夢
　　ストゥーパ
　　誕生
　　御者【ぎょしゃ】と愛馬の誕生
　　七歩行
　　灌水【かんすい】
　　太子の帰城
　　占相
　　誕生の祝宴
　　宮参り
　　勉学
　　競技
　　妃選び
　　結婚の儀
　　納妃
　　宮廷生活
　　樹下観耕【じゅかかんこう】
　　四門出遊【しもんしゅつゆう】
　　出家の決意
　　息子・ラーフラ

二、道を求めて
　　出城
　　御者、愛馬との別れ
　　衣服交換
　　落髪
　　御者と愛馬の帰城
　　仙者訪問
　　ビンビサーラ王との出会い
　　苦行
　　苦行を捨てる
　　カーリカ龍王夫妻の讃偈【さんげ】
　　草刈人の布施【ふせ】
　　菩提座の準備
　　マーラの誘惑
　　降魔【ごうま】
　　成道【じょうどう】
　　四天王奉鉢【してんのうほうはつ】
　　梵天勧請【ぼんてんかんじょう】

三、教化の旅
　　五比丘との再会
　　初転法輪【しょてんぼうりん】
　　自分自身を探す話
　　火神堂内【かじんどうない】毒龍調伏【どくりゅうちょうぶく】
　　釈尊の帰郷
　　ナンダの出家
　　祇園精舎【ぎおんしょうじゃ】の寄進
　　帝釈窟【たいしゃくくつ】説法
　　マータンガの女
　　アータビカの帰依
　　猿の蜜の布施
　　幼児の布施
　　ブッダ長身測
　　白犬の因縁
　　火から救われたジョティシュカ
　　スマーガダーのジャイナ教徒改宗
　　スリグプタの招待
　　舎衛城【しゃえじょう】での奇蹟
　　三十三天よりの降下【こうげ】
　　ウダヤナ王の造像
　　デーヴァダッタの反逆
　　城壁での暗殺
　　酔象調伏【すいぞうちょうぶく】
　　十六人のバラモンの訪仏
　　アパラーラ龍王の帰依
　　死女が子を産む話
　　マーカンディカの申し出
　　女人の出家
　　アングリマーラの悔悛【かいしゅん】
　　マンゴー園の寄進

四、釈迦の入滅
　　涅槃【ねはん】
　　屍衣【しい】を着せる
　　納棺
　　泣き女
　　荼毘【だび】
　　舎利【しゃり】の安置
　　舎利分配
　　分舎利の帰城
　　造塔

あとがき