💀鬼ごっこの変異種「サダコオニ」
2022.5.28 某所プレイパーク
【ちょっと自己紹介】
プレイワーカー「おけまる」です。
身長は、自動販売機よりちょっと高いくらいです🥫
「遊び」に関する様々な団体で活動し、実践に触れ、色んな人と向き合い関わり合いながら「遊びに関するどんな環境を作りたいのか」ということを模索しています。
現在は、都内某保育園で、プレイワーカーとして遊びの環境づくりをしています。
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今回は、某プレイパークに遊びに行ったときに生まれた遊びを、遊びの中の人という視点からご紹介します。遊びのおもしろさや奥深さなどを感じてもらえたらいいなと思います。
それではどうぞ!
3人の子が何かをやろうとしているところ、「おけちゃんもやろうよ!」と声をかけられたのが、この遊びの始まりだと思っている。
その時、僕と一緒に遊んでいた1人の子も一緒に参加して、5人でやることになった。
何をやるのか聞くと「サダコオニ!」と言って、ルールを説明してくれた。
要は普通の鬼ごっこなんだけど、鬼ではなく、貞子に追いかけられるという世界観。
スタート!
貞子に追いかけられ、「いやー!」と逃げる様子があった。
僕はまず壁に登り、高みの見物。
「それはずるい」とか「のぼるのは無し!」とか言われるかなーと思ったが、特に誰も何も言わなかったし、狙われなかったから、退屈になった。
途中で、鬼に狙われるのを待ちながら芝生で正座してみると、自生するオオバコの花を見つけた。
なんとなく摘んで、手に挟んで合掌をした。
その時、ひとつのアイデアが降りてきた。
「あ!この花をこうしているときは、鬼に捕まらないってしない?」と提案してみると、
「いいね!」
「…でもそれじゃ絶対捕まらないじゃん」
「じゃあ一回タッチされたら、その草は使えなくなるってことにしない?」
「あ、いいね!!」
そんなやりとりを経て、みんな納得なルールが作られていった。
(「おもしろさ」を求めた、超建設的な議論ですね。ここで、「自分勝手」が「おもしろさ」を崩壊させることや、みんなの意見や顔を見て、良い塩梅を探る技術などが身に付いていきます。)
それからは、みんな草をとって回った。
『シロツメクサを相手に当てたら、10秒止まる』
『枯葉で相手のお腹にタッチしたら、貞子はやられる』
などのルールも作られていった。
僕も何回か捕まった。
もちろん捕まったら貞子のように前髪を下に垂らして、本格的に(自分ではそのつもりで)貞子になりきる。
僕は、アウトドア系のハットをかぶっていたので、「アウトドア好きの貞子」と言って、役になりきり、追いかけた。
他の子も、本格的に髪を前にして、貞子になりきって追いかけた。
だからこそ、おもしろい!
ある程度やると、遊びは自然消滅。
次は、倒れ込んだ人の上に草花をたむけて、お葬式ごっこのようなものが行われていった。
遊びには、「最後までやり切る」なんて概念はない。
それは、大人から子どもへのお節介だ。
強いて言うなら、その子の「やりたい」と言う気持ちがなくなったらやめる、次の遊びに行くというのが自然な遊びの流れだ。
既存のルールに従うのみの遊び方では、想定内ある程度の面白さしかない。
自分たちで遊びを作ったり、ルールを変えていったりしたからこそたどり着ける、「この仲間だからこそ」の面白さが、このサダコオニにはあった。