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東証プライム市場上場企業の中の人(2022年末に退職予定)。東京都千代田区在住。平成一…

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東証プライム市場上場企業の中の人(2022年末に退職予定)。東京都千代田区在住。平成一桁生まれ。 退職するまで会社のことやら、趣味のことやら、そこはかとなく書きつくります。

最近の記事

【読書感想】暗号解読

昨今PayPayなどのQRコード決済は広く普及し、マイナンバーカードも所持をしていないと不便な世の中になってきました。 私たちは今、情報化社会の真っ只中にいます。 そんな社会で私たちのプライバシーの保護に一役買っているのが「暗号」ですが、この「暗号」にまつわる歴史ご存知でしょうか? 少し古い本になりますが、今般世界的ベストセラーになった「フェルマーの最終定理」の著者、サイモン・シン氏による「暗号解読」を読んだところ、これまで知らなかった暗号に関する興味深い事実(未読の方は

    • 【読書感想】はじめての短歌

      昨年、Podcastを楽しんでいたとき、とある現代短歌に出会いました。 一度聞いただけで、よく晴れ渡った夏空の下、ビアガーデンでジョッキをかかげる情景がぱっと頭に浮かびます。(ビールを飲んでいる場所や空模様のことは一切書かれていないのに、なんだかそんな気がする!) 現代短歌はこんなに親しみやすく、しかも想像力が勝手に膨らむものなのか、という新鮮な驚きから、もっと現代短歌のことが知りたくなり、図書館に並ぶ本から入門書のような題の本を手に取りました。 それが今回読んだ、穂村

      • 青梅市にある「旅館建物室礼美術館 河鹿園」が想像以上によかった

        青梅市内を紹介するガイドブックや観光マップにもなかなか載っていない観光スポット「旅館建物室礼美術館 河鹿園」をご存知でしょうか? それは東京の西にある青梅駅のさらに西側、JR御嶽駅のそばにあります。 立て看板には「築90年の料理旅館がそのままの形で美術館になりました」の文字。 どうやらこちらは広告などをほとんど出していないようなのですが、元々旅館として使われていた古い建物の中で書画などを展示している美術館のようです。 建築好き、美術館好きとしては見ないわけにはいきませ

        • 三菱一号館美術館「ヴァロットン展」の感想

          フェリックス・ヴァロットン(1865-1925)はスイス出身の画家で、多くの木版画作品を残しています。 現在三菱一号館美術館で開催されている展覧会は、そんなヴァロットンの木版画が「これでもか!」と展示されたものになっていますが、少なくても日本ではヴァロットンの知名度が高くないと思われるので(正直、私も今回の展覧会に行くまで知りませんでした)、「うーん、よく知らない画家の展覧会だからなぁ…」なんて出かけるのをためらう方もいるかもしれません。 そんな方に向けて、展覧会に行って

        【読書感想】暗号解読

        • 【読書感想】はじめての短歌

        • 青梅市にある「旅館建物室礼美術館 河鹿園」が想像以上によかった

        • 三菱一号館美術館「ヴァロットン展」の感想

          箱根美術館巡り④(移動手段やチケット購入に関するTips)

          箱根には美術館が点在していますが、今回実際にいくつか訪れてみて、移動手段やチケット購入に関して「事前に知っておけばよかったな〜」と思うことがあるので、箱根美術館巡りシリーズの最後にまとめておきます。 平日でも渋滞する箱根湯本駅前に注意実際に行くまでわからなかったのですが、2022年11月現在箱根湯本駅前は平日でもかなり混雑しており、駐車場はどこも満車でした。(駐車場に入れず困っている車が道を塞いでしまい、渋滞を悪化させているようでした) 箱根に向かう車も小田原に向かう車も

          箱根美術館巡り④(移動手段やチケット購入に関するTips)

          箱根美術館巡り③(ポーラ美術館とゲルハルト・リヒターとの出会いとか)

          ※本記事はこちらの続編となります▼ 箱根ラリック美術館を満喫した後は、ポーラ美術館に行きました。 何度足を運んでも好きだなと思うこの場所の感想を書いていきます。 考えられた建築デザインポーラ美術館の建築デザインのコンセプトは「箱根の森にとけこむ」です。 美術館入口までの道は短いですが、背の高い周囲の木々と同じ目線を楽しめます。いつも見上げるばかりの木々が、こんなにも間近に。 そして建物内に入っていきます。 ガラス素材のエントランスは、箱根の地に降り注ぐ木漏れ日をこんなに

          箱根美術館巡り③(ポーラ美術館とゲルハルト・リヒターとの出会いとか)

          箱根美術館巡り②(箱根ラリック美術館にまつわるあれこれ)

          ※本記事はこちら▼の続編です。 今回母が一番行きたがっていたのが、フランス人のガラス工芸家/宝飾デザイナーであるルネ・ラリックの作品が展示されている「箱根ラリック美術館」。 美術館敷地内にある本物のオリエント急行の食堂車の中でティータイムを楽しめるというカフェ「LE TRAIN(ル・トラン)」にどうしても行きたいとのこと。 というわけで、母の希望を叶えるべく訪問したのですが、これからラリック美術館に行こうと考えているみなさんに向けて参考情報をお届けします。 まずはカフ

          箱根美術館巡り②(箱根ラリック美術館にまつわるあれこれ)

          箱根美術館巡り①(箱根ガラスの森美術館+α)

          母からの希望を受けて、二泊三日で箱根に行ってきました。 訪れる場所は全て母が気になっていたという場所で、主に美術館です。 今後行こうと計画される方の参考にもなるよう、それぞれ感想を書き留めておきます。 さて、旅行初日に訪れたのは「箱根ガラスの森美術館」です。 箱根ガラスの森美術館の感想先にポイントを短くまとめます。 晴れた日がおすすめ 見るところが意外と多い レストランもいい では、それぞれ補足していきます。 1. 晴れた日がおすすめ 写真だとあまり伝わらな

          箱根美術館巡り①(箱根ガラスの森美術館+α)

          【読書感想】アンネの日記

          「アンネの日記」を読んだことはありますか? 私はついこの間まで 「読んだことはないけど、知ってるよ。歴史の資料集とかに載ってたよね。アンネ・フランクという、ふんわりとした黒髪のユダヤ人の女の子が第二次世界大戦中に書いた日記でしょ」 という程度の理解しか持っていませんでした。 が、実際に読んでみて、「なんて軽薄な理解をしていたんだ!」と気がついたので、皆さんにも内容を共有します。 最初に(アンネと日記の概要)「アンネ・フランク」ってそもそもどいういう人だっけ? 日記はどん

          【読書感想】アンネの日記

          文化の日に上野のミュージアムに行った話

          前回の投稿からあまりにも日が空いてしまいました。 この間、家を買い、上司に退職の話をし、転居が完了し、現職の最終出勤日を迎える、という様々なことがあったのですが…これらは後日書くとして、まずは最新の話題だけ。 本日は2022年11月4日なので、昨日は祝日「文化の日」でした。 私は上京するまで知らなかったのですが、関東圏には文化の日に無料で常設展を楽しめるミュージアムがいくつかあり、そのうち三つは上野恩賜公園にあります。(企画展はいずれも有料なのでご注意ください。また、関西圏

          文化の日に上野のミュージアムに行った話

          【読書感想】読書と社会科学

          先月、「本を読むとバカになる」という主張を掲げたショーペン・ハウアーさんのエッセイを興味深く読みましたが、今度は日本の方が著した読書論も読んでみました。 経済学者である内田義彦さんが1985年に出版した「読書と社会科学」です。 内田さんの考える読書論と社会科学論が、すべて読者に話しかけるような口語体で書かれています。まるでセミナーを聞いている気分です。 これまで読書論について触れてこなかった私には新鮮な内容だったので、みなさんにも少しばかりご紹介します。 本の冒頭から

          【読書感想】読書と社会科学

          アドミュージアム東京で考えた広告のこと

          先月、日本で唯一の広告のミュージアムと謳う「アドミュージアム東京」に行ってきました。 こちらは株式会社電通の第4代社長の名前を掲げた「公益財団法人 吉田秀雄記念事業財団」によって運営されていますが、なんと入館料は無料です。 ただし、現在入館するには事前予約必須のためお気をつけください。また、開館日は火曜〜土曜で、週末しか行けないであろうサラリーマンには残念なことに日曜日は休館です。 さて、今回印象に残った広告を少しだけご紹介します。 1907年のウォーターシュートこち

          アドミュージアム東京で考えた広告のこと

          【読書感想】自分で考えること/著述と文体について/読書について

          先日読んだ山口周さんの著者「仕事選びのアートとサイエンス」の中で、ドイツの哲学者ショーペンハウアーさんはかつて「読書はバカになるからやめろ」という内容の本を書いたと紹介されており、気になって自分でも実際に読んでみました。 (著者名を「ショーペンハウエル」と表記する場合もあるようですが、ドイツ語での発音を確認したところ、「ショーペンハウアー」の方が近いようだったので、今回はこちらで表記します。誤りあればご指摘ください) 実際に読んだのはこちら▼ ※最寄り図書館にはこれしかショ

          【読書感想】自分で考えること/著述と文体について/読書について

          新しい国立西洋美術館に行ってきた

          2020年10月から改修工事のため閉館していた国立西洋美術館が、2022年4月から再稼働し、ようやく7月に行ってきました。 現在の企画展現在企画展として「自然と人のダイアローグ」が開催されています。 「ゴッホ展」や「印象派展」と違い、何の展示かわかりにくい展覧会名ですが、日本でも多くのファンがいるモネやゴッホも並ぶ、豪華な展覧会です。 展示作品自体の見どころは、館長をはじめとする美術館関係者の方がYouTubeやニコニコ動画で丁寧に解説されているので、お時間のある方は事前

          新しい国立西洋美術館に行ってきた

          【読書感想】仕事選びのアートとサイエンティスト

          山口周さんの「仕事選びのアートとサイエンティスト」を読みました。 この本の初版は「転職は寝て待て 新しい転職・就活キャリア論」というタイトルで2012年に出版されたようですが、2019年に増補改訂版が上記のタイトルで出版されました。 今回はこちらの中で印象的だった内容をご紹介します。 「仕事選び」のポイントとは時間に追われている人にはとてもうれしいことに、本を開いてほんの数ページのところに肝心な「本書の基本メッセージ」が簡潔に書かれています。 …まあ、そりゃそうだろうな、

          【読書感想】仕事選びのアートとサイエンティスト

          村上春樹ライブラリーでの読書時間

          昨年オープンした早稲田大学キャンパス内にある村上春樹ライブラリーに行きました。三度目の訪問です。 (オープン直後は予約枠の争奪戦が起こっていましたが、今はだいぶ予約が取りやすくなっています。) 滞在できるのは90分、図書の外部持ち出しは不可、ということで一冊まるっと読むことは難しいのですが、今回試し読んだ二冊の本の感想です。 クリエイティブな作家なら○○しない一冊目は「ウンベルト・エーコ の小説講座」です。 彼はイタリア生まれの中世美学を専門とする研究者で、48歳で処女作

          村上春樹ライブラリーでの読書時間