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ロベール・ドアノーが撮った「巴里祭」

【スキ御礼】共鳴*雑踏のキス短くて巴里祭

東京都写真美術館で「本橋成一とローベル・ドアノー」の展覧会が開催されていました。売店では、ドアノーが撮った革命記念日(パリ祭)の写真入りの文具が二つありましたので、手に入れました。

①クリアファイル「この夜最後のワルツ 1949年パリ祭」(写真左)
  暗がりの誰もいない路地で、若い男女が嬉しそうに踊っています。スポットライトのようにそこだけ光が当たっています。

②ポストカード 「パリ祭,ローベル・ブラシュ通り,パリ 1951年」(写真右)
 国旗が掲揚されたレストランの外のテラス席には、アコーディオンとドラムの特設ステージが設えてあります。道では踊る男女。子どもたちも集まっていて、写真中央には、一人で踊る男の子がいます。

ドアノーの革命記念日(パリ祭)の写真の対象は、パレードや式典ではなく、パリの一般の人々です。パリの路地で老若男女が踊る様子がほとんどで、当時のパリの人々の楽しむ姿が伝わってきます。

ドアノーの過去の写真集を探すと、革命記念日(パリ祭)の作品がほかにもありました。
以下、備忘のための目録として記録しておきます。

・「チュイルリー公園」 1978年7月14日(革命記念日)
 男女と思われる二人が椅子に持ち込んだ椅子にならんで腰かけている。祝祭の戦闘機3機が真上を通過するのを見上げている。その後ろ姿。

・「パリ祭」 1942年
 アパルトマンの外でアコーディオンに合わせて踊る人たち。小学生くらいの男女を肩車した男二人が踊る。その上で子供の男女も手を組んで踊ている。

・「この夜最後のワルツ」 1949年パリ祭
 
・「パリ祭のお腹」 1955年
 込み合う路上で踊る人たちの中の女同士の一組。向き合って手を組んで踊る。お揃いのスカートの下腹も触れ合わんばかりに。

・「カネット通りのパリ祭」 1949年
 張り巡らされたロープに吊られた裸電球の下での音楽演奏と踊り。楽器の編成は、アコーディオン、ギター、トロンボーン、ドラム。大人たちは踊り、子供達も集まってきている。

『ロベール・ドアノー写真集 パリ』岩波書店2009年
※コメントは筆者

・「パリ祭の日の窓辺,  カネット通り,1949年」
 店舗の二階の窓から、男二人、女二人、女の子一人の計5人が窓の手すりに肘をついて外を眺めている。

・「カネット通り,1949年7月14日」
 台の上にワンピースの少女が微笑みながら立っている。その脇で背広の男がフライパンのようなものを持って何かしている。芸か何かの場面なのかよくわからないが、それを群衆が取り囲んで、楽し気に見ている。

・「カネット通り,1949年7月14日」
 道路に横断して大人がロープを張り、そのロープからなん箇所か紐で吊り下げられているものを、男の子たちが口だけで食べようとしている。いわゆるパン喰い競争のよう。手でつかんでいる女の子もいる。

・「ローラースケートをする子どもたち,カネット通り、1949年7月14日」
 通りの真ん中を男の子と女の子がローラースケートで颯爽と滑ってゆく。歩道にいるたくさんの大人達がそれを見ている。見物の大人は道路脇にかたまっているので、子どものローラースケート競争かもしれない。

・「テラージュ通り,1951年7月14日」
 爆竹のようなものなのだろうか、路上に白煙が上がっている。火をつけたと見える男がいて、その脇で女が耳を塞いでいる。通行人らしき人たちは、楽し気にそれを見ている。

・「ローベル・ブラシュ通り,1951年7月14日」
  路上で踊る大人たち。レストランのテラスには特設の台があって、アコーディオンとドラムの演奏がされている。

・「ナント通り,1955年7月14日」(2枚)
 ワイシャツ、ジャケット姿の若い男と、ワンピースの女が踊る。周りも所狭しと踊る組が多い。二枚目の写真には「パリ祭の腹」と同じ女性同士の組がここにも写っている。

・「カネット通り,1949年7月14日」 (2枚)
夜の賑わいのテラス席で煙草を吸う男たち。小さな男の子が寄って来て、テーブルのコップの飲み物を飲んでいる。もう一枚はカフェの中で、ダンスを踊る大人たち。店の奥にアコーディオンほか楽器を演奏する人たちもいる。
グラス片手に女の肩に手を回す男もいる。

・「サン・ルイ・アン・リル通り,1949年7月14日」
夜、踊る大人たちから離れたところで、歩道の縁石に腰かけて語り合う男と女たち。

・「パリ祭最後のワルツ,カネット通り 1949年」

・「サン・ルイ・アン・リル通り,1949年7月14日」
 夜、「KENTUCKY CLUB」という店の前で踊る男女とそれを椅子に腰かけてみている男。店の壁には、男が女を抱き上げたり、背負ったりして激しく踊る絵がある。店の前で踊る女も、ほかの写真とは様子が違う。踊って広がったスカートの中から下着が見えている。

・「(無題)1945年7月14日」
 街路樹もある広い中庭のような場所のテラス席。特設の台の上には、ドラム、アコーディオンなど。テラス中央で男女が踊る。

・「ジャンティイ 1947年7月14日」
 夜、建物3階くらいの高さから通りを見下ろす構図。通りに張り巡らされた電球の列の下で、踊る数組の男女、それを囲んで見る人たち。カフェバーのテラス席にも人がいる。

ロベールドアノー『パリ遊歩 1932-1982ドアノー写真集』岩波書店1998年
※コメントは筆者

☆東京都写真美術館の展覧会「本橋成一とロベール・ドアノー」の詳細は、Naota‗t さんが紹介されています。ご覧ください。

(岡田 耕)

写真/岡田 耕

ありがとうございました。






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