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悲しい魔女―インドネシアの物語 (ちくま少年図書館 98 創造の部屋)


悲しい魔女―インドネシアの物語 (ちくま少年図書館 98 創造の部屋)

 インドネシアに伝わる民間伝承の物語を、紹介した本です。
 これらの話は、人々の間で語られるものもありますし、インドネシアの伝統的な影絵劇や舞踊劇として、演じられるものもあります。
 そういった物語を、日本人の私たちにもわかりやすいように、語り直したものが、掲載されています。

 インドネシアの物語を、日本語で読めること自体が、珍しいですね。
 しかも、本書は、全編、やさしい文章で書かれています。『ちくま少年図書館』シリーズの一冊なので、小学校の高学年以上なら、読める文章になっています(^^)

 本書は、一九八六年に出た本です。二〇一五年現在からは、三十年近くも前です。
 ですが、内容は、古びていません。ただ、本書は、現在、古本でしか、入手できません。

 インドネシアの物語の入門書として、本書は、ぴったりでしょう(^^)
 入門書として、日本人に理解しやすいように、工夫されているからです。
 「はじめに」の項で、インドネシアについて、必要最少限のことが、紹介されています。この知識があれば、多少、違和感があっても、インドネシアの物語を読み進むことができるでしょう。

 インドネシアの物語には、日本の民話や神話と、よく似ているものがあって、驚きます。
 はるかな昔、黒潮を通じて、インドネシアと日本とに、交流があったのかも知れませんね。このことは、民間伝承の研究者の間でも、話題になっています。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

はじめに

●民話から史実へ
 天人の羽衣
 ウィジョヨクスモの花

●稲をたいせつに
 スリ、サドノ姉弟の物語

●幼いものへ信頼をこめて
 ウィサングニの誕生
 川にすてられたチウン・ワナラ
 悲しい魔女チャロナラン
 シ・ガレガレの踊り

●ユーモアと生活の知恵
 カンチルとワニ
 森の王者
 カバヤンさん

●放浪と夢のあいだ
 ルトゥン・カサルンの恋人
 やさしい英雄ダマルウラン
 男装の王女パンジ・スミラン
 アンデ・アンデ・ルムトは待っている

物語のあとに



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