新しい国立西洋美術館に行ってきた
2020年10月から改修工事のため閉館していた国立西洋美術館が、2022年4月から再稼働し、ようやく7月に行ってきました。
現在の企画展
現在企画展として「自然と人のダイアローグ」が開催されています。
「ゴッホ展」や「印象派展」と違い、何の展示かわかりにくい展覧会名ですが、日本でも多くのファンがいるモネやゴッホも並ぶ、豪華な展覧会です。
展示作品自体の見どころは、館長をはじめとする美術館関係者の方がYouTubeやニコニコ動画で丁寧に解説されているので、お時間のある方は事前確認をしておくと、より楽しめるかもしれません▼
行ってきた素直な感想
久しぶりの国立西洋美術館でしたが、私は東京では一番と言っていいくらい好きだと改めて思いました。理由はこちら▼
疲れた時に座れる場所が多い
個人的にこれは重要ポイントです。
「二千円も払うのだから、時間をかけて楽しみたい!」と思ってしまう庶民の私は、立ちっぱなしでしか鑑賞できない美術館は苦手です。
欧米の大きな美術館に比べ、日本の美術館はベンチが少ないように思いますが、国立西洋美術館は企画展にも常設展にもある程度の数のベンチが設置されているので、ゆっくり鑑賞したい方にはおすすめです。(デートにも向いています!)
写真撮影可能な作品が多数
日本の展覧会でよくあるのが「一部だけ写真撮影OK」というスタイルで、ほんの数点の作品だけ撮影できるけれど基本的には撮影不可ということが往々にしてあります。
そんな中、国立西洋美術館は「基本的に撮影可能(一部作品は除く)」という方針なので、気に入った作品をどんどん撮影することができます。
「写真を撮られると鑑賞の邪魔になる」「撮影することに没頭して作品をじっくり鑑賞しなくなる」という意見の方もいらっしゃいますが、あまりにも長時間撮影している方には適切に声がけをすればやめてくれるし、じっくり鑑賞したうえで写真を一枚撮ったのに、それで「作品を鑑賞できていない」と言われるのは心外だな…と感じてしまいます。
人間の記憶力には限界があり、後になってから写真を見て「そういえば、この作品はよかったな〜」なんて思い出すこともあるので、私は写真撮影可であることに賛成です。
余談ですが、有名建築家ガウディの作品でスペイン・バルセロナにある「カサ・バトリョ」に2017年に行ったときには「人がいない時の映像を楽しめるデバイス」が手渡されました。(基本はオーディオガイドだけど、いくつかの場所でこの機能が使えた気がしますが、記憶が曖昧です)
「人が溜まると鑑賞の邪魔」と感じることの解決策として、こういうデバイスが普及するのも一つの手かもしれませんね。
企画展のチケットで常設展も見られる
国立西洋美術館の常設展は近代建築の三大巨匠の一人、ル・コルビュジエが設計した空間で楽しめますが(※最後のエを小さくして、「コルビュジェ」という呼び方をされることが多くあるものの、国立西洋美術館としては「コルビュジエ」が公式表記のようです)、企画展のチケットがあればこの常設展も鑑賞できます。
常設展では中世の宗教画から、モネやルノワールなど印象派、ロダンの彫刻作品、そしてジャクソン・ポロックやジョアン・ミロといった20世紀の絵画まで展示されてあり、誰が行っても「あ、これは好き」と思えるような作品が見つけられるはずです。
企画展だって2時間ほど楽しめますが、常設展は絵画や彫刻の他、建物自体も魅力的で見所が多いので、さらに追加で2〜3時間は飽きずに美術館を満喫できます。企画展を見終わってから一度美術館の外に出て一休みし、それから常設展を楽しむ、ということだって可能で、これが二千円でできるとはかなりお得です。
「小企画展」も楽しい
国立西洋美術館では、企画展とは別に、常設展内で「小企画展」が開催されています。素描など小品が中心となるものの、いつ行っても「よく見るとおもしろい」と感じる作品が展示されています。
現在は西洋版画(エッチング)に関する展示となっており、エッチングの作り方から学ぶことができましたが、なんとエッチングには「醤油」が必須という衝撃の事実を知りました…!(西洋版画なのに醤油が必要ってどいういうこと!?醤油文化が無い国ではどうしているの!?と気になり、帰宅後調べてみたところ、どうやら欧米ではお酢に塩を加えたものや、ワインなどを使用しているようです)
昨今美術館のチケット価格は高騰していますが、国立西洋美術館なら「この内容でこの値段なら、まあいっか」と感じてもらえると思うので、皆さんにもおすすめします!