「あれはやる気ないよ。勧誘しようともしていないんだから」
バーナードの言葉に、僕の目は彼の風貌に釘付けになった。カーキ色の帽子を斜めにかぶり、濃い色の肌と彫の深い顔立ちは、戦地をかいくぐった外国人兵士のように見える。垂れ下がった目は全てを悟り、冷笑しているようであった。
「アジア系かな?」
僕はバーナードを肘で押した。
「いや、多分、アラブ系だよ。髭は剃っているけどな」
彼は興味がないといった態度を手振りで示した。
「いくら、学費を援助してくれるって言ってもな、俺なら百万ドル貰っても軍隊なんてお断りだぜ」
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