ハンドメイド作家の試行錯誤18年間(中編 vol.4)はじめて企業相手の展示会に出た話
こんにちは金曜お昼になりました。手芸作家兼若手イラストレーターの展示をメインとしたギャラリーを運営している大図まことです。イラストレーターとハンドメイド作家のための「仕事とお金の授業」44回目となる今回は前回の続きではじめて企業相手の展示会(ギフトショー)に出展したときの話です。
当時の私は手芸作家として独立したはいいものの手芸本の出版以外はデザインフェスタなどのイベントで作品を売ったり刺しゅうのワークショップを開いたりして個人のお客さんからその都度お金をもらってなんとか暮らしていました。台東デザイナーズビレッジにアトリエを構えたことによりビジネスとして成長していくためには企業相手の展示会に出ることが近道だとインキュベーションマネージャ―(村長)からアドバイスをもらい出ることにしました。
手芸の展示会といえばホビーショーが有名ですがそちらはハンドメイドの材料販売がメインの展示会です。以前のnoteでも書きましたが独立してすぐにハンドメイド業界で食べていく事は出来ないとわかっていたので雑貨の展示がメインのギフトショーに出ました。
このnoteを読んでいるハンドメイド作家やイラストレーターの方が出展することが出来る企業相手の展示会はギフトショー以外にも大きなものがいくつかあります。そちらに関しては前回のnoteの有料部分にオマケして記載しています。興味のある方は是非チェックしてみてください。
手芸作家を名乗りつつもハンドメイドでは食べていけないと気づいた私はTHE MINT HOUSEという雑貨ブランドを起ち上げ2010年秋初めてギフトショーに参加しました。ブースにはハンドメイドで作るには時間が掛かって価格が合わないので工場の機械で量産したポップな刺しゅう雑貨を中心にラインナップを揃え並べました。
※どうやって量産する工場を見つけたかなどはこちらに書いています。
こちらが初めて参加したギフトショーで配布した当時のチラシです。デザインはkareraのしょうじさんにお願いして可愛く作ってもらいました。
はじめて出展した企業相手の展示会の結果はというと大成功でした!有名なセレクトショップやミュージアムショップなど今でもお付き合いがあるお店と沢山繋がることが出来ました。交換した名刺は冗談ではなく重ねると20cmくらいの束になったほどです。後にも先にもこんなことはありません。お店を一軒一軒回ったり、手当たり次第メールで営業するよりかは高い出展料と天秤にかけても私にとってギフトショーに出るという選択は割が良かったです。
またハンドメイド商材がメインのホビーショーに出展していたらおそらく埋もれてしまっていたと思います。戦う場所を変えただけで急にモテモテになったことはうまく商材がマッチしたからだと考えられます。事実おしゃれな雑貨ブランドが多く出展している別の展示会では思うような結果にはなりませんでした。こればかりは実際やってみないとわかりません。
企業相手の展示会に出展して以降、その日暮らしの生活がガラッと変わり商品の生産管理と資金繰りに追われることになります。月末の家賃の支払いをどうやって延ばしてもらおうかと考えていた頃からしたら嬉しい悲鳴です。
大成功!めでたしめでたしと終えたい所ですが2024年現在このカタログに掲載している商品は1つも作っていません。理由は簡単に言うと売れなくなったからです。当たり前と言えば当たり前です。何十年もずっと売れ続ける商品なんてほんの一握りです。なので失敗したとは思っていないのですが今時間が経って見直してみると値付けや取引条件などもう少し工夫しておけば良かったなと思う所があります。
次回はこれらの商品を作るのにいくら掛かっていくらで卸し、いくら利益が出たのかまでを具体的に書いて行きたいと思います。それではまた来週金曜お昼にお会いしましょう。
※この先は有料記事となっています。
授業のおまけとして今回は私がビジネスを続けて行く上で大事にしている考えを書いています。
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?