水深800メートルのシューベルト|第245話
「なんだよ、不合格って。そもそもあいつは誰なんだよ」
僕はアスファルトから石段をまたぎ、学校の敷地内にある芝生のグニュっとした感触を味わいながら言った。
「リクルーターだよ。あの格好は陸軍だな。卒業したら軍人になれそうな連中をスカウト、というか、今のうちに唾をつけておくんだ。そのうち教室にも顔を出すようになるぞ」
バーナードはやれやれといった調子で両手を広げた。
「学校まで来なくても、募集すれば軍人なんて集まるんじゃないのか?」「アシェルは何も知らないんだな。誰が好