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メモ小説

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自作の掌編小説まとめ。
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2021年5月の記事一覧

傷心

 「メンヘラは嫌いだ」とあなたは言ったけど「おまえが嫌いだ」と言ってほしかった。わたしは…

岡村直
3年前
4

シジフォスの音

 ひとりで悩まないでください。命の相談窓口、24時間ココロダイヤル。  ところがその番号は…

岡村直
3年前
3

珈琲と煙草、4つの掌編④

 新宿の古い喫茶店で、彼女と待ち合わせた。  入口から地下の客席へ続く階段を降りると、先…

岡村直
3年前
2

珈琲と煙草、4つの掌編③

 煙草は百害あって一利なし、と、別れた彼氏はよく言ってた。  コーヒーもよくない、とも言…

岡村直
3年前
1

珈琲と煙草、4つの掌編②

 私はむかしからコーヒーが好きだった。  煙草の匂いも、むかしから好きだった。  それはき…

岡村直
3年前
1

珈琲と煙草、4つの掌編①

「スターバックスって禁煙じゃない」  彼女が言った。 「うん。全席禁煙」  大きな紙コップ…

岡村直
3年前
1

真夏の蜜

 真夏のある日、アパートの部屋で交わったあとに、彼女が冷蔵庫から「買ってきたの」と言って、いちじくを出してきたことがあった。昼下がりだった。灼けつくような空気に、蝉の声が絡みあうように響いていた。 「いちじくって、なんだかねっとりして、甘くて、形とかも、淫靡な感じがするの」  そんなことを言う彼女に、ふうん、と応じながら、私は、彼女がシンクで洗ってガラスの皿にのせたいちじくを掴み、皮ごと咀嚼した。生まれて初めて食べるその果物は、不味くはないがとりたてて美味いとも思わなかった。

本を読む。

 本を読む。アン・シャーリー、マーチ家の四人姉妹、ハンス・ギーベンラート、ホールデン・コ…

岡村直
3年前
1

マサキさんのこと。

「続きはあしたの朝からやります」と言って帰ったマサキさんが、その日の晩に亡くなった。  …

岡村直
3年前
2

ヒコーキを止めたい。

「ウチ、航空管制官になりたい」  放課後、バスターミナルのベンチで、コーラ味のチュッパチ…

岡村直
3年前
3

死ね。

「お前は死んだほうがいい」と職場の上司に罵られたので、顔面に拳を叩きつけたら転げ回って「…

岡村直
3年前
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