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29歳無職は原付に跨り北海道へ向かった
2024年9月2日。朝8時に鎌倉を出発して向かうは茨城の大洗港。50ccのリトルカブに乗って、北海道へゆく。1か月かけて道内を周り尽くす一人旅だ。
平日の東京を駆け抜ける無職。目的地の大洗港までは、出発地の鎌倉から下道で181kmある。原付の法定速度は時速30km。信号無視しても6時間以上かかるのは確実だ。横浜、川崎を通り過ぎて東京に突入。今日は平日、私は無職。信号待ちのサラリーマンを横目に、劣
500円宿に泊まり、300円温泉に浸かる最高の夜
船からの朝日が見たくてAM4:30に起床。曇りでなんも見えなかったので二度寝。起きたら9時で、船内には午前中の光がキラキラと差し込んでいた。
▼前回までのあらすじ
顔を洗って、首にタオルをかけたままフラフラと船内を歩く。みんな、海を眺めたりトランプをしたり売店を物色したりと思い思いに過ごしている。甲板に出ると気持ちいい秋の風が吹いていた。
昨日より少し涼しい。北海道が近づいているんだ。
下船
帯広の0円宿に泊まる【本当に無料だった】
列車に差し込む朝日で目が覚める。AM7:00、ピチピチと鳥の声が聞こえて気持ちのいい朝だ。
▼前回までのあらすじ
さあ行くんだ、その顔を上げて顔を洗って、旧富内駅の周りや廃線沿いを散歩する。少し歩くと、空に向かって伸びる線路を見つけた。これはなんだろう。
諸説あるが、どうやらこの線路は富内線が廃線になった際に作ったオブジェだそうで、当時の村長が「銀河鉄道が宇宙とつながる線路」として発案したら
1泊4,800円宿の夕食がヤバい【北海道旅3日目】
原付でゆく北海道旅、3日目の朝は小雨。カブで走っているとミスト状の雨が顔に当たってびしょびしょになる。愛しのセコマで腹ごしらえして、向かうは釧路。
▼前回までのあらすじ
9月の北海道は、ちゃんと秋だ。気温も、湿度も、匂いも秋を感じる。ここ数年で秋の切なさを心地よく感じられるようになった。大人になった証拠だ。無職だけど。
廃墟ライダーハウスに惹かれて帯広から釧路に向かう道の途中で、2軒の廃墟ラ
地図を捨てたら過去最高の夕陽に出会えた
カモメの声で目が覚める、釧路の朝。昨日は北海道の海の幸をたらふく食べて、寝袋に滑り込むようにして爆睡したっけ。原付でゆく北海道旅4日目、今日の目的地は根室。日本の最東端だ。
▼前回までのあらすじ
ぶりんぶりんの生牡蠣からスタートまずは釧路和商市場へ。お目当ては釧路で採れた「仙鳳趾産牡蠣」。ここではぶりんぶりんの大きな牡蠣が1個300円~食べられる。せっかくなので、2種類の牡蠣を食べ比べてみる。
蟹を食べれば宿泊無料!?激渋ライダーハウスに泊まる
リトルカブでゆく北海道旅、4日目の宿は根室の「インディアンサマーカンパニー」。日本最東端のライダーハウスだ。
▼前回までのあらすじ
インディアンサマーカンパニーの特徴といえば、併設するノサップ産商で花咲ガニを注文すると無料で宿泊できるということ。正確に言うと、同施設で2,800円以上買い物をすると宿泊できるということなのだが、やっぱり根室なので花咲ガニを注文する人が多いみたい。花咲ガニは1杯2
旅人よ、カッコ悪くあれ。
最東端のライダーハウスで目覚める朝。同じ部屋で寝ていた彼らはすでに出発の準備をしていて、おいてけぼりにならないように私も体を起こす。
▼前回までのあらすじ
日本の最東端・納沙布岬へ原付でゆく北海道旅5日目、まずは日本最東端の納沙布岬へ。ライダーハウスで知り合った2人も行くそうで、現地で会う約束をして先に出発する。彼らは中型と大型のバイクなので、原付バイクが同じ時刻に出たら確実に置いて行かれるの
1,850円で個室宿泊+温泉+漫画読み放題の天国へ
原付でゆく北海道旅6日目。朝日で暖まり始めたテントの中で目を覚ます。
▼前回までのあらすじ
日本一奇妙な地形の「野付半島」へ顔を洗って、歯を磨いて、尾岱沼の周りを散歩する。カラッとしていて気持ちのいい朝だ。
昨晩助けてくれたお姉さんたちに別れを告げて、まずはセコマで腹ごしらえ。ここ数日野菜不足だったので、サラダを買って駐車場でぼりぼり食べる。
まずは野付半島へ。昨日ぼんやり地図を眺めていて
1泊300円のライダーハウスに泊まる夜
北海道旅7日目、エアマットの空気がだんだん抜けていく夢を見た。起きたらかったい床の上で寝ていて、エアマットの空気はすっかり抜けていた。正夢だった。
▼前回までのあらすじ
青い池より綺麗な「神の子池」へ今日の天気は快晴。クリオネキャンプ場を出発して、神の子池に向かう。北海道のライダーいわく、神の子池は道内で一番心が清らかになる場所なんだとか。その絶景を一目見るべく、小さなカブを走らせ青空の道東を
紋別は、誰かの人生に少しだけ触れられる街だ。
原付でゆく北海道旅8日目。エアマットに小さな穴が開いているのを見つける夢を見る。「ここを塞げばいいのか!」と大喜びしたところで目が覚めた。相変わらずエアマットはぺしゃんこになっていて、今日もかったい床の上で朝を迎えた。
▼前回までのあらすじ
廃駅の列車で目覚める朝昨日は紋別郡湧別町の「計呂地交通公園」の列車に泊まった。初日もこうして廃駅の列車で眠ったが、列車で寝るというのはやけに落ち着く。そし
激安テントでソロキャンデビューしてみたら…
原付でゆく北海道の旅9日目。深夜、テントの中で寝ていると、何かが顔にパタパタと当たる感覚があった。夢か現かわからないまま目を覚ます。
▼前回までのあらすじ
……テントだ。
信じられないほどの強風にテントが煽られて、テントが自我を失っている。風にしなって三角テントがほぼぺしゃんこになっている。熟睡している私の頬を優しくなでていたのは、テント側面の布だった。
ソロキャンデビュー初日に散々である
海の匂いが変わる瞬間。
原付でゆく北海道の旅10日目。AM6:30起床。クッチャロ湖のそばに立てたペラペラのテントで10時間も眠っていた。
腹ペコだったのでセコマでエビラーメンを買って、近くの公園で食べる。キャンプ場に戻って、湖のほとりで蔵生(旭川のなまらうまいクッキー)をむしゃむしゃ。贅沢な朝だ。
▼前回までのあらすじ
これぞ北海道!地平線へと続くエサヌカ線お腹が満たされたので、いざ出発。今日はよく晴れている。ク
賛否両論の「みどり湯」に泊まってみた
原付でゆく北海道旅10日目、最北端の宗谷岬に到達した私は稚内に向かった。お目当は、"賛否両論のライダーハウス"として有名な「みどり湯」だ。
▼前回までのあらすじ
ライダーハウス「みどり湯」って?みどり湯とは、日本最北端の街・稚内にある銭湯だ。創業から60年以上経っており、このさむーいさむーい稚内で、昔から地元の人々の体を温めてきた。そんなみどり湯の隣に5~9月限定でオープンするのが、ライダーハ
夕陽は沈んでからが本番だ【北海道旅11日目】
原付でゆく北海道の旅11日目。稚内のライダーハウス・みどり湯で目を覚ます。駐輪場には私のバイクしか残っていなくて、昨晩肩を組んで歌ったみんなはもう出発したようだった。
▼前回までのあらすじ
穴場観光スポット!?赤レンガ通信所稚内で絶対に行きたい場所があった。計呂地で出会ったライダーが教えてくれた、旧大湊海軍通信隊稚内派遣隊幕別送信所跡(通称:赤レンガ通信所)だ。
ここは太平洋戦争の遺構で、こ