「理解できる」ってどんなとき?
文章には、すべて目的があります。
文章を書くことのゴールは、それぞれの文章の目的を達成することです。
説明文の目的は理解だけなのでしょうか。
また、理解とは何なのでしょうか?
「わかりやすい説明の書き方講座」の4回目です。
★4週連続でnote公式のマガジンに選ばれています★
この講座は、
という考えのもと、「よりよい説明ができるようになりたい」≒「よりよいnoteを書きたい」という方に読んでほしいと思っています。
1.説明文の目的
説明の目的は、主に3つです。
👇【理解】の記事の例
👇【納得】の記事の例
👇【共感】の記事の例
自分が書く記事の目的を把握しておくことは非常に大事です。
理由を2つだけ挙げます。
目的を把握するべき理由①
「車の購入」でたとえます。
車を購入する際は、「車を使う目的」を考えますよね。
自動車メーカーも目的別に車の特徴づけをします。
なんて売れません。
同じように、
で多くのスキやコメントをもらうのは、難しいでしょう。
自分が書く記事の目的を意識することで、記事にブレない芯ができます。
(記事のコンセプトが定まり、読みやすく価値あるものになる)
👆【目的】素晴らしいアプリなので使ってほしい
👆【目的】自分がnoteを始めた理由を知ってほしい
目的を把握するべき理由②
次は、いきなり結論。
2つめの理由は、「目的に応じた工夫」ができるからです。
たとえば、「歩きスマホの危険性」を説明して納得を得たいとき。
このとき、「歩きスマホ肯定派」の意見や実態を取り上げ、否定することでより納得してもらいやすくなります。
反対意見を否定するのです。
さて、説明文の目的は3つあると書きました。
「理解・納得・共感」の中でも理解が最も大事です。
納得・共感は理解したうえで成り立つものですから。
例を図示します。
(「解約金の説明」の例)
ということからも、「納得」より先に「理解」がくることがわかります。
(共感も同じです)
理解の重要性を理解(!)していただけたら、次は理解という概念を勉強しましょう。
2.理解とは
人は、どういった状況のときに「理解」できるのでしょうか。
『「学び」の構造』という本のp40おいて、H・ペトリ―の考えが紹介されています。
そう、人は経験を通してしか理解できないのです。
恋愛をしたことのない小学一年生に、失恋のつらさを理解することはできません。
そもそも、人が「理解する」ときは、どういう状況なのでしょうか?
Aさんが、友人に『食洗機の便利さ』を説明されたとします。
Aさんは、食洗器の便利さをなんとなく理解できたと思います。
実際に食洗器を買ったAさん。
使ってみて、そのメリットを感じます。
食洗器の使用を経験して、初めて、
と、真に理解するのです。
みなさんも、「自分が経験したことで、本当に理解した」ということがあるのではないでしょうか。
相手が経験していないことをいくら「説明」しても、理解されないのです。
3.上手な「説明」
相手が経験したことがないことをいくら説明しても、理解してもらえません。
これでは困ります。
説明の対象は、読み手にとって未知であること(=経験していない)がほとんどだからです。
大丈夫、方法はありますよ。
【例①】藤井聡太さん
藤井聡太さんの強さについて、「経験したことのない人」は理解することができません。
しかし、
と説明してもらえば、「スッゲー強いんやな」と理解できます。
「ジェット機」を映像で見た経験を想起したからです。
藤井聡太さんをジェット機にたとえることで、理解してもらえます。
たとえ=比喩は、非常に有効です。
【例②】相対性理論
という相対性理論を初めて聞いたとき、あなたは理解できなかったのではないでしょうか。(私も「そんなワケねーだろ」と思いました)
しかし、アインシュタインの次の言葉を聞いたら、どうでしょうか。
こう言われれば、理解できます。
「楽しい時間は、あっという間に過ぎてしまう」という経験を想起するからです。
相手が経験していないことでも、「類似した経験を想起させる」といううまい説明をすればいいのです。
よって、前項の「まとめ」を修正します。
【補足】比喩をつくる方法
上手な比喩を使うには、どうすればいいのでしょうか?
ひとつの方法として、
ものがあります。
その比喩を真似していけば、比喩のセンスは磨かれます。
私は、五年前から『書くことの研鑽』ノートを作り秀逸な表現を記録しています。(比喩以外も)
その中の比喩を2つ紹介しながら、方法をご説明します。
方法①
バッターがバットを忘れてバッターボックスに入ることは、あり得ません。
「教科書を忘れるということは、それぐらいやってはいけないことなんだぞ」ということを説明する、見事な比喩です。
野球というメジャーなスポーツは比喩に使いやすいです。
方法②
研究開発するだけでも「針の穴に糸を通す」ほど難しい。
そのうえ、「日々変化する社会のニーズに応じたもの」を開発するとなると、先を読む力も必要なので
ほど難しくなる、ということ表現した比喩です。
「針の穴に~~」という手垢のついた言葉に、ジェットコースターを組み合わせることで開発の困難さを見事に表現してた比喩です。
ありふれた表現も、「+α」することで新たな表現にできるのですね。
4.まとめ
大事なポイントをまとめます。
★★★★★★
1)説明文の目的は、理解・共感・納得を得ること
2)目的を理解して書くべき理由①
➡目的に応じた工夫をすればよりよい説明になる
3)目的を理解して書くべき理由②
➡目的を達成できたか評価できる
4)理解とは経験を通して信じるに至ること
5)経験していないことは理解できない
➡比喩や類似経験の想起を使えば理解できる
★★★★★★
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