ナッツで認知症のリスクが低下する!?
概要
ニューズウィークの記事で紹介がありました。
GERO SCIENCEによると、スペインとポルトガルの研究者たちが、ナッツの摂取が認知症リスクの低減に、強い関連性があることを突き止めました。
成人5万人に対して、最初の評価から7年の追跡調査を受けた40〜70代の結果は以下の通りです。
毎日ナッツを食べた人の認知症発症リスクが12%低い。
1日一握りのナッツでは16%低い。
無塩の方が、有塩よりもリスクは低下しやすい。
これは、観察研究なので原因を突き止める研究では無いことから、その因果関係については追及されてはいません。
ただし、以前アルツハイマー型認知症では、リソソームの酸性度回復が改善の肝となるとお話しました。ここから考えると、ナッツ類にはアルツハイマー型には有効なのか?と言う疑問は生じてきます。
別の角度で考えれば、アルツハイマー型以外には有効と考えることも可能となります。
中国医学でのナッツ
日本では、クリ・ぎんなん・ハスの実もナッツ類に含まれるようなので、その3種の中医学における効果を併記しておきます。おまけに、中医学では、脳と言えばクルミ!と言われるほどなので、合わせて簡単にご紹介します。
蓮子肉(レンシニク)
ハスの肉ってなると、レンコンの方が想像してしまう方もいるかも知れませんが、蓮子肉はハスの実から芯を除いたものです。
基本的な効果は、「出るものを抑えて、元気にして気持ちを落ち着かせる。」ことにあります。
頭の興奮などによる不眠・心臓のドキドキ・下痢・オリモノ・尿もれ・早漏・疲労などに使用できます。
中国だとお粥に入れたりします。
蓮子心(レンシシン)
蓮子の実の中にある胚芽。清心安神、交通心腎、澀精止血。
気持ちを楽にさせる作用があることから、リラックスのお茶として飲まれていることがあります。
ハスは、レンコンの部分、オシベ、花を支える花托、葉っぱ、茎なども薬に使われます。
ギンナン(白果)
白色は肺に入り、呼吸器や体の上部での水源になると言われ、呼吸器疾患や水の代謝に使われます。
ギンナンは、咳やぜんそくを抑え、トイレの回数を減らして、虫下しの作用をする生薬です。
日用本草では、食べすぎると気が滞り、動きを悪くして動風(脳卒中のような症状やケイレンなど)をするとあります。
クリ
日本では、一般的に和栗と中国の甘栗の分類があります。
胃や消化を整え、腎を補い、血行をよくしながら止血をし、咳をとめて痰を取り除くと認識されています。
ただし、「血行をよくしながら止血」は矛盾した作用なので、怪しいと言えば怪しいです。ただ、ある本では生でクリを食べると止血ができることから、その効果はありそうです。
腎の気を補うことから、腎の病の場合に食用するのが適当とされています。さらに、足腰の動きが悪い状態に対し有効とされています。
これは、「膝や腰が腎と関係あるよ」、という言葉の習わしから来ています。
クルミ
腎を補い精気を固め、肺を温めてぜんそくを押さえ、腸を潤し、石を出す。
クリでも出てきましたが、腎は生殖機能の意味合いもあれば、脳脊髄と関わるとされているので、脳に働くよね!って考えられています。
さらに、クルミの形状が脳みそに似ていることから、形が似ているものを取ると良い的な話で使用されています。
ナッツ類は油分を含むことから、便通が良くなるともされています。
信じるか信じないかは、なんとやら。