赤ちゃん列車が行く
何度でも言います。
ブルンヴァン(の著作)を読まずして、都市伝説を語ることなかれ!
この本の著者、ジャン・ハロルド・ブルンヴァンJan Harold Brunvand氏は、都市伝説研究の第一人者です。
都市伝説を語る場合、彼の著作を読んでいるか、いないかで、発言の重みが違ってきます。
もし、真剣に都市伝説を語るのに、「彼の著作を読んでいない」というなら、まともに取り合ってもらえなくても、仕方ありません。
『赤ちゃん列車が行く』は、日本語訳された彼の著作としては、第五作めです。
けれども、前の著作をまったく読まずに、最初に本書を読んでも、問題ありません。
本書には、あなたが聞いたことのある都市伝説、または、その都市伝説のバリエーションが、一つや二つ、載っているはずです。
きっと、「えっ! これって都市伝説だったの? 本当のことだと思った」という話が、あるでしょう。
以下に、本書の目次を書いておきますね。思い当たる言葉があったら、その部分だけでも、読んでみて下さい。
1 セックスとスキャンダルの伝説
「赤ちゃん列車」
「スーパーヒーローごっこ」
「ヘアドレッサーの勘違い」
「肉屋の悪ふざけ」
「とんでもない独身女性」
みだらな写真と忌まわしい歯ブラシの話
「ショッキングなビデオテープ」
2 怖い話
「空を飛ぶ夢」
「母親のあいまいな言葉」とほかの家庭の悲劇
「何かにくっついてしまう話三題」
「知らずに人間を食べた人たち」
「破裂するブラジャー」
「爆発する飛行機」
「失敗した自殺」
「心霊ビデオ」
「悪い知らせばかり」
「ジャージー・デビル」
「モスマン――大きな鳥かそれとも大空想か」
「道化のホーミィ」
「地獄へ通じる井戸」
「麻薬の怖い話」
3 罪と罰
またしてもやられた! フォークロアの教訓
毎年キャンパスで広まる怖い犯罪のうわさ
犯罪の犠牲者は語り、民俗学者は耳を傾ける
都市生活
現代の犯罪記録から
「ベッドの中の死体」
「車の下の切り裂き魔」
「偽の嘘発見機」
犯罪と地震
「腎臓泥棒」
4 職業に関する伝説
出世の決め手
「ナンキンムシの手紙」
「油井作業員の復讐」
「夫人の飛行機旅行」
人違い
「テクノロジー・コンテスト」
「ギヴ・ミー・ア・ハイ・スリー」
費用がかからない不動産の売り方
グリーンルームの話
モデム税のうわさ
ログオン用語とほかのネットの反応
5 お楽しみ
「一日で完成」
ツアーガイドの話
ゴルフの話
これらの作り話かなり古色を帯びる
バイカーの伝説
ジェネレーション・ギャップの話、時代と共に変わる
ジャズと付き合って
6 外国の伝説
文化の違いの伝説
難民、ミヤオ族の生活に慣れる
イギリスでの旅のトラブル話
でかしたぞ、オーストラリア人
低地国のほら話
フィンランドの都市伝説
シレジアの同輩
あのタイガの話を守れ
イタリアの最新の都市伝説
日本の都市伝説
7 動物の伝説
可哀相な動物の話と、ニューヨーク州ソルヴェイに猫が一匹もいない訳
ペットが獣医を嫌う訳
「愚かなペット救助」
モータウンのヒョウ(やほかの動物)は追跡困難
「ハンターの悪夢」
「空飛ぶ牛」
「伝道師と猫」
「サボテンの中のクモ」
「青物の中の蛇」とほかの奇妙な緑色のもの
本書には、巻末に、「都市伝説のタイプ別総索引」が付いています。
これは、とても便利です。ほとんどすべての都市伝説が、この索引で引けると言っても、過言ではありません。
都市伝説が好きな人、必携の一冊です。