「アシェルの婆ちゃんはハンバーガー屋で働いているんだろ? 大学行くのは不可能だよな。でもお前、軍隊に入ったら地獄だぞ。ブートキャンプって言う基礎トレーニングで根を上げるのがオチさ」
バーナードはそう言い捨てて、芝生を早足で歩いて行き、別のクラスメートに声をかけていた。
僕は、少し話だけでも聞こうかと軍人の様子を見た。彼は、相変わらずポールにもたれかかったままだったが、もうこっちを見ていなかった。
そこで、またの機会にしようと灌木の間を通り抜け、微かな風を感じながら、生徒がひしめく降車入り口の薄茶色の柱に目を移して足を早めた。
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