#38:アフガンは干ばつ、経済崩壊、飢餓で飢きんの瀬戸際に〜中村哲先生の実践〜🌍
この記事でお伝えしたいこと、わかること
・アフガニスタンの現状
・中村哲先生の実践
・一隅(いちぐう)を照らすとは
今回はアフガンの現状をシェアするとともに、僕が感じたことや考えたことも書かせていただきます。
きっかけはトンガの噴火に対する支援について話し合っていた際に聞いた話でした。
「トンガにはきっとこれから必要な支援は行き渡ると思う。でも、世界にはまだ支援が必要な国がたくさんあって。その一つがアフガニスタン。」
アフガニスタンと言えば、
昨年2021年に政権交代したことが記憶に新しいですね。
まずはじめに、アフガニスタンの現状について、
シェアしたいと思います。
アフガニスタンの現状
参考にしたのは、
国連WFPの記事からになります。
干ばつ、経済崩壊、飢餓により、アフガニスタンは飢きんの瀬戸際にいます
https://ja.wfp.org/stories/ganhatsujingjibenghuaijieniyoriafukanisutanhajikinnolaihujiniimasu
UNDP(国連開発計画)によると、
2021年8月以降政権崩壊に続いて国際的な制裁とアフガニスタン中央銀行の資産凍結が行われた結果、
経済が崩壊し、人々は職を失い、給与が支払われず、貯蓄を利用することもできなくなったそうです。
これはほぼ一夜で起きた出来事のようです。
お金が動かないという人為的なことで人々が困窮していくという事態に陥ったと言えます。
それ以前に、1,100万人のアフガニスタン人が、長年の干ばつ、紛争、新型コロナウィルスのために、すでに食料不安に陥っていたとのことで、
現在、人口の55%に当たる2440万人が食料や保健分野などの人道支援を必要としているという状況です。
具体的には、干ばつや燃料価格の高騰により小麦の価格が高騰し、主食の一つであるパンは多くの人にとって高価なものになっているとのことでした。
アフガニスタンに生涯を賭けた中村哲先生
このような現状のアフガンですが、
65万人の命と生活を救ったと言われている日本人がいます。
ご存知の方も多いかもしれませんが、中村哲先生です。
2019年12 月、アフガニスタンで武装勢力の襲撃を受け、命を落とすまで、生涯をかけてあるべき支援の道を模索し、アフガニスタンの人たちに寄り添い、自ら実践する姿でその道を示されました。
中村哲先生の姿に、
今後このような課題にどう向き合っていくべきか、そのヒントを見出したいと思います。
中村哲先生は医師として、
1980年代からパキスタンやアフガニスタンで医療支援を行ってこられたそうです。
2001年のテロ以降のアフガニスタン情勢を鑑みて、
現地で干ばつによる食料不足に苦しむ多くのアフガニスタンの人たちを救うため、独学で土木技術を学び始めます。
そして、2003年からは用水路の整備や農地の再生への取り組みを開始します。
作物を作るのに必要な水を川からひき、余った分は川に返す循環型のシステムで、砂漠のように乾いて荒れていた農地に緑をよみがえらせました。
砂漠の地に水が流れ、緑の農地が再生されること、
それは、まず最初の人々を救う道だったんだと感じました。
「緊急のアフガニスタンの問題は、政治や軍事問題ではない。パンと水の問題である」
こう語られていたそうです。
用水路の整備や農地の再生への取り組みに関する中村先生の動画↓
https://www.youtube.com/watch?v=kjk3lgS7_1g
一隅(いちぐう)を照らす
中村先生が生前好んで使ったのが「一隅を照らす」という言葉だったそうです。
これは一隅を照らすと。世界中を豊かにするだとか、全人類を救うだとか、そういうことではなくて、一隅、自分の身の周りから照らしていってください、これが何より国の宝ですよとこういうことなんですよね。
自分がいまいる場所や立場で、自分にできる精いっぱいのことをする。
出典:NHK WEB特集 65万人の命を救った日本人医師
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211208/k10013377861000.html
現状のアフガニスタンには、
・政治
・軍事
・経済
・食料
などで様々な課題を抱えています。
どうしてこのような課題を抱えるに至ったのか?
NHKウェブサイト「アフガニスタン政権崩壊 このあとどうなる?」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210820/k10013214021000.html
の内容から考えてみたいと思います。
アフガニスタン情勢に詳しい東京外国語大学の登利谷正人講師によると、
「崩壊した政権は反タリバンの軍閥が寄り集まる形で成立したもので、汚職や腐敗がはびこり、多額の援助が入っても一部の人たちが独占するような状態というのが続いていた。さらに内部の権力闘争も続いていた」
とのことでした。
これは前政権が深刻な機能不全に陥っていたことを示しています。
ここでこれらの結果を招いた原因を考えたいと思います。
1.分断と対立
→崩壊した政権は反タリバンの軍閥が寄り集まる形で成立したもの
2.汚職や腐敗
→汚職や腐敗がはびこり
3.富の独占
→多額の援助が入っても一部の人たちが独占するような状態
4.権力闘争
→内部の権力闘争
これらは、すべて自分(たち)さえよければ後はどうでもいいというエゴの想い(悪想念)が招いた、人間の行動によるものではないでしょうか。
もちろん、すべてのアフガンの方達が、
「分断と対立」「汚職や腐敗」「富の独占」「権力闘争」の中にいるとは思いません。
むしろ、多くの人々は平和と安定を望んでいるのだと思います。
実際に現状を良い方向に導こうとされている、中村先生の現地での活動を支援してきた、福岡市の国際NGO、ペシャワール会のような方たちもたくさんいらっしゃるのだと思います。
しかし、先ほどの1.2.3.4.等の要因が引き金となって、
・政治不安
・軍事問題
・経済破綻
・食料不足
が実際に起きているのも事実ではないでしょうか。
政治、軍事、経済、食料などは、
本来人々の平和や安全、安心や豊かさ、つまり幸せであるためにあるものです。
本来と真逆の結果を生み出しているということは、
その原因を追求し解消するしかないのだと思います。
ここで僕の一意見としまして、
原因と結果、その解消方法について考えてみたいと思います。
【原因】
自分(たち)さえよければ後はどうでもいいというエゴの想い(悪想念)
【結果】
「分断と対立」「汚職や腐敗」「富の独占」「権力闘争」
↓
「政治不安」「軍事問題」「経済破綻」「食料不足」
【解消方法】
一隅を照らす:
自分がいまいる場所や立場で、自分にできる精いっぱいのことをする。
アフガニスタンの人たちだけでなく、
僕たち日本人や世界の人たち同士も協力する。
最後に
このような課題を抱えているのは、
アフガニスタンだけではありません。
イエメン、ブルキナファソ、エチオピア、シリア
などでも、よく似た課題を抱えているのが世界の現状です。
僕はこの課題に対して、
幸せであるために必要なものが必要とされる人みんなのところに行き渡る世界。
の実現が一つのゴールであると考えます。
地球は僕たちが生きていくために必要なものはもう充分与えてくだすっているのだから、
あとは「僕たちが一隅を照らし合えるかどうか」にかかっています。
最後に中村先生が残された言葉で締めくくりたいと思います。
水が善人・悪人を区別しないように、誰とでも協力し、世界がどうなろうと、他所に逃れようのない人々が人間らしく生きられるよう、ここで力を尽くします。内外で暗い争いが頻発する今でこそ、この灯りを絶やしてはならぬと思います。
出典:NHK WEB特集 65万人の命を救った日本人医師
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211208/k10013377861000.html
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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