「旅の終わりのエモーション」
旅する日々は、時がゆるやかに流れて行く。まるで起きて見る夢のよう。あわただしい日常に戻りたくない。
九月十日、きれいな夜景を見せたいからと、車を走らせてくれたのは義弟夫婦。二人は中学からの同級生。結婚し、子宝には恵まれなかったけれど、いつみても仲がよく、二人は磁石のようにくっついている。
ポッツオリに住む夫の親族は結束が固い。惜しみなく助け合い、どのようなことも自分のことのように心配する。
私が病気の時も、何度も電話をくれ、もっと近くにいたらすぐに飛んでいけるのに、く