東京装甲少女 EPISODE 0 第15話 【 木偶のぼう 】
カミーユの歓迎会を兼ねた、塩沢家の夕食が
神田の名店、神田笹鮨の上寿司4人前と鮎の姿寿司、巻物やおまかせなどが豪華に居間のテーブルに並べられて行われた。
3人は満面の笑みと大きな声で
【 いただきま~す 】
【 Un excellent dîner 】
といい歓迎会は始まった
大善はカミーユに
大善
【 いや~お嬢ちゃん あんた 凄いね~
俺はこの居間の床を久々みたよ。
それに、周りもみんな、ピッカピカじゃね~か
掃除してから、2時間くらいだろ?
こりゃあ、まったく恐れ入り谷の鬼子母神
いや、神田明神だぜ!!
ありがとなお嬢ちゃん
なっ!!!秋水!!なっ!? 】
とカミーユを褒めつつも、秋水との気まずさを解消してもらうために、
少しでも大善の親心で秋水に話を振る感じにしたが肝心の秋水は、、、、。
秋水
【、、、、、、ああ、、、、、、。】
と蚊の鳴くようにぶっきら棒な相槌を
打った、、、、、、、。
カミーユはその想定外の態度に正直
苛立った。
日本人は礼節を重んじる国だと聞いていたので、
秋水の礼節を重んじない返事に残念な気分と同時に、
もし、私がこの部屋だけでも、清掃しなかったら、
この歓迎会をここの住人はどこで開くつもりだったのであろうか?
と怒りが込み上げてきた。
まさか、あのゴミの中で客を招き行うつもりだったのであろうか?
確かに私の国でも、肩ひじを張らず、
頑張りすぎないでゲストをもてなす
風習はあるが、あれはそのレベルを逸脱している。
清潔な環境で食事を取るのは別の話だ、
美意識や美的感覚、人間性を疑うばかりだ。
それともこの青年は、私の清掃のレベルに
文句がありこのような態度を取っているので
あろうか?
私の清掃が気に入らないという事か、、、、、
それならそれで合点も行くが、、、。
どちらにしてもこの男性は女性に対しての
マナーは0点なのは間違いないと確信した。
そして、この、一つ年上の、
【 木偶のぼう 】のような日本人を、
今日会ったばかりにも関わらず更に嫌いになった。
カミーユ
【 Vous obtenez la note zéro. 】
あなたは0点ね!!とフランス語で言い放ち
フン!!と怒り顔で鼻息を荒くして、
そっぽを向いた。
大善も何を言ったかは解らなかったが、
カミーユが秋水を嫌悪している事は理解した。
大善【 、、、、、、まあ、まあ、お嬢ちゃん、
折角の旨い寿司が来たんだから、
早くほら、食べようや。
うまそうだろ?なあ? 】
と、大善の精一杯の気遣いの、ガハハハッと言う
誘い笑いの声で少し張り詰めた空気が和らいだ
ので、カミーユは気を取り直して食卓の寿司に目を向けた。
卓越した技術や超越した料理法で作られる食事はまさに芸術である。
フランスにも寿司はあるが、如何せん、巻き寿司などが主流で、本場の握り寿司は、カミーユにとって初めての体験であり、日本に来たら必ず食べてみたかった食べ物が宝石のように輝いて並んでいた。
だが、中でも全く見たこともない形の寿司が
1つ並んでいたので、
カミーユは、【 ソレ 】を少し不思議に
見つめた、、、、。
大善はカミーユが不思議そうに
【 ソレ 】を見ていたので
話しかけた、、、。
大善
【それな、鮎の姿寿司 って言うんだわ。
どうだ?珍しいだろ?
笹鮨にしかないんだぜ。
うまいからお嬢ちゃん食べてみな!!】
カミーユは、大善に勧められるがままに、
徐にパクリと1切れ、
鮎の姿寿司を口に運んだ
大善と秋水はドキッとした、今までに2人に見せた事のない天使のようなそしてどこか、懐かしいような屈託のない笑顔でカミーユが初めて微笑んだからだ。
カミーユ
【C'est très bon 】
大善も秋水もカミーユが何と言ったかは
解らなかったが、誰が見ても美味しいのだろうなと
思うような笑顔で喜んでくれていそうなので
大善
【そうか!!そうか~良かった良かった。
鮎の姿寿司旨いだろ?
真紀も大好物でな。
これを食べると今のお嬢ちゃんとおんなじ
可愛い顔して笑ってたよ。 】
ガハハハッと満足そうに笑う大善に、
可愛い笑顔と言われ少し頬を赤らめた
カミーユに対して
大善
【 そういえば、お嬢ちゃんが食べるのが
好きなのはわかったんだが
料理を作るのは得意なのかい? 】
カミーユは、また、いつもの悪い癖で
誰に物を言っているのかしらと思ったが、
実際の所、勉学ばかり励んでいたので、
そこまで料理は上手ではなかったので、
ここは、正直に答えた。
カミーユ
【、、、スコシデ、、キナイ】
大善
【おお、そうか、そうか、難しいもんな料理、、
俺も全然でな~。
ガハハハッ
でも、少しずつでもいいから
明日からでもお願いしたいんだが、
いきなり作れと言っても難しいからな
おい!!秋水!!
【 アレ 】 出してやんな 】
と、秋水に向かって何か、持って来い!
という感じで指図した。
秋水
【、、、、、ああっ、、、。 】
と言いながら、テーブルから立ち、先程、
カミーユが寝ていた部屋へ入って
秋水は、直ぐに戻って来て、大善にある物を渡し、
また席に着いた。
大善はありがとうと、秋水に告げ
カミーユに話し始めた。
大善
【お嬢ちゃん、ほれ、これな!!】
と言いカミーユに、随分と書き込まれたノートを
数冊渡した
カミーユはそれを、手に取り大善の話始めるのを
待った。
大善
【 これはな、亡くなっちまった俺の嫁さんの
真紀の日記なんだわ
あいつがな、床に伏せるようになってから、
真紀
【私に何かあった時や、あなたに好きな人が
出来た時や、新しい秋水のお母さんが出来た
時にでも渡して頂戴 】
って言われたんだわ。
まあ、お嬢ちゃんはどちらでもないんだが、
真紀は料理がとても上手かったんだが、
レシピっていう作り方も沢山書いている
やつみたいなのも書いてるんで良かったら
参考に見てくれや。
まあ、解らない事や読めなかったら
秋水にでも聞いてくれればいいからな 】
ガハハっとお決まりの締めくくりをしたが、
カミーユは
【 木偶のぼう 】には絶対に聞かないと
思いながらも、大善の気遣いに対して
カミーユ
【ワカッタ アリガトゴザマス 】
と言い、後で確認しようと思い、
傍らにノートの束を置き
先ずは、寿司を楽しんだ。
宴も終盤を迎え、酩酊した大善が
大善
【 お嬢ちゃん、じゃあ、明日から
よろしくな~ 】
ガハハハッと、もう自分は上機嫌だから
後は任せたという感じで、
この家の間取りや、必要な道具などの場所を
カミーユに案内してやれと秋水に言ったので、
仕方なく、大まかな場所などを一緒に確認した。
大体の場所を把握し、最後にカミーユの部屋の場所に案内したが、そこは、カミーユが、先程、寝ていた新しい井草の香りがする、
畳のあの部屋だった。
秋水は襖を開け、カミーユを部屋へ通した。
大善が奏でていた素敵な音色の仏壇の方に
目をやると、女性の写真が飾られていた。
その姿を見て、秋水がそっと口を開いた。
秋水
【この部屋は、母さんの
部屋だったんだ、、、、。 】
カミーユは今まで単語しか話さなかった
【 木偶のぼう 】
が突然話しかけてきたので、少し焦って、
さっき、貰って脇に挟んでいた
真紀のノートを落としそうになったが、
何とか持ち手を変えて
落さずに済んだが、、、、、、、、。
ハラり、、、
とノートの隙間に挟まれていた、
薔薇の押し花のしおりの様な物を
畳に落してしまった、、、。
東京装甲少女 EPISODE0 第16話へ続く、、、、、。
こちらで小説を展開している
東京装甲少女EPISODE-0という作品ですが
物語の初まりのOpening Part から
現在のストーリーまで今の所
【無料公開中】です。
是非、東京装甲少女
という世界観の伝わる
始まりから
お読み頂ければ幸いです。
今後は有料化も予定しておりますので
期間限定の今のうちに
お読みい頂ければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
ここから、初めのストーリーを読む
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また来年も展示されるのを目指してまいりますのでご協力
よろしくお願いいたします。
ありがとうございました🙇