詩 『スノーサウンド』
「嘘が雪に溶ける気はしない。」
流れる冬景色、僕はスローモーション。
口が尖ってる気はしなくもない。
流れる雪景色、
あなたはイルミネーション。
記憶は映画と違うから残らない。
そう考えた一瞬で
触れる部屋が灰色がかる。
そっぽを向いてるスノーサウンド、
息で窓を白くしている。
湿気た冬は諦められないから寒いのね。
そっぽで無いてるスノーサウンド、
息みに触れたら咲かせるから。
青い蝶が羽ばたけば。
息の小説はひたすら同じ景色。
馬車に揺られる僕はスローモーション。
観覧車は不思議な形に光っている。
馬車に乗れば
あなたには届かない。
「あのね、あたしね、」
キャラメル色の恋は甘いし、
マキアートの恋はラテを隠すから。
半音下がり気味の色彩を轟かせ、
したたる僕はコーヒー焙煎機の袖を掴んだ。
そっぽを向いてるスノーサウンド、
真っ白のサビメロディーは
イルミの紅葉を真っ黒にするから。
そっぽを向いてるスノーサウンド、
僕は黒いレトロ通りでポケットの電球を割った。
君のいない世界が君に光るはただの“さよなら”
覚えた文字は全てあなたのため。
かじかんだ詩。
ためらったワガママは冬を失った。
あしらった詩。
トキメキの時間に日付変更線が曲がった。
あなたに似合う詩。
がらんどうの雪景色はまだ流れる。
席に座った僕は殺風景な詩を書いている。
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