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文章は一人では書けない!?

囲碁は一人で打てません。
相手が必要です。


ほったゆみ(原作)/小畑健(漫画)
『ヒカルの碁 完全版』15巻
p17



文章も一人では書けません。
「読み手」という相手が必要・・・・・です。

すべての文章には、必ず相手がいるのです。


たとえば、下記ツイートの張り紙は「喫煙ブース利用者」という相手に向けて書かれたものです。




文章は書き終わったら完結ではありません。
相手に読んでもらって完結・・・・・・・・・といえます。

したがって、相手のことを考えながら書くことが大事です。

【※】
このことを「相手意識」といいます。

今回は説明を読む人がどのような心理状態・・・・・・・・・にあるのかについて書きます。

そして、その心理状態に応じた説明の工夫を学びましょう。



4週連続・・・・note公式のマガジンに選ばれています★


「わかりやすい説明の書き方講座」の5回目です。
現在、5週連続でnote公式マガジンに選ばれています!

【noteの書き方講座】

(1)noteの記事の9割は「説明」です
(2)どうすればうまく書ける?←書く前が大事!
(3)説明とは?〇〇を知らない人はラーメンを説明できない
(4)「理解できる」ってどんなとき?
(5)文章は一人で書けない!?👈今ココ
(6)「内容の説明文」の書き方―Xは〇〇です
(7)具体的に「具体的に書く方法」を説明します
(8)説明に〇〇を加えれば、理解しすくなる
(9)あの作家が39回も実践したこと
(10)noteのコンテストで3回受賞した僕がやっていること


この講座は、

という考えのもと、「よりよい説明ができるようになりたい」≒「よりよいnoteを書きたい」という方に読んでほしいと思っています。

本文:約3100字
5分程度で読めます🙋‍♂️



説明文を読む人の心理状態


説明文を読む人は、どのような心理状態にあるのでしょうか?
3つ挙げます。

1️⃣よくわからない
2️⃣困っている・不安だ
3️⃣興味がない

それぞれ詳しくみていきましょう。


❶よくわからない


最も多い心理状態でしょう。


マイナポイント事業のことを調べても「よくわからない」から、説明を求めたくなります。


では、よくわからない状態の人に説明するときに意識することは何か?


NGな例・・・・を挙げます。
パソコンのエラーメッセージです。


エラーメッセージが出る、という「よくわからない」心理状態のうえ「スタックベース」だの「バッファー」だのワケのわからん単語がいっぱい出てきています。

これは、わかりにくい。
ツイートした方が困惑して当然です。


「やってらんないよ・・・・・・」


この悪例からわかることは、

「説明する人」
➡知識がある・・


「説明を読む人」
➡知識がない・・

というギャップです。


そのギャップを埋める配慮が必要なのです。
たとえば、

「説明を読む人」が知らなさそうな言葉は使わない。

使うなら、解説を添える。

というものです。
常に、「この表現、相手にわかるかな?」という相手意識が必要なのです。


説明文ではないですが、『ハイキュー!!』というバレー漫画では、バレーに詳しくない人も楽しめるように専門用語の解説が書かれています。

古舘春一『ハイキュー!!』
2巻/p103

【ちょっと一言】

個人的には、漫画にも「説明」の場面があると思います。
その説明場面がスムーズなら、漫画も快適に楽しめます。
(『ハイキュー!!』の場合は、枠外に注記することで話の流れを滞らせていない)

バレーに詳しくない人でも、楽しめる工夫がされているのです。


例をもう一つ。
「公的年金制度」について、理解していますか?



『マンガと図解でよくわかる つみたてNISA&iDeCo&ふるさと納税 ゼロからはじめる投資と節税入門』では、文章だけで説明するとわかりづらい『公的年金』について、図と表で補足しています。



酒井富士子
『マンガと図解でよくわかる つみたてNISA&iDeCo&ふるさと納税 ゼロからはじめる投資と節税入門』p30-31
インプレス株式会社

おそらく、執筆者(酒井さん)は

「公的年金って、わかりづらいだろうなぁ。どうすればわかりやすくなるだろう?」

と考え、図と表でわかりやすくするという方法がとられたのではないでしょうか。





❷困っている・不安だ


「ワシ、東京に行きたい!!」

富山県に住む、あるオジイサンは一念発起して人生初の東京観光を計画します。


ただ、根底にあるのは、

「東京駅って、広いから迷いそう・・・・・・」
「乗り換えが心配・・・・・・」

という不安・・でした。


もし、あなたが「富山駅からスカイツリーまでの道順」を「説明」するなら、不安という心理状態を決して無視してはいけません。


青梅おうめ駅と青海あおみ駅は、間違えやすいから注意してね」
「霞ヶ関は、車の交通量も多いから気をつけて」


といった、相手を意識した「思いやり・・・・」が必要なのです。

介護士からの説明を聞くオジイサン


「間違えやすいところは、どこか?」
「わかりにくいところは、ないか?」

といった意識が、あなたの説明文をよりよいものにします。



もう一つ例を挙げます。
医師から説明を受けるときのことを思い出してください。
診察してもらうときというのは、たいてい心理状態が「不安」です。


その際、

「大丈夫です」

と一言だけ説明されても安心できません。


「中性脂肪の値が130とやや高いですが、問題ない範囲なので大丈夫です。ちなみに、150を超えると『要注意』ですよ」

などと詳しく説明してもらった方が安心できますよね。
説明という行為は、思いやりにあふれたもの・・・・・・・・・・・であるべきなのです。


したがって、相手を安心させる、「+αの情報」があるとよいのです。



❸興味がない


書き手にとっては大事であるが、
読み手にとっては興味がない

という状況も多くあります。


しかし説明は読んでもらえなくては意味がありません。

そこで、

「相手はこのこと(説明事項)に興味があるかな?」

という意識が必要なのです。
もし、「興味なさそうだな」と判断したならば、「読んでもらう工夫」をしなければなりません。


見事な例を紹介します。








コレ。
水の流れが悪くなったので、買ってきました。

真っ先に読んだのは裏面の「使用方法」です。
早く掃除を終わらせたいですから。


「使用上の注意」なんてのも書いてありましたが、視界に入りませんでした。(あなたも、そうでしょう?)



しかし、いざ使おうと思うと、表面に、


「まぜるな危険」

と書いてあることに気づきました。
デカデカと書いてあるので、気づけたのです。

「まぜるな危険」

これ、超名文(見事な説明文)だと思います。


書き手にとって「まぜないこと」は大事です。
が、読み手にとって大事なのは「使用方法」です。

そこで、パイプマンを作った会社(ライオン)は、



と相手を意識し、

「まぜるな危険」

と書いたのでしょう。

本来なら、

「まぜないでください。危険です」

と丁寧に書くべきところを、丁寧さを犠牲にしてまで、

「まぜるな危険」

と大きな字で説明したのです。
そのおかげで、私は「まぜるな危険」という説明を認知できました。(実際、私は危険な使い方をするところでした)



noteで何かを「説明」するとき、この「読んでもらう工夫」をするという意識は必要です。


「〇〇の説明を読みたい!!」なんて考えながらnoteを開く人など、ごく少数でしょうから。


「読んでもらう工夫」が見事だった例を紹介します。

私は、

「どうして観戦することになったんだろう?」
「観戦した感想は?」

と興味を持ってページを開きました。


タイトルを【シンプルかつ知的好奇心を刺激する】という、王道で効果的な工夫だと思います。


私が惹かれたタイトルの一覧(note以外のものが多いです)をアップしておきますので、よかったらタイトル作りの参考にしてください。


まとめ

今回の記事のポイントを4つにまとめます。

★★★★★★
1)相手を意識して説明することが大切
2)常に「この説明、相手にわかるかな」という意識を持つ
→わかりづらいところは、図や表などで補足する
3)「不安だ」という人には安心できる+αの情報を提供する
4)「興味がない」という人に読んでもらう工夫が大事
★★★★★★


次回の投稿は、11月21日(月)の17時30分です!!
ご期待ください。


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