小池 宮音

こいけ みやねです。しがないモノカキです。 青春、恋愛、ヒューマンドラマを好んで書きます。 よぉしくおねしゃす!

小池 宮音

こいけ みやねです。しがないモノカキです。 青春、恋愛、ヒューマンドラマを好んで書きます。 よぉしくおねしゃす!

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  • スマイル・アゲイン

    恋愛小説。 1話~最終話までまとめてます。

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落選作品を晒します

はじめに初めましての方もそうでない方も、どうも、小池宮音です。しがないモノカキです。初めてnoteを使用します。使い方が分からず戸惑ってます(笑)読みづらかったらすみません💦 さて、なぜnoteを書こうと思ったのか。実はとある文学賞に応募した作品が一次選考、二次選考を通過し最終候補に残ったものの、受賞には至りませんでした。これはまぁ受賞せんやろ、と思っていましたので、逆に最終候補に残ったことが驚きの作品でして。 そんな作品を、晒そうと思います。 「こんなのが最終候補に残

    • 2024/9/28(土)BUMP OF CHICKEN京セラドーム公演「Sphery Rendezvous」ライブレポート(非公式)

       はじめましての方も、そうじゃない方も、どうも、小池宮音です。  普段は小さな事務所で事務員をやりつつ、所属する音楽隊でフルートとピッコロを吹いて、物語も書いてるモノカキです。  多才だなんてそんな……一度しかない人生を謳歌しているだけです(黙)  えー、久々にnoteに触れたのはですね、先日行われた『BUMP OF CHICKEN TOUR 2024Sphery Rendezvous』の京セラドーム公演(1日目9/28(土))のライブレポートを書き起こしたいと思いまして、

      • 小説を書く人が答える小説に関係なさそうでありそうな50の質問

        Q.1 一番好きな飲み物を教えてください。  三ツ矢サイダー Q.2 一番好きな食べ物を教えてください。  ハヤシライス Q.3 苦手な食べ物を教えてください。  なす、グリンピ、なす、なす、なす← Q.4 なにか集めているものはありますか?  本かな。集めてるっていうよりは、集まっちゃう?(笑) Q.5 最近一番びっくりした出来事を教えてください。  実家で犬を飼い始めていたこと。事前に教えてくれなかった。 Q.6 好きなアニメがあれば教えてください。  『ジョゼ

        • 小説を書く人に100の質問

          皆のすなる『100の質問』といふものを、我もしてみむとてするなり。 Q.1 筆名(ペンネーム)を教えてください。  小池宮音です。下の名前で呼ばれたい(希望) Q.2 筆名の由来は?  小池は旧姓と現姓の混在。宮音は本名と音楽の混在。イコール半分本名。 Q.3 主にどんな小説を書いていますか?(長編・短編・掌編など)  最近は掌編や短編が中心ですね。 Q.4 主にどんなジャンルの作品を書いていますか?  青春、ヒューマン、恋愛。青春が多めかも。 Q.5 作品はどこか

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        • スマイル・アゲイン
          12本

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          スマイル・アゲイン 第12話(最終話)

           翌日、ココアを買いに来た守永さんに直接謝罪しようと思っていたのに、今日は休みなのか、コーヒーショップに来なかった。  莉衣菜ちゃんにはバイト終わりに時間を貰って、両親と妹がもういないことを打ち明けた。彼女は話を聞きながらみるみるうちに目に涙を溜め、長い睫毛を1回伏せただけで零れ落ちた。 「さくらちゃんはひとりじゃないよ。莉衣菜がいるから大丈夫だよ」  そう言って小さな身体でわたしを強く抱き締めてくれた。胸が温かい気持ちになり、わたしも少し泣いた。  大切な人が増えていくこと

          スマイル・アゲイン 第12話(最終話)

          スマイル・アゲイン 第11話

           静かな場所で話したいということで、近くのカーテンで仕切られた半個室のカフェに来た。お腹も空いていたので、先に腹ごしらえをする。  わたしはオムライス、羽原君はクリームパスタ。  壁に小さなテレビが付いていて、灰色のネコと茶色のネズミが追いかけっこをしているアニメが無音で流れている。 「…………」  わたしたちも無言で、それぞれの料理を口に運んでいた。  なにを考えているのだろう、と気になって目の前の羽原君を盗み見る。彼は自分のクリームパスタに、見てるようで見て無さそうな視線

          スマイル・アゲイン 第11話

          スマイル・アゲイン 第10話

           わたしがひよりの闘病生活について話している間、守永さんは静かに話を聞いていた。  ひよりの最期までを話し終えて、部屋の中が雨音だけになっていることに気が付いた。いつの間にかテレビが消されている。 「ひとつ救いだったのは、鎮静剤をかけることなく、意識がある状態で看取れたことです」  雨音が響く部屋の中で、沈黙が降り立った。  もう話すことがなくなり、隣に座る守永さんを見ると、彼は優しい目で微笑んでローテーブルに置いてあった箱ティッシュを静かに引き寄せた。  同時に目から頬にか

          スマイル・アゲイン 第10話

          スマイル・アゲイン 第9話

           異変を感じたのは、両親の四十九日が終わって数日経ってからだった。 「お姉ちゃん。鼻血が止まらないんだけど」  その日は日曜日で、妹のひよりは朝から鼻血が止まらないまま、3時間になろうとしていた。 「え、大丈夫?」  さすがに3時間も止まらないとなると、心配になる。7分袖から覗いた腕を見て、わたしは眉をひそめた。 「ひより、脚見せて」 「え、なに?」  その場に座らせて履いていたジャージの裾を捲る。  腕にも脚にも、いくつかあざが出来ていた。  翌日、ひよりは高校を休ませ、わ

          スマイル・アゲイン 第9話

          スマイル・アゲイン 第8話

          「もうワンちゃんは大丈夫ですか」 「はい、その節はお世話になりました」 「全然。あ、いつものお願いします」  午前7時半。白いユニフォームを着た守永さんがカフェにやって来た。今日もアイドルのような顔で爽やかさマックスだ。 「はい、ホットココアSサイズひとつですね」 「うん。ごめん、いつか『いつもの』って言いたくて……」 「大丈夫です。少々お待ちください」  えくぼをへこませて恥ずかしそうに笑う守永さんに、わたしは営業スマイルで対応した。レジで支払いをしている間に、注文のドリン

          スマイル・アゲイン 第8話

          スマイル・アゲイン 第7話

          『明日から1泊2日でセミナーがあるので、さくらさんのココアが飲めません……出張ココア、やってくれませんか?』  一緒にラーメンを食べてから2週間。  守永さんとはメッセージでのやり取りも増え、とてもいい関係が続いていた。  守永さんは明日から他県へ出張に行くらしい。そうか、明日から2日間、守永さんには会えないのか…… 『念力で送っておきます。泊まりがけのお仕事、頑張ってください』  返信して、自室のベッドに寝転がる。あとは寝るだけという午後11時。床には座布団の上でつぼみが丸

          スマイル・アゲイン 第7話

          スマイル・アゲイン 第6話

           午前11時。客足が減ったとき、朝会話を交わした放射線技師が再びカフェに入ってきた。 「さくらさん」 「守永さん? 珍しいですね、1日2回も来るなんて」  そう言うと、彼は「さくらさんに来客です」と後ろを振り返った。廊下からこちらに歩いてくる2人を見て、私は「あっ」と小さく驚いた。 「白石さん」  ひとりはこの前守永さんと一緒に院内案内をした、盲目の白石健三さんだった。背の低い女性の肩に手を置いて歩いてくる。その女性は70代くらいだろうか。雰囲気が白石さんに似てるから奥さまか

          スマイル・アゲイン 第6話

          スマイル・アゲイン 第5話

           満開に咲いた土手沿いの桜並木を、小さな生き物と一緒に歩く。ときどき風が吹いて桜の花びらがヒラヒラと舞った。彼女は落ちている花びらの上を堂々と歩き、ときどき隣のわたしを見上げる。躾たのは母だった。  今日はバイトが休みの日。午前10時につぼみの散歩に出かけた。春の陽気な暖かさが身体を包み込み、誰かに抱き締められているような錯覚さえ覚える。 「つぼみがうちに来てもう10年かぁ」  ボソッとなんの気なしに呟くと、隣の犬は『つぼみ』と聞いてしっぽを振りながらわたしを見上げた。彼女は

          スマイル・アゲイン 第5話

          スマイル・アゲイン 第4話

          「さくら。犬の毛付いてんぞ」  翌日午前6時ちょっと前。出勤早々、羽原君がわたしの肩に触れて、白く短い毛をつまんで見せてきた。 「嘘。コロコロして出たのに……」 「背中にも結構付いてる。コロコロ持ってねぇの? 取ってやるよ」 「ロッカーにある。ありがと、助かる」  バックヤードに戻り、女子更衣室のロッカーからコロコロを持ってきて羽原君に渡す。背中を向けてコロコロされていると、「おはようございまーすってあーっ! 店長セクハラぁぁぁ!」と莉衣菜ちゃんが声を上げてわたしと羽原君の間

          スマイル・アゲイン 第4話

          スマイル・アゲイン 第3話

           翌日午後1時。わたしの仕事は終わり、最後にゴミを捨てに行くため、地下のゴミステーションに来ていた。  病院のゴミステーションは燃えるゴミやプラスチックゴミなどの一般廃棄物のほかに、注射針や注射器などの医療廃棄物というように細かく分類されている。わたしは右手に燃えるゴミ、左手にプラスチックゴミの袋を持っていたので、それぞれの指定の場所に置いた。  さて、着替えて帰ろうかな。  バックヤードに戻り、女子更衣室で着替える。ここの制服は上下は自由で、支給された茶色のエプロンを着用す

          スマイル・アゲイン 第3話

          スマイル・アゲイン 第2話

          「あ、おはよう、ございます……ホットココアの、え、Sサイズ、ひとつ、お願いします……」  翌日、朝6時半。いつものように守永さんがココアを買いにやってきた。ただ、今日の接客は莉衣菜ちゃんでわたしはレジだ。守永さんは莉衣菜ちゃんに対してしどろもどろで注文をしていた。  注文を終えた守永さんは、先にお会計を済ませようとレジ前までやって来る。 「あ、さくらさん……」  目が合ってあからさまにホッとした顔をされて、わたしはいつもの営業スマイルで守永さんを迎えた。 「おはようございます

          スマイル・アゲイン 第2話

          スマイル・アゲイン 第1話

           香ばしいコーヒーの匂いを嗅ぐと、カフェインを体内に取り入れたわけではないのに、なんとなくシャキっとする。 「お待たせしました。熱いのでお気を付けくださいませ」  熱いエスプレッソの入ったカップを白衣姿の男性客に手渡すと、彼は「どうも」と言って受け取り、白衣を翻して去っていった。  時刻は朝6時半。東京にある飛鷹総合病院1階のテイクアウト専門のコーヒーショップで、わたしは朝6時から働いていた。  ここは病院内にあるため、入院患者やお見舞い客、看護師や医師など色んな人が利用する

          スマイル・アゲイン 第1話