uri

すなおに

uri

すなおに

最近の記事

アンメット

私は幼少期、いわゆる鍵っ子だったので、 寂しくないように自分の部屋には古いブラウン管型のテレビがあった。 子供ながらに当時の連ドラを録画して、繰り返し見ていた。自分の年代では見ていないような古い作品は再放送で履修済みだった。 だから時々、SNSで古いドラマの話をしていると、いくつなの?と年齢を疑われる時がある。 一緒に歳を取ってきたと思う、それくらいテレビドラマが好きだった。 そんなドラマ大好き人間が、我を忘れ、夢中になった作品が、突如現れました。 『アンメット』

    • 2024.02.03

      今日は、『それでも、生きてゆく』シナリオ本発売日イベント、坂元裕二さんのサイン会の日。 去年の梅雨の時期も東京へ来た。 帰りの新幹線はとても混んでいた。 乗務員さんや、隣の席の人にバレないよう 溢れてくる涙を隠しながら関西へ戻ったのを覚えている。 信頼していた人から浴びせられた言葉。 そのとき食べていたのはカレーだったが、おいしいという感覚はあるのに辛いのか、甘いのか分からない。 矛盾を指摘して思いっきり言い返せばいいのに、 言葉を失ってしまった。 「この人は一体、

      • いちばんすきな花

        その四人が正解なのか、間違いなのか、分からないけど、私にとっては間違いなく救いだった。 美鳥にとっての四人がそうであったように、いちばんすきな花も、間違いなく誰かの救いとなるドラマだった。 これからもこの物語が終わらない感覚を、映像へ刻み込んだ美しい終幕。居場所を探してウロウロしていた四人が出会って、三人がいる場所が帰る場所になった 他人の気持ちを想像しては悲しくなってしまうゆくえ、いつの間にか無個性のいい人になっていた椿、他人に価値を決められ続けてきた夜々、余りものを

        • 水曜日

          水曜日。 わたしは週のなかで水曜日がいちばん苦手だった。 週のど真ん中で休みの日に溜めておいた体力もほぼ削りとられ、月曜日、火曜日に生まれたちくちくストレスたちものしかかってくる。 せめて、夜にたのしみがあればなあ。 ほんとに言い方が悪くて申し訳ないけれど、いつからだったか思い出せないほどに水曜日の夜に放送されるドラマにハマることができなかった。だから、わたしのなかで水曜日は「たいくつな日」になってた。 なのに、あの水曜日が待ち遠しくてしかたがなかった。「水曜日だ、や

          父の背中

          民放ドラマの時代はもう終わりなのか。配信コンテンツに舵を奪われていくのか。そんな風に思い始めていた矢先に出会った得体の知れないドラマ『VIVANT』。この3ヶ月、まさしく『大きな渦』に巻き込まれていった。 「弾を込めない男」 8話「本当に裏切ったのなら私の目の前で殺せ」と黒須殺害を乃木に命ずるが、渡した拳銃の中身は空。 10話の元指令官への復讐に使用した拳銃の中も空。 ベキは心底「仲間への裏切り」と「血が流れる」こと嫌う男だった。 乃木がいくらDNA判定で血の繋がった

          父の背中

          ラブコメ界の罠。

          夏クール、『こっち向いてよ向井くん』『ウソ婚』というラブコメ二強が爆誕した。 わたしはいつからかラブコメというジャンルが苦手になっていた。 これでも中高生の頃はありとあらゆるラブコメ映画を観てきた。 だが、どれもわたしの胸に刺さってはくれなかった。次こそはと期待もしたが、期待するだけ悲しい気持ちにもなりいつからかラブコメというものを敬遠するようになっていたのです。 とくに『ウソ婚』はファーストインプレッションが「アイドルと元アイドルを起用したありがちラブコメ」だった。今

          ラブコメ界の罠。

          にっきみたいなにっき

          最近、文字を書くということをしてなかったので日記のような形で書きたくなって書いてみました 最近は「怪物」の3回目を観に行きました。 それと、坂元作品をたくさん見返しました。 「初恋の悪魔」というドラマで「言い返せなかったことって残るでしょ。あなたのしてることは失礼だよ、わたしは怒ってるんだよって言えなかったことって、何年経っても残るでしょ。今となっては言い返せないし、そういうのって、シャツのシミみたいに残るんだよ」という台詞がありまして。 言い返せなかった言葉をふと思い

          にっきみたいなにっき

          映画『怪物』ネタバレ感想&考察

          ※ネタバレを多く含んだ感想になっています。 暗い草むらを歩く子供の足。 サイレンを鳴らして走る消防車。 子どもの視線の先には燃え上がるビル。 子どもはチャッカマンらしきものを手にしている。 ー子どもがビルに火をつけたかもしれないー さらにそのビルにあるガールズバーに子どもの父親が通っているとしたら。その疑いはより強まるだろうか? 全くの無実だとしても。ひとの想像や思い込みはこのように簡単に生まれていく。 物語は三部構成となっており、早織、保利、湊の視点から同じ時系列を追

          映画『怪物』ネタバレ感想&考察

          片思いの擬似体験

          わたしは毎週silentに片思いしてた。 放送が終わると、一時間くらいテレビの前から動けず、映像と言葉を思い出しながらsilentのこと考えて涙がぽろぽろ止まらないこともあった。駅のホームで電車を待ってる間に再生して、乗りたかったはずの電車に気付かないくらい夢中になって見たりもした。何度も言葉を思い出して暖かい気持ちになったり、苦しくて切なくなったりした。これ、まるで片思いしてるときみたいでしょ。 silentはいつも展開が読めない。 片思いしてるあの子の言動に「え!そっち

          片思いの擬似体験

          正義と不幸

          エルピスは実在の事件から着想を得て制作された作品であり、恋愛スキャンダルで左遷した女子アナ浅川恵那と若手ディレクターの岸本拓郎が冤罪事件の真相に迫っていくという始まりでした。 テレビ局の裏側や、政府の圧力とメディアの構造など『権力と圧力』が非常にリアルに描かれており、それらの圧力に対抗する浅川と岸本という構図。 浅川がゲリラで冤罪事件の疑惑を訴えるVTRを放送し、それは大きな反響を生み、大衆に刺さった。 しかし、ここで松本死刑囚の「再審請求が棄却」されたり、岸本が地道に掴

          正義と不幸

          言葉で伝えることの難しさ

          ドラマ「silent」の7話。紬ちゃんというキャラクターになかなか感情移入できないでいた。同時に紬ちゃんの気持ちを知りたい!と思いました。 「紬ちゃんに共感できなかった」というのは作品への批判ではないです。口を酸っぱくして言いたい…!視聴後に「あれってこうだったのかな」っていろいろ気になって何度も何度も考えちゃいます。それってもうこの作品の世界観に引き込まれている証拠なんです。 7話はとにかく「言葉で伝えることの難しさ」を痛感しました。 冒頭で、追いかけてきた想くんに「

          言葉で伝えることの難しさ

          正しさよりも優しさが欲しい

          ドラマ「silent」をいつも1話につき、3回〜4回繰り返し見ていたんですが、6話だけはもう一度再生ボタンを押す勇気が出なかった。 それは6話があまりにもリアルで終始グサグサと胸に刺さり古傷をえぐられるような気持ちにさせられたから。 これは決して批判ではなく、むしろドラマでここまで感情を揺さぶられたのはいつぶりだろう…というくらい非常に素晴らしい体験をしたと思っています。 頭の中の記憶を辿って文章を書いていくので放送内容と違う部分があれば許してください…! 6話の冒頭で

          正しさよりも優しさが欲しい

          儀式殺人が犯行動機。赤ナス考察(2話)

          赤いナースコール二話の考察になります。 noteがとても書きやすく、二話の考察もnoteにて失礼します。三話以降はyoutubeでの考察を考えております…! 市内連続殺人と病院の連続殺人の犯人は別!? 市内で起きていた身体の一部を持ち帰るという連続殺人と313号室で起きている連続殺人は別の犯人ではないか?という可能性が2話で出てきました。 市内で起きていた連続殺人は、必ず身体の一部を"持ち帰っていた"のに対し、313号室の殺人は切り取った部分を人目に付く場所に"返して

          儀式殺人が犯行動機。赤ナス考察(2話)

          赤いナースコール 考察(1話)

          真夏のホラー?ミステリー?考察ドラマが 始まりましたね…!月曜23時06分から放送中の 『赤いナースコール』 いつもはTwitterで考察投稿してるのですが、 今回気になる箇所が多すぎて、Twitter4枚の画像内に収まらない気がしたので今回限定になるかもですが、 noteにて考察投稿します…! 最後には猟奇殺人の犯人についても予想しているので、 ぜひ最後まで見てみてください…! ①トラックに描かれたイラスト まず気になったのは冒頭の事故。 ぶつかってきたトラックに描

          赤いナースコール 考察(1話)

          マイファミリー 最終回 考察

          マイファミリーの最終回がちょうど一週間前に放送されました。 マイファミリー最終回を私なりに考察してみたので良ければ読んでみてもらえると、そして感想などもいただけると大変嬉しいです。 冒頭の注目シーン3選 まず、冒頭だけでも注目すべきシーンが何個かあったように感じました。 ①冒頭、温人に真犯人から 「未知留さんを誘拐しました」と着信が入る。 今までなら温人は「え?」と驚く反応をしていたが、 温人は一切驚きもせず「要求はなんだ?」と答える。 誘拐事件に慣れすぎているのか、

          マイファミリー 最終回 考察

          すごいものを見てしまった

          ナンバMG5 第九話が水曜日に放送されました。 ついに剛の二重生活が家族全員にバレてしまう。 剛は普通の学生生活が送りたい。 でも大好きな家族の期待は裏切りたくない。 剛の葛藤はこれまでに何度も描かれてきました。 家族なら話せばきっと分かってくれるはず。と思いながら見ていると、そんな期待はすぐに裏切られた。 家族は誰一人剛の話を最後まで聞こうとはせず、認めてくれなかった。兄、父、母みんながそれぞれの怒りと悲しみを抱いていた。 ずっと剛の思いを見てきた視聴者からしたら、

          すごいものを見てしまった