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【#詩】 南から

ひとりの女が 南から
柄にもなく 島風に祈りを乗せました

傲慢でしょうか
  過去を振り返ることばかり
今更でしょうか
  綺麗な想い出飾るのは

晩秋の日々は 雪解けへと変わり
いつの間にやら 芽ぐむ火棘かきょく

まだ枯れずに 実をつけろ
もう一度 根を張り伸ばせ

北へ北へとった慕情が
小さく痩せた老体へ届く頃

ひとりの女は 柄にもなく
孫娘に戻り とめどない涙を流しました

南の海に 流しました








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中山かず葉
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