鑑賞*何のかの子は寝つかずにつづれさせ
藤本秀峰
1934年 大阪府生まれ。1991年「扉」(主宰 土生重次)に創刊参加。句集に『寒の水』『無辺』。
句は1996年作。『無辺』所収。
いつまでも起きていたい子供と、寝てくれないと困る親との攻防。
「つづれさせ」はコオロギの別名。
冬を迎える準備に、衣を「綴り刺せ」といって鳴くのだという。
やるべきことに手のつかぬまま、親の夜は更けてゆく。
☆「つづれさせ」の名の由来は、コオロギの鳴き声の聞きなしだそう。
フレネル さんの記事で紹介されています。
(岡田 耕)