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青梅市にある「旅館建物室礼美術館 河鹿園」が想像以上によかった
青梅市内を紹介するガイドブックや観光マップにもなかなか載っていない観光スポット「旅館建物室礼美術館 河鹿園」をご存知でしょうか?
それは東京の西にある青梅駅のさらに西側、JR御嶽駅のそばにあります。
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立て看板には「築90年の料理旅館がそのままの形で美術館になりました」の文字。
どうやらこちらは広告などをほとんど出していないようなのですが、元々旅館として使われていた古い建物の中で書画などを展示している美術館のようです。
建築好き、美術館好きとしては見ないわけにはいきません!
というわけで、この度どんなところなのが探ってみたので、「青梅なんてなかなか行けない」という都会在住のみなさんに情報をシェアしたいと思います。
なお、「河豚」と書いてフグと読みますが、「河鹿」はそのまま「かじか」と読み、清流の歌姫と言われる「カジカガエル」のことを指します。
河鹿園主さんによると、このあたりは春〜初夏あたりになるとカジカガエルの鳴き声がよく聞こえるとのことでした。
基本情報
入館料
大人800円、学生400円、
一日ごゆっくり券(飲み物付き・再入場可)1,200円営業時間(短めなのでご注意!)
11時〜16時(入館は15時まで)定休日
月曜・火曜駐車場
有(建物前に数台程度)
見所(所感)
1. 窓から入り込む自然の風景や光がとにかく美しい
ところどころに窓があり、豊かな御岳エリアの自然を満喫できます。
12月でも十分すぎるほど美しい景色でしたが、花咲く春や、色めく秋はより鮮やかな景観を楽しめそうです。
ちなみにこの時期はこたつで暖をとれるお部屋もありました。
ぬくぬくとこたつに足を入れながら、窓の景色をぼんやり眺めゆっくりするのは気持ちがよかったです。
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2. 「室礼」に注目!
ところで、記事のタイトルにも書いたように、こちらは「旅館建物室礼美術館」です。
さて、「室礼(しつらい)」の言葉の意味を知っていますか?
(私のぼんやりとした解釈ですが)どうやら、掛け軸や花などで室内に季節感を装わせ、もてなしの気持ちを表現する作法のようです。
こちらでは「室礼美術館」と名乗るにふさわしく、どこもかしこも「室礼」が意識されています。
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赤い花のアクセントがいい!
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どれも絶妙なバランスです。
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お花や掛け軸はどれも派手ではないけれど、控えめな品の良さが漂っています。そのほか、欄間、飾り棚、障子枠まで、こだわりを感じる部分が随所にありました。
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外の景色だけではなく、室内空間も、しげしげと眺めるだけで心が浄化されます。。。
3. 書画もいろいろ
たくさんの書画はあるものの、大半は書かれている草書体の文字を読み解くことができず、また私の日本画に対する知識も浅いため、十分に楽しめたとは言い難いのですが、意外とポップな雰囲気の書画もありました。
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よく美術館で飾られているような油絵は、見ても「こんなの私には絶対に描けないな…」という感想がまず出てきますが、ごく限られた色と筆数で描かれた書画をみると、「あ、こういうの私も描いてみたい!」と絵心がくすぐられます。(と思って描いてみても、うまく描けないことがほとんどなんですけど、普段絵を描かない私のような人間にも「描いてみたい!」と思わせる力がある書画ってすごい)
話が少々逸れてしまいましたが、小難しい書画ばかりかかっている訳ではないので、「書画ってよくわからない」という人が訪れても、それなりに楽しめるんじゃないでしょうか。
4. 中古食器の販売もしています
建物内には旅館業をされていた時代に活躍しただろう食器類の販売スペースもありました。
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旅館ならではの大皿や籠などもあり、ここだけ台東区のかっぱ橋道具街のような雰囲気でした。
おそらく新しく仕入れることはなく、あるものを売って、それきりになるかと思うので、できたらたくさんあるうちに足を運ぶとよいかと思います。
こんな人におすすめ
自然豊かな御嶽駅付近では、トレッキングやハイキング、御岳渓谷でのラフティングなどのアクティビティを楽しめますが、基本的にお店は少なく、東京都内とはいえ23区内からふらりと来れる距離でもありませんし、もちろん電車の本数も多くありません。
そのため、基本的には車で移動できる方におすすめします。
また、カメラ好きにもおすすめです。
建物内で撮影ができないものはほとんどなく、場所が場所だけに混まないことから人が映り込むこともないので、たっぷり時間をかけて思う存分撮影を楽しむことができます。(写真を撮りながらだと1時間なんてあっという間です)
一方、とても静かな場所なので、付き合って日の浅いタイミングでのデートなどでは静けさに耐えきれないかもしれません。
静かな時間を味わいに来られる方もいそうなので、みんなでわいわいするのが好き!という方にも少々不向きかもしれません。訪れるなら少人数がよさそうです。
…以上となりますが、私の感想としてはタイトル通り「想像以上によかった」なので、ぜひみなさんも奥多摩方面に寄られる機会があればこちらへの立ち寄りもご検討ください!