秋の足音 【奥入瀬 24/9/7】
実りの秋、到来。
奥入瀬渓流のそこかしこで、クリの実のような
ツヤツヤの木の実が目立つようになりました。
クリの実によく似ていますが、
トレードマークのとんがり帽子がありません。
殻にトゲがないのも大きな違いです。
これはトチの実。
奥入瀬の秋の実りを象徴する木の実です。
この時期のトチノキのてっぺん付近では、
鈴生りになったたくさんのトチの実が
今か今かと落下のタイミングを伺っているよう。
ちなみに[鈴生り]という言葉は
果実がたくさん実った様子を表す言葉ですが、
実が生っている様子を巫女さんが使う
神楽鈴という神具に見立てたことが由来です。
トチノキの実りはこの神楽鈴そっくり。
実の大きさが鈴と同じぐらいだからかな。
トチの実は3枚(稀に4枚)の殻で守られていて
落下の衝撃で中身が出できますが、
腐葉土上に落ちて割れないこともしばしば。
道路上に落ちた時にはもの凄い音をたてて
炸裂しますし、運転中に屋根にくらうと
どこかぶつけたかな!?と焦るぐらい笑
トチノキは湿った沢沿いをよく好むので、
落下した実がそのまま沢に落ちることも。
でも、ちゃんと考えられていて、
中身だけだと沈んでしまいますが、
殻付きの実はプカプカと浮かぶんです。
殻を浮き輪代わりにして、どこかの浅瀬まで
なんとか辿り着こうというわけです。
スゴいぜ、トチノキ!
ちなみに上の写真は殻付きと殻なしを
わざと沢に落として撮影しています笑
この画が撮れたら記事にしようと思ったので、
水没写真を撮影後にちゃんと救出してから
同じ実を使って冒頭の写真を撮影しています。
実が少し濡れているのはそういう訳です(^^)
ところで、森や川に落ちる分には構わないけれど
遊歩道沿いに生えるトチノキから落ちる実は
我々、人間の頭に落ちる可能性もあります。
直撃をくらえば相当痛い「はず」…。
「はず」と言ったのは、
私はまだ実際にくらったことがないから。
このぐらい痛かったんです…!と言いたいので、
秋がくる度に一度は直撃を食らってみたいと
強く願いながらトチノキの下をゆっくりと
通り過ぎるものの、願い叶わず…。
今年こそはお願いします神様!笑